バナナ不足、バナナの価格高騰。
にもかかわらず、オレのバナナ好きは、オレの手をついついバナナへと伸びさせる。
貴婦人にその点をそしられ、オレは身を縮める。
そんなにバナナばかり買ってどーするつもりなの!
だが、バナナ蓄積術をオレはマスターしているのだ。
しかし、話は甘くない。
オレ流バナナ蓄積法に要する冷蔵庫スペースの問題が、
さらなるトラブルのタネになりうるのである。
かとおもいきや、髪型の悩みもあるのだ。
横に膨らみやすいオレの頭髪、毛髪、剛毛、長髪。
これがまた彼女に見咎められる。
避けようもなく、オレは身を縮め、頭頂部に毛髪を盛り上げる。
買い物に随行する義務は当然あるとして、
断じて貴婦人を、せかしてはならない。
ドレスの吟味にゆっくりと時間をとらせる心構えが必要だ。
そうだ、貴婦人の飲み物を切らしてはならない。
ときどき退屈をかこつ彼女のなだめにも、心を砕かなけらばならない。
あまり、オレ自身がのんびりしていてはいけない。
配慮が行き届かないと、ただちに責められるであろう。
そしてオレがブログを書くとなれば、貴婦人の退屈度は増し、限界点に達し、
彼女の猛る炎のそばで、オレは小さくなり、
それでも文章を綴ることになるのだった。
けれども、そこには、いわば谷崎潤一郎的な、従属する悦びというものがあり、
反対に、そんなオレをとがめだてる愉しみというものもあるのだろう、
と、想像をめぐらせるのもまた、
小さな悦びなのだ。