BSを見がちだ。地デジ、民放がヒドすぎるせいだ。
てなわけで、NHKの『BS歴史館: 大名家の生き残り策(2)「長州藩・毛利家 大リストラからの復活劇」』を鑑賞。
妖しいオレンジの照明を浴び緑色のドレスをまとった美熟女・渡辺真理を司会に、マンネリ・ゲストの童門冬二&磯田道史、そこに意外な江川達也が参入し、全体にイマイチ深みが無いものの、和気藹々としたトークは、江川のざっくばらんな態度のおかげだろう、(榊原英資をゲストとした回では無口だった)磯田も、今回は、生き生きと気楽にしゃべっていた。
関が原の戦い、というテーマも、語りつくされた観がある。どうやったって家康が勝つんだからもういいよ、と思う。
敗軍の将・毛利輝元は、大リストラを経験したものの、その後、合議制と下級武士らの登用が、藩の活性化につながったようだ。いつでも、俺たちの意見が通る可能性があるという雰囲気が、長州の強みだったのだろう。
凄腕の藩主というのが現れなかった点は、島津家との違いだが、それはそれで良かった。
また、貿易で儲けた薩摩藩と異なり、長州は検地を繰り返し、税収増にひたすら取り組んだというのが、いじましい(そこで徹底的な文書による管理が奏功した)。
とにかく内向きの、検地ばかりやっている几帳面さ、チマチマした感じが印象的だった。
しかし、それが長州の爆発力を養ったのだから、歴史は分からないないものだ。
長州人なら誰でも知っているらしい「そうせい侯」毛利敬親(たかちか)の話に、相当時間が割かれ、磯田いわく「幕末の七不思議」のひとつという「そうせい侯」の本質に思いをめぐらせる。
謎といえば謎だが……
やはり、優秀な人材の登用と合議制の併用に、すぐれた組織の秘密がありそうだ。
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このところ相次ぐ有名ロック・バンドのニュー・アルバムを聴き比べる。
(といってもオレは、元ヒップ・ホップ・マニアなのであるが…)
① Vampire Weekend(ヴァンパイア・ウィークエンド)の"Modern Vampires in the City"が歴史に残る傑作だという評判を目にしたので、じっくり聴いた。
(残念ながら、ほかのアルバムは聴いたことが無いが……奇妙なバンド名は、リーダーのエズラ・クーニグ(Ezra Koenig)が大学生時代に制作していた短編映画「吸血鬼の週末」に由来するらしい)
非常に緻密な音作りで、軽快さとともに、一筋縄ではいかない難しさが潜んでいる。
リーダーの東欧系ユダヤ人であるという側面が、音に反映されているのか?
もう一人の重要人物ロスタム・バトマングリ(Rostam Batmanglij)のイラン系の出自も無関係ではないだろう。
ヨーデル的な歌唱法がときどき挟まれるのも面白い。
明るい爽やかさがあるアルバム、だが、薄暗いモコモコした曇り、というか、翳りも感じられる。
なるほどFun.のような「出来の良さ」もあるが、VWの歌詞はもっと文学的なのかもしれないな。
つまり、Fun.が「美大生」的な表面的な格好良さに秀でているバンドなのに対して、VWはユダヤ人ならではの知性が突出したバンドということだ。
② Deerhunter(ディアハンター)の"Monomania"も、どうやら傑作だという。
これは聴きやすいレトロ感覚のあるギターノイズ系のロック。
(残念ながら、ディアハンターの他のアルバムは聴いたことが無い……)
今回の作品は、リーダー(ブラッドフォード・コックス)らの言によると、偉大な黒人音楽のボー・ディドリーや、電子音楽のピエール・シェフェール、スティーヴ・ライヒに影響された音作りだとのこと。
リズム&ブルース、黒人性に対する憧れが、じっくり聴けば、たしかに、感じられる気がする。
ギターメインのずっしり重厚テンポで着実に展開する若干サイケなロック・サウンドだが、後半はユーモラスな味わいがジワジワ増えてくる構成だ。
ヒップホップ好きのオレには、少々遅めの心地よいテンポで聴きやすかった。
③ The Strokes(ストロークス)の"Comedown Machine"は、Youtubeで聴いてみた。
話題のバンドの素敵なジャケット。
だが、最初タワーレコードで試聴した瞬間、なんだこりゃ?サカナクションのアルバムか?と、焦るようなキモチワルさ、しげしげ再生装置を確認したほどだ。
ファルセット歌唱法が乱用され、どうもチグハグでバラバラな構成の、ダサい印象を与えるアルバムである。
U2が、かつてエレクトロ路線に方向転換した(ダメな)時期があり、なんとなく、それを思い起こさせる失敗作だろう。
レディオヘッドを意識した部分もあるのだろうか?アルバム・タイトルはどことなく「OKコンピューター」を思わせるし、カルマ(karma)という語を含む曲名もあるが、チープ感満載のシンセがピコピコと幅を利かせ、ギターがおとなしく、サカナクション風の弱弱しいボーカル・アルバムなのである。
要するに、悪い意味でのレトロ。
1作目と2作目のアルバムは心地よく聴いた記憶があるが、今回、ボーカル(ジュリアン・カサブランカス)の声からは、色気とやる気が消えうせていた。
ちなみに、ストロークスは、さっそく6月から再びレコーディングだという。
心を入れ替えて、仕事のやり直しか?
ほかにも、要チェックのアルバムがあるが、つづきは、また……