UFC219
日時:2017年12月30日/日本時間:31日(日)
場所:ネバダ州ラスべガス T-Mobileアリーナ
<女子ストロー級/5分3R>
〇カーラ・エスパルザ(米国)
(判定:3-0/29-28, 29-28, 29-28)
×シンシア・カルビーヨ(米国)
両者の勢いをそのまま反映するように、オッズはカルビーヨがフェイバリット、エスパルザがアンダードッグ。ワイもオッズの通りカルビーヨが勝ちそうかなとは思っていたけれど、エスパルザの意地も見たいという思いもあった。
1ラウンドはカルビーヨが先にテイクダウンを奪いトップでコントロールする時間が続いた。それでもラウンド終盤にエスパルザがアームバーを仕掛け、ラウンド終了間際にはスクランブルを制してトップを奪い返して見せる。
2ラウンドからはエスパルザが右のパンチやローでペースを握り、テイクダウンも織り交ぜながら攻め込む場面が目立ち始めた。ただ、カルビーヨもテイクダウンされてもすぐに立ち上がり完全に主導権を渡さない。3ラウンドも同様の展開が続き、試合終了間際にエスパルザが打撃をまとめて試合は終了。
判定はジャッジ3者とも29-28でエスパルザを支持。判定の結果を聞くまで自分が勝っていたと信じていたカルビーヨは『マジかよ!?』ってリアクション。たしかにスプリットでもおかしくなかったほど難しい判定だったと思う。でもエスパルザの勝ちは納得できる。
パフォーマンスや見た目が派手なカルビーヨに比べ、地味でおとなしいキャラのエスパルザ。だけど自分がやるべきことを黙々とこなす姿と強いハートには好感が持てる。ヨアンナに負けて王座陥落した試合でもそれは感じた。
エスパルザは小柄ながらレスリング仕込みのテイクダウン能力はピカイチ。サブミッションも得意だし打撃も悪くない。それに加えてハートの強さがある。InvictaとUFCの王者になったのはたしかな実力があればこそ。現UFC女子ストロー級王者のローズ・ナマユナスに一本勝ちしていることも忘れてはいけない。
注目株のカルビーヨにプロ初黒星をつけたことで、再びエスパルザの評価が上がることは間違いない。派手で目立つファイターを追いかけるのはもちろん楽しいけれど、こういうあまり目立たないけれどコツコツがんばっているファイターを見るのもまた楽しいんだよね。
敗れたカルビーヨは初めての敗戦を自身の中でどう受け入れて今後どう取り込んでいくか。打撃でもグラウンドでも天性のものを感じさせ、自己アピールもできてキャラも立っている。女子ストロー級のスターになれる可能性は十分のシンシア・カルビーヨには今後も注目すべしだね。