今まで相談支援の仕事を3カ所でやってきました。
これまで2カ所の事業所では計画書やモニタリングをただただこなしていくということが多かったですが、今の職場ではサービスに繋げる仕事が多くなっています。
単に「サービスに繋げる」と言っても色々あります。
障害福祉サービスに繋げていくこともあれば、そうではないものもあります。その中の1つに、訪問看護に繋げることがあります。
訪問看護は障害福祉サービスではなく、医療資源。
自分が必要だから導入できる・・・というものではなく、主治医の指示があって初めて導入できるもの。精神障害の方を対象にしているうちの事業所ではすでに訪問看護を使っている人も多く、事業所によっては毎月自分のところに訪問看護の報告書を送ってくださるところもあります。
実際の導入については、こちらかの依頼と相手からの依頼の2ケース。
こちらからの依頼は、訪問看護を導入した方がいいと思うケースについてご本人と相談し、ご本人が了解したら主治医に連絡し訪問看護導入の可否を確認。導入が認められたら訪問看護事業所を探して、導入に向けて動いていきます。
一方主治医の方から訪問看護の導入を打診され導入するケースも。
その場合も一度主治医に状況を確認してから事業所を探し、導入に向けて動き出します。
今日の話は、先生から訪問看護の導入を打診されたケース。
ご本人のお母様から相談を受け、訪問看護の導入に向けて動いているものです。
導入のきっかけは、お母様が主治医に相談したこと。
以前からご本人の対応に苦慮されていたお母様。ご本人がご自宅で不穏になることも多く、不穏になると大声を出したりお母様に粗暴な行為をすることも。そういう時は頓服をご本人に飲ませ落ち着かせるとのこと。
ある日その頓服薬がなくなったため、ご本人が受診する際にお母様がご本人に頓服薬をもらってくるよう話すと、ご本人は拒否。お母様が何を言っても動かなかったため、お母様が主治医に事情を説明したところ、主治医からは訪問看護を導入することを勧められ、そこにご様子確認のために自分が電話したところお母様から相談を受け、導入に向け動き出すことに。
自分も兼ねてより粗暴な様子があることは知っていました。
一度自分がモニタリング報告書の署名をもらうためにご自宅へ訪問した際、ご本人の思い通りではなかったためか、自分と面談するためにお母様がご本人を呼びに言ったところ「うるさいなぁ!」と大声で叫ぶ状態。思わず「お母さん、無理しないでいいです」と声をかけるものの、なおもお母様がご本人を説得。その後ご本人とお会いしたけど、その時のご本人はさっきのことが何事もなかったかのように「どうも、こんにちは」と笑顔で登場。
こんな感じで、外向けの顔と身内への顔はだいぶ違うご本人。
自分からもご家族に一度訪問看護の利用を案内したけど、その時は「うちはいいから・・・」なんて話だったけど、やはり主治医からの言葉は大きいのか、お母様からは「どうやって使えばいいの?」と相談されました。
もちろん導入に向けて動きますが、その前に一度主治医に連絡して確認。
主治医からも「訪問看護はあった方がいいね」とのこと。しかしそれ以上に主治医からは「家の近くの病院の方がいいだろう」ということ。主治医としては、自宅から1時間半以上もかけて遠いクリニックまで通院するより、何かあった時にすぐ行ける地元の病院の方が、これから地域で生活していくためには必要だろう、とのこと。
いや、まさに主治医のおっしゃる通りなんです。
自宅から1時間半以上かけて、何市もまたがって通院している現状。これがご自身だけで通院しているのであればともかく、通院するきっかけを作ってもらっている状態。高齢のお母様が不自由な体で車を運転し駅まで送る状態。帰りはご自身だけで戻ってくるけど、送らないと病院に行けない様子。
ちなみにうちのB型への通所も、お迎えをしている状態。
本来は送迎なんてやってないけど、お母様の状況を考えた際にこのままにすることはできないとの判断から、特別に実施。今まで送迎をしなかった時は、年に1回通所する程度。ほとんど「引きこもり」状態なので、家から出るために月2回送迎をしています。で、自宅に帰るのは1人で帰る。病院同様、外に出れば自分では帰れる様子。
ただ「自分で出れない」ところがあるので、その状態にもかかわらず遠くのクリニックまで通院する意味を主治医も考えているのだと思います。それであれば、住み慣れた地域にある病院に通院した方が負担も少なく、お母様がいなくなった後も継続した医療を受けられると考えている様子です。
さらに主治医からは「この方は重度だからね」とのこと。
いや、ホントそうだと思います。送迎がないとうちに年1回ぐらいしか通所できないんですから。本来であれば就労継続支援B型の対象ではないです。しかしそれに代わる資源がうちの自治体にあるのか・・・と言われると、ない。ないのにサービスから切り離すのは結果的に孤立を生む可能性があるので、そのような判断からもうちへの通所を細々と続けています。
その証拠に、主治医が転院を考えるもう1つに、地域のデイケア利用も視野に入れてます。
今のクリニックは通院だけで、デイケアなどの機能はありません。しかし地元に近いところであれば通院もでき、日中活動のデイケアもある。そこに通うことが望ましいと考えている様子。デイケアのことも一度ご家族に話をしたのですが、その時は「うちの子にはまだ早い」と話されたご家族。いや、早いのではなく今使うべきものと思いましたが、そこは一歩ひきました。
ただ今回主治医にこのような考えを確認できたのは、良かったです。
これを機にご本人やご家族に主治医からも話してもらえると、少しだけ事が動くかもしれない。幸いにも主治医は話のわかる人で、自分の考えも理解していただけたので主治医との協力体制はとれそうな感じ。状況によってはご本人・ご家族と共に受診同行をしてもいいと思っています。
今社会資源としてこのご家庭に繋がっているのは、自分たちだけ。
だからいろんな資源を組み込んで支援者を増やし、さまざまな角度から助言など働きかけていくことでご家族・・・いや、お母様の介護負担を軽減しながらご本人の生活を支えていく必要があります。とてもじゃないけど、自分たちだけでこのケースを動かしていくのは、無理な話。これを機にネットワークを広げていきたいです。



