心理的リアクタンス | 構造塾のブログ

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木造住宅の耐震に関する情報発信
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心理的リアクタンスとは、

自由に対する侵害に反発する心理的過程のこと。

自由を制限されると逆のことをやりたくなる心理のことです。

 

具体的には、

見るなと言われると見たくなる、やるなと言われるとやりたくなる心理です。

 

そこで考えました、

「構造塾」やセミナーで「耐震等級3の木造住宅を建てましょう!」

という話は、耐震はほどほどで良いと考えている建築士や建築業者にとって心理的リアクタンスではないかと・・・。

 

「耐震等級3を建てろ」と言われるとやりたくなくなる。

こんな心理が働くのかなと。

 

では、

耐震等級3の必要性をどう伝えるべきか?日々考えています。

とはいえ、

「耐震等級3は建てるな!」という、煽りは

エンタメに走るYouTuberのようでやるべきではないと思います。

 

多分、

「耐震等級3は建てるな!」と言われると心理的リアクタンスは発動せず

「じゃあ建てない」と楽な方に逃げるのは目に見えます。

 

この心理的リアクタンス対策、現在、思いついていません。

どのような言い方、伝え方が良いのか模索中なのです。

 

人が行動する心理に「ワクワクする」という物があると思います。

しかし、

耐震性能に関してワクワク感はどこにあるのか・・・これもまた思いつきません。

省エネ性のように体感もできません。

 

「耐震等級3の家はガッチリしていて守られている感じ」このような体感はなく、

耐震等級3の重要性がわかるのは地震がきたその瞬間だけなのです。

しかし、

耐震性能の重要性は、危機感や恐怖感で伝えたくありません。

考えれば考えるほど、耐震等級3の伝え方は難しいのです。

 

日々、耐震等級3の伝え方を模索しているため、様々な角度から耐震等級3を伝えています。

地震被害から伝える、要求性能から伝える、建築士や建築業者の使命感に訴えかける、他社との差別化として、エンドユーザーのニーズとして・・などなど。

 

耐震等級3をつくるという行動理由は何でも良いと思っています。

結果的に耐震等級3の家が建てば良いのです。

 

様々試している中で、エンドユーザーに伝える、エンドユーザーに知識をつけてもらう、

これはかなり有効だと感じています。

エンドユーザーひとりひとりが「自分の家は耐震等級3にしたい」

そのニーズが建築業界を動かし始めています。

 

本来、建築業界側が耐震等級3標準化方向へと動くべきことなのですが・・・。

 

心理的リアクタンスから話がそれましたが、

心理的リアクタンスを意識し、行動を促す「何か」を模索していきたいと思います。