窓を開けると、少し湿り気を帯びた春の風が部屋に流れ込んできます。
ベランダで大切に育てているハーブたちにたっぷりとお水をあげるのが、私のささやかな日課です。
土の香りがふわりと立ち上がると、なんだか心が洗われるような気がいたしませんか?
先日、少し足を伸ばして、近所の公園まで藤の花を観に行ってまいりました。
腰の手術をしてから、歩くときはどうしても杖が手放せません。
ゆっくり、一歩ずつ。傍目には危なっかしく映るかもしれませんが、私は今のこの「普通」であろうとする自分のリズムを、とても愛おしく感じているのです。
頭上に広がる藤棚は、まるで薄紫色のシャンデリアのよう。
風に揺れる花びらを見つめていると、この広い宇宙の中で、たったひとつの命としてここに存在している不思議を感じずにはいられません。
「美しいものを見て、心から美しいと思えること」
贅沢な暮らしはできませんし、日々の節約に知恵を絞る毎日ですが、そんな心のゆとりだけは、ずっと守り続けていたいのです。
ふとした瞬間、もしお隣に、私の歩幅を優しく見守ってくださるような、心身ともに強く、知性あふれる男性がいらしたら……なんて、少女のような夢を見てしまうこともございます。
荒波を乗り越えてきた逞しい腕に、ほんの少しだけ身を預けて歩くことができたら、どんなに心強いことでしょう。
紫の香りに包まれながら、いつか出会うかもしれない「運命」に、そっと想いを馳せる午後でした。
皆さまの今日という日が、穏やかで優しい光に満ちたものでありますように。
ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー
