洋楽ファンが好きなBBCの長寿番組に「ジュールズ倶楽部(Later...with Jools Holand)」というのがあって、ごくごくたまに見る機会がある(ミュージック・エア)。
最近そこで、昔懐かしい放送があり、1994年頃を回顧することできた。
次々現れる、結構カリスマ的なグループをあらためて目にし、今どうしているのか、どうして売れていたのか、などの疑問が湧いたのであった。
3つほど俎上にあげ、ざっくばらんに語ってみようではないか。
洋楽好きなら、知らぬ人のいない(?)INXS、Suede、Portisheadだ。
トークゲストに再びさよちゃん先輩を迎え(以下「さ」:レディオヘッド信者)、毒のある対談を提供したい。
.
.
INXS(インエクセス):
---リード・ヴォーカル、マイケル・ハッチェンスのカリスマ的なルックスとパフォーマンス能力、およびヒップホップ的な要素の導入で、1990年前後にかけて爆発的にヒットした豪州ロックバンド。1997年にアル中・薬中、うつ病を患っていたヴォーカルは自殺。その後、オーディションTV番組で優勝したJ・D・フォーチューンを迎えてアルバムを1枚発表(2005年)するも、2012年11月11日を最後に、バンドは活動終了を宣言。
.
プーリ-ム(以下「プ」)「まずインエクセスですよ。僕は好きだったし、良く聴いたね。美男子の代名詞的存在だったから、PVも良く観たなー」
さ「オーストラリアの田舎者のアイドル・バンドだよね」
プ「ロック・バンドじゃ?」
さ「アイドル・バンドだよ(笑)プーリームさんはあの手のボーカルが好きだよね?」
プ「あの手のって言われてもなあ(笑)」
さ「なんかクネクネしてて、『男芸者』的なヒト」
プ「なるほど…(笑)」
さ「他に挙げると、ジョージ・マイケル、デイブ・リー・ロスとかね。インエクセスの人気の秘密もそこなんだよね」
プ「ラップ的な要素が、ちょっと新鮮だった、っていうのは?」
さ「クネクネしてるのがイヤで、当時は目に入れたくなかったからぁ。産業ロックっぽかったし」
プ「何の思い入れもないってことね?」
さ「うん」
プ「確かに急激に売れなくなった後は、僕も興味を失ったし。たぶん、ロック色が『強く』なったのが裏目に出たんだろうな」
さ「彼らにとっては『成長』だったかもしれないのに、それはお気の毒な話だね。まだ容姿の衰えは無かったんじゃないの?」
プ「結局、プレッシャーもあったのかな。もう2度とヒットが出せない、っていう……で自殺」
さ「実力以上に売れちゃった?」
プ「う~ん…、僕なんかは、新しい音楽として聴いてたよ。その後のアルバムには新味がなかった気がするけどね」
.
.
Suede(スウェード/スエード):
---1993年にアルバムデビューしたロンドンのロック・バンド。日本でも人気があるようだが、アメリカではまったく無名に近い(バンド名も、彼らとしては不本意な「The London Suede(ザ・ロンドン・スウェード)」である)。
.
プ「スウェードについては、つい最近まで聴いたことがなかった。知らないに等しい。でも調べてみると、日英で人気があるらしい」
さ「実は、そういうバンドって多いんだよ」
プ「へえ。そうなんだ」
さ「ほかにもマニック・ストリート・プリーチャーズとか。まあ、ステレオフォニックスは日本でも人気無いけど…」
プ「グローバルな人気を獲得できない限界があるのかな」
さ「資本の問題じゃないの、単に?」
プ「スウェード、USじゃセールスは無いに等しいよ。これは、聴いてもピンと来ない音楽かもしれない」
さ「プーリームさんは、スミス(The Smiths)を聴いたことが無いもんなぁ。だから説明しようが無いね。私は、あっ!と思って、一時は良く聴いたよ」
プ「評論家なんかは、スミスよりもポップで文学的だ、という結構高い評価を与えてるようだ」
さ「ブレット・アンダーソンのカリスマ性も高かったんだよ」
プ「かなりの『やさ男』だった……つまり、キザってことですが」
さ「それは、クネクネ男とは微妙に違うんだよね。彼は『ロック』だから」
.
.
Portishead(ポーティスヘッド):
---1991年以来20年以上にわたる活動で、わずか3枚しかアルバムを出していない気難しい白人ヒップホップオタク・バンド。リーダーのDJは1971年生まれなので、未だ才能の枯渇には早いはずだが、スクラッチングをメインにしたヒップホップ的なスタイルが、時代にマッチしなくなっているため、今後も新作を出す可能性はきわめて低い。2011年のインタビューでも「たぶんまた10年はかかるかもね」と述べているようである。
.
さ「気持ち悪くて、まったく聴かなかった。知ってはいたけど…」
プ「いや、『暗い』だけで、気持ち悪くは無いでしょう?」
さ「そうだね…」
プ「すごい寡作で、もったいぶった感じがある。一応ヒップホップだから、当時、CD買って聴いたりはしたけど、ボーカルが陰気過ぎて、愛聴するには至らない」
さ「でも実は、あのボーカルは正解なんだと思う。あれのおかげで『ロック性』が出てるから」
プ「そっか。仮にイギリスで、DJが、黒人ラッパーを募集しても来ないだろうからね。人材が乏しいでしょ。結局、ビヨークっぽいバンドになった。それなのに、もったいぶって作品を出さない。好ましい態度じゃない」
さ「あんなスタイル、今じゃリンキンパークだってしてない」
プ「たしかに古くなってるけど」
さ「新作を出さないと時代に取り残されて、どんどん出せなくなる、だから、ロックでもヒップホップでもないと思う。ロックなら、次々に出すよ、失敗もあるけど」
プ「ヒップホップでも出し惜しみするヒトはほとんどいない。ドクター・ドレーだって、エミネムの裏方として、どんどん仕事してるし」
さ「でも、聴くに値するってことを今頃知ったから、ブランクのあった後の2008年の3枚目をチェックしてみようかな」
.
END