自分の仕事である「相談支援専門員」は定期的に研修を受けます。
これは法定研修で、研修を受けないと相談支援専門員を続けることができません。自分も2年前に3度目の現任研修を受けました。
東京都の相談支援従事者研修では、必ず提示される資料があります。
「私たちが目指す相談支援専門員の姿」という資料で、資料というより「相談支援専門員の倫理綱領」みたいな感じもあります。これは過去に何度もブラッシュアップされ、これまでは「Ver.7」でしたが、今年新たに「 Ver.8」が示されました。
自分が最近現任研修に参加して感じるのは「地域課題」というキーワード。
「利用者のニーズはその地域に住んでいる住人のニーズであり、それは地域のニーズである」という考えから、そのようなニーズを地域課題と捉え、自立支援協議会などを地域課題解決のためのツールとして活用していくことを、東京都における相談支援専門員の姿としています。
こんなことを話したのは、今日まさに地域課題を感じる出来事が。
それは市役所での相談支援事業所が集まった会議でのこと。今日の会議では相談支援事業所だけでなく市内で障害福祉サービスを提供している事業所も集まっての会議でした。会議では色々と情報交換などを行ったのですが、その中で放課後等デイサービスを提供している事業所から問題提起がされました。
それは放課後等デイサービスを利用するにあたってのこと。
放課後等デイサービスの利用場面は、その名のとおり「放課後」になることがほとんど。放課後となると学校で授業が終わってから利用する形になるけど、その学校から事業所まで行くための「足の確保」に苦心しているとのこと。
放課後等デイサービスの事業所ではそれぞれの方法で運営をしています。
特に送迎という点では確保している事業所があればそうでない事業所も。当然学校帰りの送迎についても学校までお迎えにきてくれる事業所もあるし、その部分は自力でお願いする事業所もあります。
とはいえ、障がいのある子どもに「自力で来て」というのも大変な話。
なので余力のある保護者は保護者自身で対処するケースもありますが、保護者が働いていてそれが難しいこともあり、そういう場合は自治体ごとで行なっている有償支援サービスを使っている家庭もあります。
しかし「有償」なので、使った分だけお金がかかります。
経済的に大変な家庭は、そう何度も有償サービスを使うことも難しい状態です。そこでほとんどの自治体では障害を持った人のサービスとして移動支援事業を行なっています。それを使うという選択肢もあるのですが・・・
この「移動支援」というサービス、通勤や通学のためには利用はできません。
あくまで「自宅↔️目的地」が原則であり、自宅から勤務先や学校に行くために使うことはできません。なので放課後等デイサービスの利用も「学校→事業所」は基本的には認められないとのこと。
ただこの話の肝は「基本的」ということ。
基本的というのはあくまで原則論のことで、移動支援の利用範囲について最終的には自治体の判断に委ねられるとのこと。なので自治体によっては原則を維持しつつ「学校→事業所」の利用を認める自治体もあります。しかしながらうちの自治体はそれが認められていないのが現状。
そんな話が事業所からあり、そういう事業所の課題があるんだなぁ、と思いました。
ところがそんな話題が上がると、実は相談支援事業所も同じような悩みを持っていたことが判明。特に子どものサービス等利用計画(正確には障害児支援利用計画)を立てている相談支援専門員さんからは「有償(サービス)が使えなくなった時、とても悩む」という話も。別の事業所の方からは「子育ての支援なのに、障害があることで誰しも平等に受けられるサービスが受けられないのは、悩ましい問題。」とも話されていました。
いや、まさにこれこそ「地域課題」ですよね。
1つの課題から他の人も同じような課題を抱えていることがわかるのは、まさにそこに住民ニーズがあり、現状として住民ニーズが満たされていない状態。明らかになった以上は、やはりその問題に対処していかなければいけません。当然この話を聞いた市からは「検討します」とのこと。
正直こういったことって、自分1人だけではなかなか見つけにくいです。
特に自分の場合、職場に相談支援専門員が自分しかいない「1人職場」なので、自分が感じたことが果たして多くの人が抱えるニーズなのか判断できないことが多いです。でもこうやって多くの人の中で話題が上がることで「あ、これは地域ニーズだ」と明らかになる場があるのはとても大きなことだと思います。
奇しくも、同じ市内の相談支援事業所の方と市の会議と別にした、相談支援事業所だけの会合の場を作ろうしていたところ。
そのような場でも今回のような話はもしかしたら出てくるかもしれません。うちの自治体は今まで相談支援事業所の数が少なく横のつながりが弱かったところ。でも少しずつ社会資源も整ってきているので、横のつながりを強化していきたい。そんな中で多くの地域課題が見つかれば、きっと相談支援専門員としての活動も活発になっていくかもしれません。




