スポット広告好調も、今期もまた配当据置き予想・朝日放送(9405)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9405】朝日放送 (東証一部) --

現在値 727円/100株 PER11.0 PBR0.55 3月配当優待9月配当優待

西日本最大手民放でテレ朝系列。住宅展示事業大手。ゴルフ場も。

配当は3月末9月末の合計18円のため、配当利回りは2.48%となります。
朝日放送は株主優待制度を実施しており、単元保有の株主にで500円分の
QUOカード
を年2回進呈しておりますので、配当優待利回は3.85%となります。

業績を確認をしていきます。
■2013年3月期 売上高 788億円 経常利益 58億円 EPS 67.9円  
■2014年3月期 売上高 814億円 経常利益 60億円 EPS 79.7円
■2015年3月期 売上高 806億円 経常利益 48億円 EPS 54.0円
■2016年3月期 売上高 810億円 経常利益 44億円 EPS 58.1円 
■2017年3月期 売上高 824億円 経常利益 44億円 EPS 66.2円 ce
□2016年9月中 売上高 408億円 経常利益 12億円 EPS 21.6円(11/8)

2016年9月中間期の売上高は前年同期比3.7%増の408億円、経常利益は同
3.0%減の12.6億円となり、期初計画をやや下回りました。主力の放送事業に
おいて、スポット広告が好調だったほか、近畿圏の景況改善によりローカル
放送も底堅く推移しました。反面、ドル箱のハウジング事業は名古屋店開業
(大名古屋ビルヂング2フロア)が満床稼働するも、PR費で減益となりました。

なお2017年3月期通期に関しては前期比1.7%増の824億円、経常利益は同
微減となる44億円の期初予想を据え置いております。ハウジング事業のPR
費用・改装費用が依然として重いものの、視聴率低調ながらもスポット広告・
タイム収入ともに堅調な放送事業で、ある程度穴埋め出来る見通しです。


当社は創立70周年を迎える5年後の2022年3月期に売上高1,000億円(前期
実績は810億円)、営業利益80億円(同40億円)を目指す中期の定量目標値
を持っていますが、これより短期の3年中計が速攻で未達成となった経緯も
あるため、会社側中計値は画餅的なものとして捉えた方がよさそうです。


ただこの中計には殆ど寄与しないものの、新規事業はそれなりに形になって
きた感じもあり、フジテレビの「フジ・スタートアップ・ベンチャーズ」の後追いで
はじめたVC事業である「ABCドリームベンチャーズ」もグルメサイトの"Retty"

やカーシェアの"akippa"など、有名なベンチャー企業に投資し始めている他、
コンテンツ事業の「ABC FRONTIER(※中間持株会社)」の出資映画である
"聲の形"がヒットするなど、ある程度は成長してきている気配を感じます。

最後に株主還元ですが、今期は前期並みの18円配当を予想していますが、
基本的に当社は現金の塊で出来ているような超好財務企業であり、借金と
ネットして125億円の現金と、175億円の有価証券を抱え込んでいますので、
現在の配当水準をいきなり倍にしても全く違和感のないレベルと言えます。
困ったことに、発行部数の減少に苦しむ筆頭株主の朝日新聞社(14.8%)も
好財務かつ不動産を沢山持っている超優良企業なので、当社に配当金を
吐き出させるインセンティブに乏しいのが、当社株最大のネックと言えます。



*参考記事① 2015-12-06 855円 --
フジを真似てスタートアップVC事業を開始、朝日放送(9405)。

*参考記事② 2014-07-23 631円
超優良財務の朝日放送(9405)から株主優待のクオカードがきました!


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