畲(シェ)族の茶に烏龍茶の萌芽 | 俳茶居

俳茶居

       防人に木の芽の路の地雷かな (呑亀〉

畲(シェ)族の茶に烏龍茶の萌芽

石古坪烏龍

 

 2024年3月9日横浜中華街駅近く「中国茶文化空間・香流」で開催された

麗香茶課主催、田中優伊先生によるセミナー

「単叢講座第二弾 崬山・石古坪・嶺東へ茶旅をしよう」

に参加した。タイトルに出てくる町の名前にまず惹かれた。コロナ禍の前、中国への茶旅を重ね、潮州での楽しい旅の思い出が蘇ってきた。潮州のお茶と言えば、すぐに鳳凰単叢を思い浮かべるが、今回田中先生のお話で、鳳凰単叢以前の事も含め、烏崬山・石古坪・嶺東への旅が叶ったのである。

 

「茶の民族史」1998年発行

 

 松下智先生は、名著「茶の民族誌」で閩南を現代の地域名「広東省潮州・汕頭、福建省厦門・泉州あたり」としている(安渓も含まれると推測する)。さらに閩南の少数民族畲(シェ)族こそ烏龍茶(松下先生は「烏竜茶」と表記)の生みの親ではないかと提起されている。そして私たちはセミナーで、その「石古坪烏龍」と対面し頂くことが出来たのである。発酵度(10%位)は低く、味・香りが強く押し寄せる感じはない。逆にこちらの身体器官を全開にして感じ取る必要があるお茶であった。煎を重ねると味蕾に少しずつ甘味が増えていくようで、ゆっくりと烏龍茶の淵源に近付いていくような、静かな感動を得ることとなった。希少なお茶を届けてくれた田中優伊先生に感謝である。次回のセミナーを楽しみにしている。

 

セミナーで頂いたお茶

石古坪烏龍

紅茵

鳳凰浪菜老叢

蜜蘭香紅茶

茶虎

*当日会場で沢山の茶友と再会がかない嬉しかった。皆コロナ禍を耐え抜き、新たな活動を始めているようである。多謝 再見