GC注記解除・累損一掃で復配、朝日工業(5456)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【5456】朝日工業(東証JQS) ---

現在値 1,079円/100株 PER5.8 PBR1.07 3月配当優待 9月配当

関東の中堅電炉。建築用棒鋼が主力。有機肥料・種苗など農業資材も。
配当は年2回・合計40円配当のため、配当利回りは3.40%となります。

朝日工業は株主優待制度を導入しており、3月末に100株以上を保有する
株主に対して、おこめギフト券を4枚(※300株までは保有株式数に比例増)
進呈しておりますので、配当優待利回りは5.33%となります。

業績を確認していきます。
■2013年3月期 売上高 401億円、経常利益▲12.3億円、EPS▲211円  
■2014年3月期 売上高 435億円、経常利益▲6.4億円、EPS▲1,585円
■2015年3月期 売上高 354億円、経常利益 3.4億円、EPS 78.5円
■2016年3月期 売上高 363億円、経常利益 19.3億円、EPS 357.7円
■2017年3月期 売上高 330億円、経常利益 15.0億円、EPS 185.7円 ce
□2016年9月期 売上高 162億円、経常利益 5.2億円、EPS 64.3円 ce

2016年3月期の売上高は前期比2.4%増の363億円、経常利益は同454%
増の19.3億円となり、大幅増益となりました。主力の鉄鋼建設資材事業
は官公需・民需(住宅)などは軒並み前期並みで推移したものの、販売
価格を据え置いたことで、メタルスプレッド(販売価格-スクラップ仕入)
が拡大したため利幅が伸びました。農業に関しては、飼料「エコレット」
の販売が伸びたものの、原価増が響いてセグメント減益となりました。

なお今2017年3月期の売上高は9.2%減の330億円、経常利益は22.3%減
の15.0億円と減収減益を予想しています。鉄鋼建設資材事業で前の期
に維持したメタルスプレッドが縮小し採算が悪化するほか、農業資材に
関しても作付面積の減少・TPPの影響などにより事業環境自体があまり
良くないため、製品機能向上だけでは補いきれない状況が続きます。

当社は2019年3月期を最終年度とする中計「ASAHI2018プロジェクト」を
策定しており、3年後に売上高370億円(直近実績363億円)・経常利益21
億円(同19億円)を目標に置いています。ほぼ横ばい計画のため、全く
数字の見栄えがしないものであり、定性目標も鉄鋼部門で「関東地区の
小棒生産販売数量トップ圏」の堅持・確保、農業部門で「種子と牧草に
特化する肥料メーカー」としての発展、というかなりボヤっとした内容と
なっているため、とりあえず立てた中計という印象がぬぐえません。

なお標記、2014年5月に雪害による製鋼工場の停止や4期連続の最終
赤字を理由に「継続企業の前提に関わる注記」を実施しておりました
が2016年3月期で持ち直し、累損も一掃させ、注記を解消しています。
(※大阪製鉄による東京鋼鉄TOBで、当社持分が買取されたのも一因)

そのため今期も配当出来る状況になっていると思われるものの、現
段階では中間配当を10円出すこと以外は公表しておらず、通期配当
は未定となっております。一応会社側は、安定・継続配当を謳って
おり、自己資本比率もこの一年で21.6%→29.9%へ改善しているため、
今期も40円は配当を出すと思われますが、事業環境がよくないので、
矢継ぎ早に増配を期待するのは、やや時期尚早かと思われます。

会社四季報 2016年 3集夏号

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