ベネッセとデータ保守の新会社を設立、ラック(3857)の分析。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3857】ラック (東証JQスタンダード) 投資判断 Outperform継続

現在値 849円/100株 PER21.1 PBR 3.21 3月配当9月配当 株主優待なし

ラックとA&Iシステムが経営統合、KDDI傘下へ。利益は期末集中。
予想配当は中間配ありの年間13円で配当利回は1.52%となります。
なお、ラックは株主優待制度を導入しておりません。

業績を確認していきます。
■2011年3月期 売上高 334億円、経常利益 13.0億円 EPS 25.7円
■2012年3月期 売上高 315億円、経常利益 16.7億円 EPS 22.2円 
■2013年3月期 売上高 325億円、経常利益 18.5億円 EPS 35.0円  
■2014年3月期 売上高 330億円、経常利益 19.9億円 EPS 39.7円
■2015年3月期 売上高 343億円、経常利益 20.0億円 EPS 42.1円 ce
□2015年9月中間売上高 151億円、経常利益 6.6億円 EPS 9.0円

今2014年9月中間期の売上高は期初計画を10億円程度下回ったものの
経常利益は3割超の計画超である6.6億円となりました。当社は官公需
が多いためどうしても業績が期末偏重になってしまいますが、今期は
既に中間時点において前年同期比の倍以上の利益を稼いでいるため、
横横予想の通期計画も上積み達成が期待出来る状況です。

主力事業のSIS事業(システムインテグレーション)は銀行・官公庁向け
が伸びた反面、案件の小型化や関連製品の販売減が影響して、利益率
は向上したものの、売上は減少しました。クラウドも競争が激しいため
当社の得意なセキュリティ絡みでどこまで特色を出せるかが鍵です。

一方、看板事業のSSS事業(セキュリティ)についてはセキュリティ対策
への意識の高まりから緊急対応や運用・監視などの受注が堅調に推移し
セグメントの売上高・利益は前年比で約3割増と大増勢となりました。
標題にも書きましたが、ベネッセの個人情報流出事件の対応策として
同社と合弁会社を設立するといった当社のプレゼンスを飛躍的に向上
させる大きな材料もあり、定性面・定量面ともに見所ある上期でした。

以上、投資判断についてはOutperformを継続します。

SIS事業より競争が緩く、利益率も高いSSS事業へのシフトがこの調子で
順調に進めば、SIer業界のバリュエーションに多少毛の生えたPER20倍
そこそこという現在の株価も再評価の余地が生まれるかと思います。

配当金も10円→12円→13円→13~14円(予)と増配を継続していますが、
事実上の筆頭株主がKDDIとなったこともあり、配当性向基準から還元
方針の見直しが入る可能性があります。また10月末には立花証券が投資
判断を5段階の一番上、目標株価1,100円で新規にカバーを開始しており
さまざまな思惑も出やすいところではあります。

*参考記事① 2014-07-28 702円 投資判断Outperform継続
気が付けばKDDI傘下、ラック(3857)から事業報告書がきました。

*参考記事② 2013-09-16 658円 投資判断Outperformでカバー開始
国策・セキュリティ関連銘柄、ラック(3857)の研究。

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