風不死岳にはエゾモモンガがいる気がするんだよ。
いや実際目撃例もあるし、いない訳がないんだけど見たことがない。
そんな訳で約2年ぶりに冬の風不死岳にやってきたのだ。
札幌は先週大雪で、雪掻きの疲れが何日経っても回復しないのは加齢のせいだな。夜遊びもなかなかキツいお年頃になってきた。駐車スペースは除雪されており、ちょっとザブザブだけど問題ない。途中で見た恵庭岳の駐車スペースは除雪されていない様子だったからラッキーかも。
登山ポスト。そこそこ埋まってる。
こちらは霧雪期の駐車場。さすがにこの時期ここに車を乗り入れる猛者はいない。でもすごく頑張れば行けそうな気もする。
月が明るい。この森のどこかにエゾモモンガが暮らしていると思うとちょっとドキドキする。
「山頂へ」までチェーンスパイクで来られた。気温が高く、トレースが踏み固められていたのが要因だ。こんなの初めてだわ。
ここでアイゼンに換装する。急登に入ってからだと替えにくいからね!ピッケルも準備して、今シーズン初の雪山っぽい装備完了。
薄明が始まって大沢の奈落が見えてくる。落ちたらさよなら。
こんな気温で樹氷は大丈夫なのかと心配したが問題なかった。樹氷のできる標高がいつもより高かった気がするが。
一度目の稜線っぽい景色はぬか喜びの山頂もどき。騙されません。
急斜面で振り返ると樹氷越しの恵庭岳が美しい。
山頂。
ここで残念な話を。
山頂の前、樽前山側に黄色いマーキングがしてあった。昨日の登山者のものだと思う。
あのな、排尿はもっと目立たないところでやりなさい。ここは登山者の全員が全員一休みをして景色を楽しむ場所だ。ついでに家の前に犬におしっこさせるな。除雪機で舞い上がった黄色い雪が顔を直撃するんじゃ。
雲は多いが部分的にはいい景色なのだ。切り取って印象操作…ではなくて写真的表現。
左に尻別岳、右に羊蹄山。頭は雲の中。
樽前山の溶岩ドーム。
雲の隙間から日が昇る。色が変わる。
ああ、
この色、この景色。
雪に朝日が差しただけなのに何でこうも心を捉えるのだろう。
苫小牧沿岸の工業地帯。
煙が影を引く。
けあらし立つ海に霞む遠くの煙突。
ふわふわ。
ふわっとしてざらっとして繊細な雪面。
突き出た枝にはガラス細工のような装飾。
遠くの斜面にはエゾユキウサギの足跡が縦横無尽。
不屈の雪原にブレイズリーブ、的な。
そろそろ下りよう。またね樽前山。
モンスターみたいな腕が印象的な木。この木何の木?
樹氷が朝陽に映える。
樹氷越しに恵庭岳。
このコースはいつも下りが怖い。転がり落ちたらさようならの箇所。
赤線の通りに下りるのだが、滑って真っ直ぐ点線を辿ると崖なのだ。画像で見ると大したことのない傾斜だが、心理的にはもう80°近くある。いや95°くらいあるかも(個人の感想です)。
なぜか看板が2枚ある9合目。ここまでくればもう大したことない。
さて、木の下には何かの食痕が沢山落ちている。木の皮や苔。どうやらモモンガじゃないようだが…
犯人はゴジュウカラ。
一心不乱に木の皮を剥いでいる。木の皮剥ぎ職人。
あちこちで剥ぎまくっている。木に潜む小さな虫を探しているのだろう。
キバシリは樹皮の間に細い嘴を突っ込む。
こちらも職人の工具みたいな嘴を持っている。食べ方はゴジュウカラよりも綺麗で痕跡を残さない。
踏み固められたトレースにはこっそりエゾシカの足跡も重なっており、シカのフンも落ちている。
エゾモモンガ?いねーよ、痕跡も見つけられなかったよ!
…それじゃまた!