7月30日に飯山市がまとめた「台風19号災害における課題と対応策」(案)の検証

令和2年7月30日に飯山市がまとめた「令和元年東日本台風(台風19号)災害における課題と対応策」(案)の
3 情報発信
⑴ 避難先の確保

には、下記の通り記載されています。

上記の課題➀に対する対応策は下記の通りです。

全体で千人を超える避難者に対応したが、避難所を数多く開設 する には職員数が充分ではなかった。

とする課題に対し、地域防災会議の議を経て定めた、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第49条の7)により、指定避難所(一定期間滞在し、避難者の生活環境を確保するための避難所)として定めた指定避難所を、いとも簡単に7ヶ所に集約するとしています。

飯山地区の山手の部分を除く、約2千世帯、4千人以上を城南中学校へ避難させるという計画は、いくら、親戚・知人宅への避難や、自家用車へ等での車中避難を促すといっても、調査もせずに言うのは無謀としか言いようがありません。

なお、飯山市が(災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第49条の7)により、指定避難所(一定期間滞在し、避難者の生活環境を確保するための避難所)として定め(平成31年3月6日現在)公表している施設は30ヶ所です。
https://www.city.iiyama.nagano.jp/assets/files/kikikanri/hinanjyo/shitei-hinanjyo.pdf
この26ヶ所のうち、市街地の飯山地区に洪水の避難勧告が発令された場合の指定避難所は、下記の5ヶ所です。
1 飯山市公民館 収容人員540人 避難地域 栄町・奈良沢・本町・愛宕町・神明町
2 飯山市立図書館 収容人員230人 避難地域 肴町
3 飯山市女性センター未来 収容人員130人 避難地域 鉄砲町
4 須多峰介護センター  収容人員 662人 
                 避難地域 北町・市ノ口・有尾・田町・福寿町
5   飯山市立城南中学校 収容人員 1,120人
                 避難地域 県町・南新町・新町・上町・(安田・上新田・大久保)
なお、昨年の台風19号災害時に開設された避難所は、飯山市公民館(避難者数358人)と、飯山市立城南中学校(避難者300 人)の2ヶ所でした。
「飯山市立図書館」「飯山市女性センター未来」「須多峰介護センター」は、指定避難所として開設されませんでした。
 10月13日、3時20分に避難勧告が発令された北町区住民の中には、「須田峰介護センター」に避難した人も多数いました。  
「飯山市地域防災計画」で定められた「指定避難所」の飯山地区の5ヶ所のうち、3ヶ所が、避難勧告が発令したにもかかわらず開設しなかったのはなぜなのでしょうか。
なお、「地域防災計画」第2編「風水害対策編」「第1章 災害予防計画」
地域防災計画書P93には
ア 市は、都市公園、公民館、学校等の公共的施設を対象に、地域の人口、誘致圏域、地形、災害に対する安全性及び想定される災害の程度に応じ、その管理者の同意を得た上で災害の危険性が切迫した緊急時において安全が確保される指定緊急避難場所及び被災者が避難生活を送るための指定避難所について、必要な数、規模の施設等をあらかじめ指定し、市民への周知徹底を図る。
なお、指定した指定緊急避難場所、指定避難所については、市町村地域防災計画に掲載するものとする。
と記載されています。

つづく