UFC219
日時:2017年12月30日/日本時間:31日(日)
場所:ネバダ州ラスべガス T-Mobileアリーナ
<ライト級/5分3R>
〇ハビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア)
(判定:3-0/30-25, 30-25, 30-24)
×エドソン・バルボーザ(ブラジル)
1ラウンド序盤は前に出てくるヌルマゴに対してバルボーザが足を使い距離を取りながらローやミドルを中心にヌルマゴを攻め立てる。『バルボーザええやん!』と思って立ち上がりの展開を見ていたら、ヌルマゴはお構いなしに圧をかけ続けテイクダウンに成功。
ここからバルボーザにとって地獄のような苦しい時間が始まる。ヌルマゴがグラウンドで上から強烈なヒジとパウンドをバルボーザに容赦なく浴びせていく。この試合だけでかなりの数のパウンドが振り落とされた。その時の音もすごくてバルボーザのことが心配になるほどだった。
で、並みのファイターならとっくにパウンドアウトされるか心が折れてもおかしくないところなんだけど、バルボーザはそうはならない。ダメージを蓄積させ、心も体もかなり削られながらも諦めない。それどころかスタンドに戻れば起死回生を狙った上段後ろ回し蹴りなどを繰り出し、パンチを当てヌルマゴの勢いが若干弱まる場面あった。このバルボーザの折れない心と闘志にはワイも熱くなった。
それでも、そんなバルボーザを以ってしてもヌルマゴの牙城を崩すには至らず。ヌルマゴはバルボーザに対し逆転の一撃を許さず、1ラウンドから3ラウンドまでスタンド&グラウンドでの打撃数、プレッシャー、トップコントロールタイムとテイクダウン数、すべての局面で圧倒し削り続けた。
その結果は3-0のフルマークでヌルマゴが判定勝利。3ラウンドマッチではめったに見れない30‐25や30‐24まで付けるジャッジもいた。それほどの圧勝劇だった。ワンサイドゲームなのに試合が面白かったのは、ヌルマゴの迫力満点のオフェンスとバルボーザが僅かながらも最後まで逆転の可能性を感じさせたから。
(↑バルボーザが放つ回転系のキックは最後まで大逆転の可能性を感じさせた)
エドソン・バルボーザは敗れたけれど自身がトップ5に入るランカーにふさわしいことを証明した。速くてキレのある打撃は魅力的で見ていてワクワクさせてくれる。ここからさらに上に行くことも可能だと思う。ただこの日は相手が悪すぎた。
ヌルマゴメドフは誰が相手でも自分からプレッシャーをかけてグラウンドに引きずり込み、パウンドで削るという鉄板の形がある。それ故に相手の鋭い打撃にも全く怯むことなく向かっていくし、それに対して一切の迷いがない。これは誰でも簡単にできるこじゃない。この迷いのなさがヌルマゴの強さの秘訣なのではと感じてしまう。
難敵バルボーザを下して戦績を25戦無敗とし、最強幻想をさらに膨らませたヌルマゴメドフ。こんなにも強い彼の唯一残念なところは試合間隔が異常に長いこと。2018年は何回彼の試合が見れるのか。そして次の対戦相手は誰になるのか。
できればライト級正規王者コナー・マクレガーや暫定王者トニー・ファーガソンとの対戦が見たい。これはUFCファン皆の願いでもあるはず。頼むぜ!ヌルマゴくん!