往年の含み資産銘柄・片倉工業(3001)から新設の株主優待がきました。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3001】片倉工業(東証1部) 投資判断 新規Outperform

現在値 1,214円/100株 PER85.3 PBR0.77 12月配当優待

繊維、医薬品、消防車等機械。商業施設等の賃貸等不動産が収益柱。
配当金は12月に年一括の10円配当で、配当利回りは0.82%となります。

このたび片倉工業は株主優待制度を導入しまして、100株以上保有の
12月末株主に対して、1,000円分の自社製品ないしは商品券等を進呈
しておりますので、配当優待利回りは1.64%となります。また3年以上の
長期保有で優待額が倍になりますので、その場合は2.47%となります。

業績を確認していきます。
■2011年12月期 売上高 477億円、経常利益 27.2億円 EPS 50.4円  
■2012年12月期 売上高 472億円、経常利益 23.1億円 EPS 20.0円  
■2013年12月期 売上高 478億円、経常利益 20.4億円 EPS 28.5円  
■2014年12月期 売上高 444億円、経常利益 8.9億円 EPS 7.6円
■2015年12月期 売上高 500億円、経常利益 10.0億円 EPS 14.2円 ce
□2015年6月中間 売上高 254億円、経常利益 2.0億円 EPS 8.5円 ce

前2014年12月期の売上高は前年同期比7.2%減の444億円、経常利益は
同56.5%減の10.0億円となり減収減益となりました。そもそも前期は期初
時点から消防自動車の減収や不動産事業のコクーン2の先行投資等で
減収減益見込みでしたが、円安による原料高や消防車の期ズレを理由
に期中に2度も下方していますので、見せ場の無い落着となりました。

今2015年12月期については前期の反動を見込み、主力セグメントは全て
増収を見込んでいるため、売上高は1割増の500億円を計画していますが
こと利益面に関してはコクーン2の開業にともなう減価償却費がモロに効き
始めるため、経常利益は10億円と小幅な増加に留まります。

来期は5年間の中期経営計画「カタクラ2016」の最終年度となりますが、
定量目標値である売上高600億円・営業利益42億円に関してはほぼ無理
な状況となっておりますので、ひとまず今期は期初予想の数字をきちんと
守れるかどうかに注目・・・といったところでしょうか。

ただ利益頭の不動産事業については比較的順調に拡大が継続しており、
4月24日に開業を控えるコクーン2に加え、秋口にはコクーン3の開業を
控えています。また、2万坪ある松本社有地についてもイオンモールへの
賃貸が決定しており、2016年秋に開業予定となっています。

以上、投資判断については新規でOutperformとします。
業績的には見所が少ないのですが、不動産価値が下支えすると見ます。

まだ前期の有価証券報告書は出ていませんが、前々期基準の賃貸不動産
の含み益はおよそ870億円はあるものとみられ、京橋の一等地にある新築
の東京スクエアガーデンは簿価ベースで110億円の価値がありますので、
これ一つ売れば当社の抱える有利子負債の約150億円はほぼ完済出来て
しまう状況です。共有持分ですが、売る気にさえなれば速攻で売れます。

さいたま副都心のコクーンも築浅の優良商業施設を欲しいリートはいくら
でもありますので、こちらも高い流動性があると思われます。そんな訳で
会社ごと買ってしまった方が安い会社の典型例ですが、プロスペクトが
2%強買っている以外は、特に触手を伸ばしているところはなさそうです。

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