UFC219 クリス・サイボーグ VS ホリー・ホルム | UFC好きやねん!!  (UFC試合結果&試合レポート&ニュースブログ)

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UFC219

日時:2017年12月30日/日本時間:31日(日)

場所:ネバダ州ラスべガス T-Mobileアリーナ

 

<女子フェザー級タイトルマッチ/5分5R>

クリス・サイボーグ(ブラジル/王者)

(判定:3-0/49-46, 48-47, 48-47)

×ホリー・ホルム(米国/挑戦者)

 

(↑男子顔負けにやり合ったクリス・サイボーグ(左)とホリー・ホルム(右))

 

2017年2月に新設されたUFC女子フェザー級。この階級は元々クリス・サイボーグのために作られたと言ってもよい階級だった。ドーピング云々のゴタゴタがあってサイボーグは初代王者にこそなれなかったものの、初代王者デ・ランダミーが返上したベルトを王座決定戦を制して獲得。晴れて第2代王者となり、今に至る。

 

王者となるべきサイボーグが王者となり迎えた初の防衛戦がこの試合。その相手は元UFC女子バンタム級王者のホリー・ホルム。先に名前が挙がったデ・ランダミーと初代女子フェザー級王座決定戦を戦ったのもこのホルムで、その時は3-0の判定で敗れている。

 

この試合前のオッズは圧倒的に王者クリス・サイボーグが有利。もちろんワイも普通にサイボーグが勝つだろうと思っていた。というのも、ホルムがバンタム級王者から陥落したミーシャ・テイト戦以降低調なパフォーマンスを見せ続けていたから。

 

一つ前のベチ・コヘイア戦は3ラウンドに左ハイキックでKO勝ちしたものの、そこまでの展開は驚くほど退屈だった。とにかくホルムの試合が面白かった記憶がないというのが率直な感想。唯一の例外はロンダ・ラウジー戦だけど、あれはロンダが猪突猛進スタイルで向かってきてくれた上にホルム陣営の戦略がズバリハマったからだと思っている。

 

ホルムがアグレッシブに仕掛けていく姿をほとんど見たことがない。仕掛けていく時も本気で倒せそうな打撃があまりない印象なんだよね。ここまでホルムのことを良い風に書いていないけど、この試合のホルムはそんなワイの中のホルム評を少し変えさせてくれた。

 

この日のホルムは王者サイボーグに対して5ラウンドに渡り気持ちの見えるファイトを見せてくれた。金網際での組みの攻防ではサイボーグの上を行き、なかなか王者に主導権を渡さなかった。スタンドの打撃戦でも得意のハイキックや左のパンチを積極的に繰り出していた。

 

(↑5ラウンドの激闘を終え健闘を称え合う両者)

 

特に最終5ラウンド目の激しい攻防は見応えがあり、まだ歴史が浅い女子フェザー級の中でも最も熱いラウンドだったと思う。闘志を剥き出しにして熱く戦うホルムはめっちゃカッコ良かった。こんな戦いが見れるとは思わなかったから良い意味でサプライズだった。

 

そしてそんな剥き出しのホルムを引き出したのは紛れもなく王者のクリス・サイボーグ。彼女の女子離れした強さがホルムの闘争本能を覚醒させたのかなと感じた。サイボーグの右の強打やラッシュ時の迫力は男子と見紛うほど。それと何気にスーパーマンパンチの的中率が高いしね。

 

結局試合はサイボーグがその強打と対角線のコンビネーションやハイキックで徐々に流れを優位に持っていき、打撃の手数と着弾数、与えたダメージでホルムを上回り3-0の判定勝利。終わってみればさすがの強さを見せつけた。

 

見事王座初防衛に成功したサイボーグは試合後にオーストラリアでInvictaフェザー級王者のミーガン・アンダーソンとの対戦をアピールした。本来王座決定戦で対戦するはずだったアンダーソンと相手のホームに乗り込んでしっかりとケリをつけるつもりらしい。その心意気が男前だよ。

 

この先UFC女子フェザー級が盛り上がるためにはサイボーグの活躍と、サイボーグを脅かすライバルやスターの存在が不可欠になってくる。この階級が美味しく育つのをじっくりと楽しみながら待つとしよう。

 

素晴らしい戦いを見せてくれたホルムはフェザー級に留まるのか、バンタム級に戻すのか。いずれにしてもこの日のホルムを見る限りまた次の試合が見たい。クリス・サイボーグとホリー・ホルムは2017年を良い形で締めくくってくれた。2018年の両者のさらなる活躍に期待したい。