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構造塾のブログ

木造住宅の耐震に関する情報発信
構造塾のこと、日々考えていることなど

セミナー講師は下請け業、この当たり前のことを理解していないと危険です。

一般的な下請けのイメージは、元請けとの間に上下関係が存在します。

「元請け」は委託者として「下請け」いわゆる受託者に業務を依頼します。

その関係において、仕事を出す側ともらう側の関係から、元請けが上、下請けが下のような上下関係です。

 

しかし、

これがセミナーになると上下関係が変わってしまいます。

セミナーを主催者はセミナー講師にスピーカーを依頼します。

セミナー主催者は委託者、セミナー講師は受託者いわゆる下請けです。

 

ところが、

セミナー主催者はセミナー講師に対して下から接してきます。

一般的な上下関係が逆転している状況です。

セミナー講師を「先生」と崇め、セミナー講師はこれが続くと「先生」になってきます。

残念ながらセミナー講師は崇められることで「下請け業」であることを忘れていきます。

 

確かに、

セミナー講師はその道のプロであることは確かです。

しかし、

自分自身でセミナーを企画しているわけではなく、企画されたセミナーにお呼ばれされているに過ぎません。

需要がなくなれば(呼ばれなければ、委託されなければ)、

いくらその道のプロであってもお金を生み出すことはできません。

 

そこで、

セミナー講師をやる場合、以下のことを考えると良いのではないでしょうか。

まず、

いつまでも丁寧な姿勢であること。

これは、元請け、下請けの関係なく人間としての基本です。

相手がどのような態度であれ、自身は丁寧な姿勢であることが重要です。

調子に乗らないようにすることです。

 

次は、オンリーワンを目指すこと。

いくらその道のプロとはいえ、同じように話せる専門家は多いはず。

そこで「この人じゃなければ」というオンリーワンを目指すことです。

これは、専門性をより高めるだけじゃなく、認知度アップ(ブランディング)が大切です。

誰にでも知られていること。

セミナー受講者にとっては、「この人の話を聞きたい」という認知度の高いセミナー講師は重要です。

 

最後は、

バックエンド商品をつくっておくこと。

セミナー講師の危うさは、そのセミナー講師費用だけが売り上げであり、ある意味、日銭稼ぎなのです。

そして繰り返しお伝えしていますが、委託者あっての受託者なので、委託者からの依頼がなくなれば仕事はゼロ、売り上げもゼロになります。

 

そこで、

セミナー講師自身が主催するバックエンド商品を持っておくことが大切なのです。

例えば、

技術を継続して学ぶ研修、コンサルティング、顧問契約、本を出すなど、

セミナーをきっかけにセミナー講師主体のバックエンドに誘導します。

こんなことを考えながらセミナー講師を行うことが長続きする秘訣かもしれません。

 

セミナー講師はとてもありがたい仕事なのです。

セミナー主催者に依頼され、崇められ、丁重に接してもらい、受講者を集めてもらい、セミナー講師費用をいただきながら自分自身の営業を行う。

こんなにありがたい仕事はないのです。

セミナーについて。

セミナー主催者はセミナーの目的と目指すべき世界観を明確にしてほしいのですが、

セミナー講師への依頼もどの視点で依頼するのかを明確にしてください。

本来の手順は以下の通りです。

①     目指すべき世界観がある

②     そこを目指すためにセミナーを開催する

③     セミナーの目的を明確にする

④     セミナー目的達成に最適な講師を選択

⑤     セミナー講師に話してほしいことを伝える

 

この手順で行けば、講師に話してもらうべき内容は詳細まではいかなくとも方向性は決まっています。

当然、セミナータイトルも決まるはずです。

これが、セミナー主催者が主体のセミナーであり、本来はこうあるべきです。

 

しかし、

多くのセミナーは講師主体になっています。

著名な講師を客寄せパンダとして呼ぶ。セミナーを主催すること自体が目的になっているセミナーの多いこと。

このセミナーは誰に聞いてほしいのか(受講者)、どう行動してほしいのかという目的がない。

セミナー開催以外の目的っぽいことと言えば、セミナー受講者に営業することかもしれません。

 

このように講師主体のセミナーは、セミナー講師に何を話してほしいのかという考えはありません。

だからセミナー依頼時に「どんな話をしてもらえますか、タイトルは何がいいですか」と聞かれます。

そんな時、セミナー講師も疑問に思わないといけません。

 

もし、セミナー講師側に目指すべき世界観があるならば、

この世界観を共有できるのかを確認し、セミナーの目的、目指すべき世界観をセミナー主催者に考えてもらうよう促すことをお勧めします。ここまでくると、セミナー講師というよりはコンサルティングです。

 

この流れは、実際によくあることなのです。

ただ単に「構造塾」の佐藤実に話してほしい、これが目的になっていて、その先が何も見えない。

まあ、タレントや著名人であれば、その人に会う、その人の話を聞くだけの目的のセミナーも十分あり得ます。

 

セミナー受講者も会いた、話を聞けたことで大満足のはずです。

しかし、「構造塾」の佐藤実には目指すべき世界観があります。

「日本中の木造住宅を地震で倒壊させない」、ここを目指すためには、タレント気取りのセミナーなどやっている暇はありません。

 

急に、話がそれましたが、セミナー主催者は、誰を主体のセミナーにするのかを考えてセミナーを企画してください。

タレントや著名人のように「その人」であれば十分というレベルじゃなければ、

セミナー主催者が主体となるセミナーを企画してください。

 

繰り返しますが、セミナーの目的を明確に、目指すべき世界観も明確に!

セミナー講師としてお声がけいただくことがあります。

基本は木造住宅の耐震性能にるいて話すのですが、

セミナーを企画する側(主催者)とセミナーでは話す側(セミナー講師)とで考えるべきことが多々あるなと感じています。

 

まず、セミナー主催者が考えるべきこと。

セミナー主催者は、セミナーの目的を明確にする必要があります。

当たり前すぎる話ですが、目的が不明確なセミナーは結構あるのです。

 

セミナーの目的は簡単に言えば、「誰に、何をしてほしいのか」ということです。

具体的には、「建築業者に耐震等級3の木造住宅をつくってほしい」こんな感じです。

その際、さらにその先の目指すべき世界観を持っていることが理想です。

 

具体的には、「建築業者が耐震等級3の木造住宅をつくってほしい」、

そうすることで「地震被害をなくした」という世界を実現したいという世界観です。

 

この世界観は大きければ大きいほど、社会性があればあるほど広く受け入れられます。

そして、セミナーの目的を果たし、目指すべき世界観に近づくには「この講師に話してもらう」という観点で講師を選択します。

 

当然ですが、セミナー主催者は慈善事業を行っているわけではないため「営利」は考える必要があります。

セミナー主催者が行政であれば、

地域の木造住宅の耐震性能向上により地震被害が減る、

営利で考えれば災害復興の費用が抑えられます。

セミナー主催者が業界団体であれば、

有益なセミナーなどの情報提供と技術レベル向上の機会を与えることで、会員拡大が図れます。

セミナー主催者が企業であれば、その企業の商品販売にも繋がるはずです。

 

しかし、セミナー主催者が企業であれば、

目指すべき世界観が「企業の利益」になり、セミナーの目的も「企業の利益」になっていることが多くみられます。

企業の利益は大切です。

 

しかし、世界観、セミナー目的まで企業の利益にすると、セミナーは完全なポジショントークと売り込みになり、

セミナー受講者は自身のメリットを得ることなく、

今後、セミナー受講は避けるようになります。

 

しかし、ここが全く見えずにポジショントークと売り込みの営業セミナーを何度も何度も企画し、

受講者が少ないと嘆く企業が多いこと・・・。

最悪なのは、このような営業セミナーに講師を呼ぶ際、講師にもポジショントークと売り込みをさせることです。

考えられません。

 

中には、それを前提で話すセミナー講師(結局は企業の営業代行)もいますが、

これを繰り返すことでセミナー講師自体の評判も落ちてきます。

 

セミナー主催者は、セミナー目的、その先にある目指すべき世界観を明確にしてください。

当然、その過程での営利も視野に入れながら。

 

そして、これら達成に最適なセミナー講師を選択してください。