DQX主人公は何故勇者ではないのか5 -勇者と盟友- | アストルティアぶらり旅日記

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ドラクエ10旅芸人のブログです。毎日書くわけでもなく、時系列もバラバラで思い出しながらまとめて書いたり色々。
ネタバレ配慮してません。ありまくり!

 

前回までのおさらい
滅び回避のために暗躍する『国津神X」は、神の緋石を使い勇者と勇者システムを作り、『盟友』を勇者から切り離した後、『時渡りの力を持つ勇者の血筋の者』を滅びの迫る現代に時渡りさせることに成功したよ!

第5回でようやく当代勇者と盟友にたどり着きました。

その前に、2代目勇者、アジールの時代について。
大魔王のアストルティア侵攻により勇者が誕生したとして、長く権威を失っていた勇者の血筋の本家筋がここに復権します。
ただし、結果如何によってはまた失うかもしれない、砂上の楼閣でした。
アジールが勇者として覚醒し、且つ大魔王を討伐することで、権威が確実なものとなるのです。
この辺りが、アジール死後の彼の母を始め人々が過激な行動(レオーネ処刑等)に走った理由の一つにもなっているのではと思っています。

そしてグランゼドーラ建国は2代目勇者であると伝えられていましたが、実際はアジールの従兄弟であるメルザインがグランゼドーラの初代王であることが、バージョン6クリア後のサブクエで明らかになります。

(もし、レオーネの石化が解けず盟友にならなかったとしたら、メルザインが盟友となっていたかもしれません)
ともあれ、現在のグランゼドーラ王家は、2代目勇者の直系ではないということになります。

このことから、勇者もまた盟友と同じで、必ずしも直系である必要はないと考えられます。
レオーネは子孫を残さなかったことから、盟友も結局アシュレイの血から生まれることになりましたね。
王家に現れやすいというのは、やはり血の継承を重んじているからでしょう。
カミルもグランゼドーラ王家と関わりがなくても、マデ氏族のように勇者の血族と袂を分かった先祖の血を引いているのでしょう。

そして2023冬物語のアストルティア拾遺譚にて、初代勇者のアシュレイとレオーネも勇者覚醒が必要だったことが語られています。
真の勇者となるために覚醒が必要ならば、盟友には覚醒が必要か?
これは必要だと思います。元は勇者の力と同一のものだからです。
2代目勇者の時代の盟友となるレオーネは既に勇者として覚醒しているので除外するとして、カミルは勇者アルヴァンの暗殺を目論む魔王の手先と戦った際に盟友の力が発現しています。(めちゃうろ覚えだったので、DQ10大辞典を作ろうぜ!!第二版 Wiki様で確認しました。ありがたい……)

覚醒に必要なのは勇者の血を持つ者同士が助けようとする想いや絆なのだと思います。

ここで、現代に時渡りした主人公を考えます。
5000年前に生まれたので、もしかしたら現グランゼドーラ王家よりも勇者の血は濃く、既に絶えたと思われる「時渡り」の力を、おそらく建国王レトリウスと遜色ない程大きく持つ主人公。
しかし、何事もなく当代勇者のアンルシアと接触したとして、盟友になれるでしょうか。

国津神Xにとって、現代に主人公が時渡りした今、最も重要なのは勇者でない者が勇者と同等の力を発現、「主人公が盟友になる」ことです。

その最大の障害となるのは、冥王でも大魔王でもなく、トーマ王子でしょう。(地獄)
ネルゲルとキュロノスは起点であっても最終的な滅びをもたらす者ではないのです。ジャゴヌバまで見据えた、確実な盟友が必要なのです。

振り返って…主人公の存在がなければ、アンルシアの勇者覚醒はありませんでした。ただ、トーマ王子の存在がなくてもまた、アンルシアの勇者覚醒がなかったのも確かです。
大魔王侵攻前に生まれたトーマ王子は、大魔王のカウンターアタックとして生まれる勇者たりえません。しかし、勇者の血を引き、当代勇者として生まれたアンルシアの盟友となる条件は充分すぎるほど満たしています。
そして、あまりにも接点のないアンルシアと主人公は絆を結ぶ時間がなさすぎた。

それがトーマ王子を最大の障害とする理由です。

ならばどうするのか。
魔族側への「グランゼドーラのトーマ王子が勇者である」というリークです。
魔族がトーマ王子を殺してしまえばいい。


国津神Xにとって、魔族…魔界もアストルティアという世界の一部です。どちらの味方をするというしばりもない。

そしてここで「盟友」というものがマイナス面に働きます。

盟友は、勇者ではなくあくまで勇者の協力者であり、悪い言い方をすれば「勇者よりも格が落ちる」という風潮です。
これは、勇者はグランゼドーラの姫であるということが周知されている一方、当代盟友が誰であるかが広まっていないということからもわかります。
10周年記念イベで、「冥王を倒し、他にも大活躍している謎の冒険者エックスさん」と話は広まっていますが、エックスさん=盟友という話は出てきません。むしろ何故出ないんだというレベルです。(多分。え?出ないよね?)
また、バージョン6で主人公がユーライザと各国を回った際、ドルワーム国王は、ユーライザが主人公が偉大な英雄であると熱く語るのに、ドン引きするような態度を取ります。
正直、主人公の実績を考えれば全く大げさでもなんでもないのですが、一国の王の認識ですらそれなのです。一般人は推して知るべしでしょう。
何かあったことに気づかない人もいるだろうし、主人公の功績の全容を知る人ってほとんどいないんじゃないかな。
それがエックスさん伝説(笑)にも繋がっているんだろうけど。

余談ですが、魔界では一般人でも「大魔王様」って言ってくれるくらい周知されています。仮面で顔隠したりしてるのにな。
アストルティアにおける「勇者」のように、魔界では「大魔王」が権威あるものとして周知されているからでしょうか。

まあそれで、盟友を勇者より下と見る風潮から、歴代盟友はもれなく悲惨な末路を辿っていますし、トーマ王子もアンルシアの影武者としてふるまいます。
本来は勇者の力が二つに分かれた存在であり、全くの同格で、完全に「勇者」の力をふるうのであれば、どちらが欠けてもいけないというのに。
「盟友の条件」が伝わっていなかったことも悪かったでしょう。トーマ王子も自身は盟友としてアンルシアを支える気はあったでしょうが、盟友カミルが出自不明ということもあり、自分でなくても勇者が必要とすれば盟友もまた現れる、というように誤認していたかもしれない。
だから自分の命に代えてもアンルシアを守る、という選択ができたのかもしれません。

そんな感じでやることなすこと仇になりまくりで、結果トーマ王子死亡、主人公が盟友になる障害がなくなります。
あとはストーリー通り。アンルシアの勇者覚醒を助け、戦いの中で絆を深め、盟友の力を手に入れます。

盟友覚醒です。

力を手に入れたから覚醒したのではなく、覚醒したからこそ力を手に入れたのでしょう。

そしてアンルシアの勇者覚醒は、道筋こそ主人公がつけたものの、覚醒自体は亡きトーマとの絆でしているように見えるのですよね。
アジールとレオーネや、カミルの代わりにアルヴァンと盟友として大魔王と戦った主人公のように、覚醒後ならお互いが唯一無二でなくても良いところに、主人公がアンルシアの盟友となるための抜け穴があったのかもしれないと思うのです。

次回、最終回!(結論だけなので短いよ!)