大晦日にPCをクラッシュしてから、新しいPCの調教に手間取っています。パフォーマンス重視のピーキー(peaky)な設定が好みなのですが、バランスが難しく未だに手に馴染んでいません(笑)。
さて表題の件ですが、正しくは「オキザリプラチンによる末梢神経障害に対する支持療法としてのシスチン・テアニンの有用性の検討」という臨床試験登録が2016/01/07になされて、その研究費提供組織が味の素株式会社であるという意味です。
治験内容は、「シスチン700mg・テアニン280mgを含む食品をmFOLFOX6療法を受けている間、1日1回経口摂取する(最大6ヶ月) 」というものです。これって味の素のサプリ「抵抗活力アミノ酸 シスチン&テアニン」の主要成分含有量と全く同じです。
つまり、味の素が懇意にしている仙台市医療センター仙台オープン病院に、商材を得る目的で治験を依頼しているようにも見えますが、キナ臭さは余り感じません。
何故なら「アミノ酸シスチンとテアニン、がん支持療法に有用」という学術・専門情報を2014年8月30日(土)第52回日本癌治療学会で優秀演題として発表済みだからです。
その時の対象副作用は食欲不振や下痢で(以下に抜粋)、今回の対象は末梢神経障害ということになります。
土屋 誉 医学博士らのグループは、胃がん、大腸がんの根治手術を受けた後の化学療法(補助化学療法)として、抗がん剤TS-1を服用する症例を対象とした臨床試験を実施し、化学療法開始1週間前から化学療法終了までの5週間に渡りアミノ酸シスチン700mgとテアニン280mgを1日1回摂取することにより、食欲不振、下痢を有意に抑制し、規定用量の完遂率を有意に上昇させることを明らかにしました。
シスチン・テアニンには、本来「免疫細胞を活性化する作用」もあるようです。そしてシスチンを多く含む食品は「鶏肉など肉類や大豆」、テアニンを多く含む食品は「緑茶(特に玉露)」のようです。
そういえば私もXELOX療法中に、お茶と肉を無性に欲したことを思い出しました。あとチョコとブドウの皮も。
臨床試験登録の段階ですから現段階では結果が不明です。ですが、試験のフェーズが第Ⅱ相/Phase IIであることや過去の実績から考えると、作用機序をきちんと予測されているのではないかと感じます。
是非とも成功して末梢神経障害対策の一つとなってもらいたいです。
引き続き、重要事項記載の関連記事「末梢神経障害に味の素の矛盾」もお読みください。
関連情報
○ シスチン・テアニンの経口投与は癌の支持療法として有効である可能性:がんナビ
