松本駅1.9万坪の貸地が業績寄与へ、片倉工業(3001)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3001】片倉工業(東証1部)---

現在値 1,151円/100株 PER24.4 PBR0.58 12月配当 株主優待

繊維、医薬品、消防車等機械。商業施設等の賃貸等不動産が収益柱。
配当金は12月に年一括の10円配当で、配当利回りは0.85%となります。

片倉工業は株主優待制度を導入しており、100株以上を保有する12末
の株主に対して、1,000円分の自社製品ないしは商品券等を進呈して
おりますので、配当優待利回りは1.70%となります。また3年以上の
長期保有で優待額が倍になりますので、その場合は2.55%となります。

業績を確認していきます。
■2012年12月期 売上高 472億円、経常利益 23.1億円 EPS 20.0円  
■2013年12月期 売上高 478億円、経常利益 20.4億円 EPS 28.5円  
■2014年12月期 売上高 444億円、経常利益 8.9億円 EPS 7.6円
■2015年12月期 売上高 483億円、経常利益 5.0億円 EPS 6.4円
■2016年12月期 売上高 490億円、経常利益 19.0億円 EPS 48.4円 ce
□2016年6月中間 売上高 254億円、経常利益 13.0億円 EPS 8.5円 ce

前2015年12月期の売上高は前期比9.3%増の483億円、経常利益は同
43.0%減の5.0億円となり増収減益となり、今期も予算をショートしました。
祖業の繊維事業が底堅く推移したものの、医薬品事業が後発薬の影響
により、狭心症治療剤「アイトロール錠」をはじめとする長期収載品が
低迷し、堅調な不動産事業でも埋めきれませんでした。

なお今2016年12月期の売上高は微増の490億円、経常利益は3.7倍の
19億円とV字回復を予想しています。医薬品事業の研究開発費の減少
に加え、コクーン2・3の通期寄与および松本で1.9万坪もの社有地を
イオンモールに賃貸するため、不動産賃貸収入が大きく伸びます。

また今期は5年間の中計である「カタクラ2016」の最終年度となりますが、
定量目標の売上高610億円・営業利益42億円に関しては、今期通期
の予想数字がショボかったことを見るに、早くも白旗かと思われます。
社長をして「中計の数字に少しでも近づけるように頑張る」と正直に仰
っていることもあり、今期単年だけでも達成出来たら御の字でしょう。

そんな訳で、会社側の業績予想は全くアテにならない当社ですが、冒
頭でも少し触れた不動産事業だけは比較的好調に推移しています。
コクーン2・3や松本1.9万坪以外にも、コクーンの周辺でニチイ学館
に介護施設12百坪を賃貸したり、三鷹でも大型賃貸マンションを開発
するなどしており、今期はその両物件とも通期稼動となります。

また元祖「含み資産」銘柄の一角として、なお900億円の不動産含み益
を保有している当社ですが、コクーン再開発の絡みでバランスシート
(有利子負債)を膨らましにかかっているので、マイナス金利が追い風
になる可能性が出てきました。ただやはり目ざとい向きはいるようで、
不動産株が大好物のプロスペクトが、足元で3%まで株式を買い集めて
きているようです。当社はコングロマリットディスカウントの極みのよう
な会社ですので、うまいこと事業と不動産のバラ売りができれば非常
にオイシイ会社ですので、プロスペクトが狙うのも十分理解できます。

*参考記事 2015-03-09 1,214 ---
往年の含み資産銘柄・片倉工業(3001)から新設の株主優待がきました。

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