セミナー講師は下請け業、この当たり前のことを理解していないと危険です。
一般的な下請けのイメージは、元請けとの間に上下関係が存在します。
「元請け」は委託者として「下請け」いわゆる受託者に業務を依頼します。
その関係において、仕事を出す側ともらう側の関係から、元請けが上、下請けが下のような上下関係です。
しかし、
これがセミナーになると上下関係が変わってしまいます。
セミナーを主催者はセミナー講師にスピーカーを依頼します。
セミナー主催者は委託者、セミナー講師は受託者いわゆる下請けです。
ところが、
セミナー主催者はセミナー講師に対して下から接してきます。
一般的な上下関係が逆転している状況です。
セミナー講師を「先生」と崇め、セミナー講師はこれが続くと「先生」になってきます。
残念ながらセミナー講師は崇められることで「下請け業」であることを忘れていきます。
確かに、
セミナー講師はその道のプロであることは確かです。
しかし、
自分自身でセミナーを企画しているわけではなく、企画されたセミナーにお呼ばれされているに過ぎません。
需要がなくなれば(呼ばれなければ、委託されなければ)、
いくらその道のプロであってもお金を生み出すことはできません。
そこで、
セミナー講師をやる場合、以下のことを考えると良いのではないでしょうか。
まず、
いつまでも丁寧な姿勢であること。
これは、元請け、下請けの関係なく人間としての基本です。
相手がどのような態度であれ、自身は丁寧な姿勢であることが重要です。
調子に乗らないようにすることです。
次は、オンリーワンを目指すこと。
いくらその道のプロとはいえ、同じように話せる専門家は多いはず。
そこで「この人じゃなければ」というオンリーワンを目指すことです。
これは、専門性をより高めるだけじゃなく、認知度アップ(ブランディング)が大切です。
誰にでも知られていること。
セミナー受講者にとっては、「この人の話を聞きたい」という認知度の高いセミナー講師は重要です。
最後は、
バックエンド商品をつくっておくこと。
セミナー講師の危うさは、そのセミナー講師費用だけが売り上げであり、ある意味、日銭稼ぎなのです。
そして繰り返しお伝えしていますが、委託者あっての受託者なので、委託者からの依頼がなくなれば仕事はゼロ、売り上げもゼロになります。
そこで、
セミナー講師自身が主催するバックエンド商品を持っておくことが大切なのです。
例えば、
技術を継続して学ぶ研修、コンサルティング、顧問契約、本を出すなど、
セミナーをきっかけにセミナー講師主体のバックエンドに誘導します。
こんなことを考えながらセミナー講師を行うことが長続きする秘訣かもしれません。
セミナー講師はとてもありがたい仕事なのです。
セミナー主催者に依頼され、崇められ、丁重に接してもらい、受講者を集めてもらい、セミナー講師費用をいただきながら自分自身の営業を行う。
こんなにありがたい仕事はないのです。