計画相談支援の中心になるのは、ご本人であることは言うまでもありません。
しかし自分たちが接するのはご本人だけでありません。時には関係者間で調整をすることもあり、様々な役割が求められます。
そんな中、今月のモニタリングでご本人以外からの話を中心に聞いたケースがあります。
その相手は、ご両親。支援の中心にいるのはご本人ですが、それを支えるご両親の存在は決して無視することのできないものであります。
今回はご両親にフォーカスを当てて話を聞きました。
その理由は、ご両親が抱いているグループホームへの不満。不満というか、ご両親の思いとグループホームの意疎通ができていないんです、結論から言うと。
ご本人がグループホームに入居したときは、非常に円滑でした。
入居にあたっても丁寧に準備をした上で入居をしたので安心していました。しかし時が経ち、入居時に対応した担当の方が退職され、新しい方が担当することに。これが今回の始まりでした。
ご両親・・・特にお母様は色々と不安になりがちの方です。
ですので前任の担当の方が退職されるときは今後について心配されていました。前任の方がいなくなった後もお母様はホームに連絡をしていたのですが、しばらくの間はその窓口となる人が不在の状態でした。ここにお母様が不安を感じます。
その後新しい担当者が決まりますが、なかなかお母様と意思疎通ができません。
また当然なのかは分かりませんが、新しい方が担当になっても事業所の方には何の連絡もなし。自分の方も連絡をしたい部分がありましたが、音沙汰がなくそれができませんでした。ただお母様から担当者が決まったとの情報があったため、一度その担当者を交えた担当者会議を開催することに。
でも担当者会議が開催される前から、お母様の不安はさらに蓄積。
一番の不安は「連絡できない」ことで、お母様が担当者に伝えたいことが伝えられないとのこと。またお母様自身が担当者の方に恐怖感を持ってしまい、言いたいことが言えない状態とも話されていたので、その部分は自分が代わって伝えることにしました。
一方でグループホームの担当者としての言い分は「連絡が多い」と言うこと。
要はそんなにたくさん連絡してこないでほしいとのこと。片や「連絡したい」で、片や「連絡しないで」とのこと・・・全く噛み合いません。そんなこともあり担当者会議では、改めて支援の方向性やうまく意思疎通ができていない部分について調整を行うことに。でも・・・その調整をしている自分ですら「うーん、やりにくいなぁ・・・」と思う部分もありました。
担当者会議後しばらくして、今度はグループホームの担当者から連絡がありました。
内容は同じ「お母様からホームへの連絡を控えてほしい」と言うもので、本部まで連絡が行くので困るとのこと。とはいえ、こちらからお母様に「連絡を控えてくだい」と言うのはなんか違う気がするので、担当者の話は聞きつつもお母様の気持ちや性格・特性について改めてお伝えをしました。
まぁこんなことが続いており、先日はご両親揃ってグループホームへ。
そこでご本人の支援のことについて話をしたとのことでしたが、普段は温厚なお父様がその時はかなり強めの口調で話をしたとのこと。意外といえば意外ですが、お母様だけでなくお父様もグループホームの支援について色々と思うところがある様子で、別のグループホームの見学もされたくらいでした。最終的にはグループホームの転居は考えを思いとどめたものの、今のグループホームの支援には感じる部分が多いことを感じました。
じゃ今のグループホームは支援をしていないのか・・・というと、そうではなさそう。
話を聞く限りではご本人の特性に配慮しつつ必要な支援はされている様子でした。そのことは担当者の方の話からご本人の生活像が想像できるものであったため、必要な支援は展開されている様子でした。ただ、その肝心な支援の様子がきちんとお母様に伝わっていない部分も強く感じました。「連絡を控えてほしい」ことに対してもちゃんと丁寧に話せば理解できるものを、していないようにも感じました。
もちろん話をして行くためには、ご本人・ご両親の背景を理解する必要もあります。
ご両親もご本人の支援についてとても苦労されてきており、やっとの思いでグループホームに入ったのが今。その思いを無視してしまうのは、ちょっと乱暴にも感じてしまう部分があります。お母様が「言いたいことが言えない」と言うのも、状況によっては事業所側の対応で萎縮してしまうこともあります。
そんなこともあり、今回のモニタリング報告書は今までになく長文の内容に。
グループホームの担当者も「忙しい」とのことで時間も取れない状況みたいなので、ここは自分の言葉で長文の報告書を作成しました。またグループホームには改めてご本人・ご家族のことを理解していただくために、申請者の現状という個人の基本情報もお送りすることにしました。
相談支援専門員の立場としては、どちらの立場も理解できます。
だからこそ調整することはしますが、最終的にはグループホームとご両親がどれだけ意思疎通ができるかだと思います。こればかりは自分が何とかするというより、当事者同士がしっかり話できるかだと思います。先の「連絡を控えてほしい」ということも自分が仲介して話すのではなく、ちゃんと事業者がどのような目的でその必要があるのかを丁寧に納得してもらえるよう説明していく必要があるように感じます。
「丁寧」ということには、ご両親の思いや気持ちを受け止めることも必要だと思います。
支援の中心はご本人であることに変わりありませんが、その後ろには親御さんがいます。いかに親御さんが安心できるかも支援をする上では大事なことでないかと思います。どんなに頑張っても親御さんの方がこの世を先に去るのですから、いずれご本人がご本人の選択で生活を送る日はやってきます。でも親御さんも「自分がいなくなっても安心できる」という思いが見通すことができれば、それだけで違います。それがあれば支援や意思疎通もかなり違うのではないかと思います。
相談支援に調整機能が求められるのは理解します。
でも何でもかんでも相談支援が調整するのはどうなのか・・・少なくとも手を抜いてはいけない「意思疎通」は当事者同士の努力も必要じゃないかと感じます。








