僕は藤村龍至という男を支持する
そういう結論です。
1年かかったけれど、そう決めた。
正確にいうと、藤村龍至とTEAM ROUNDABOUTの活動を支持する、ということ。
表明することに意味があると思ったから、ここに表明する。
工学主義・反工学主義・批判的工学主義、それらのカテゴライズやネーミングにはまだまだ異論はあるけれど、そういう表面的な問題は、この際、どうでも良い。彼が真に訴えたいことは何も間違ってない。
超線形設計プロセスも、まだまだ欠点だらけだけれど、その欠点は僕がきちんと彼に伝えればよいだけの話だ。彼はきちんと咀嚼し軌道修正のできる人間だし、そっちは大した問題ではない。
日曜日のデザインの部屋に参加して、ようやくそう信じることができるようになった。
随分、時間がかかったけれど。
おそらく藤村くんと初めてあったのは、2006年末の彼の事務所の忘年会に土井君に呼ばれて行ったときだったと思う
。その頃は、設計法に興味があると言っていたと思う。
その後しばらく会うことはなかったけれど、1年前、ヴィヴィッド・テクノロジーの出版トークイベントに来てくれて、その時に、アルゴリズム観について少し語り合った 。
そして、10+1、JA、建築雑誌という誌面で立て続けに批判的工学主義を展開しだした。
正直言うと、その議論の乱暴さには多少なり頭にきていた。
その後、6月にはBUILDING Kを見学 させていただき、7月にはJA風景の解像力展のイベントやその後の2次会・3次会に参加 させていただき、そして、京都の事務所に来ていただきインタビューを受けた 。
9月には広島でのイベント でもご一緒させていただいた。
このころには、まぁ、だいたいのことは理解し、自分の中でも消化できる内容になっていた。
11月や12月には本の出版準備にあわせて何度かやりとりもした。
こう振り返ると、この1年、建築家と構造家という関係でのプロジェクトは何も一緒にやってない割りには、結構コミュニケーションをとっていたと思う。
発表された『1995年以後』の中に散りばめられた彼の熱意、そして、先日のデザインの部屋での議論を通して、僕と彼・彼らは深層の部分で深く一致していることを自覚するにいたった。
彼や彼らの行動は、僕が今の社会に足りていないと思っているもの、社会にあって欲しいと思っているもの、ずばりそのものであると、感じてしまったのだ。
彼らが発しているのは、日本の社会構造そのものに対する問いかけであり、それを乗り越えようとするのは、社会構造に対する挑戦に他ならない。
僕は、藤村龍至とTEAM ROUNDABOUTの活動を全面的に支持する。