「第6回秘蔵のプーアル茶を愉しむ会」 秋彼岸に涼風届く | 俳茶居

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「第6回秘蔵のプーアル茶を愉しむ会」秋彼岸に涼風届く

金瓜茶(きんかちゃ)1998年以前の生産 雲南省臨滄

 

金瓜茶の包装用新聞の発行日は1998年10月17日

 

   お彼岸に涼風が届き、猛暑残暑の東京に秋らしさが訪れた2023年9月23日(土)。人形町茶韻館にて、阿部克彦氏による第6回『秘蔵のプーアル茶を愉しむ会』が開催された。今回もスタッフとして、淹れ手阿部さんのサポートを無事行うことが出来た。長い間コロナ禍の影響で、細心の注意を払いながらの運営が続いていたが、今回からほぼ通常の茶席設定とした。お客様もこれまでと違い、どこか寛がれているのがわかる気がした。

由緒正しき#7542、2013年製

 阿部氏の秘蔵茶葉は尽きない。名称も謎めくものが増えてくる。

『金瓜茶:熟茶・1998年以前の生産、雲南省臨滄』 

説明文でどれだけ茶葉の説明が出来たのか覚束無い。私たちは説明文を手掛かりに心身全体で茶葉のなぞ解きを始めるのである。茶葉が育った雲南の森であったり、茶摘みの情景であったり、押し固められ熟成の時間を過ごす倉庫での姿だったリ、茶葉の姿を見ているだけで想像力が自在にうごめき出すのである。今回のプーアル茶、古いものは30年前、一番新しいものでも10年前のものである。他の種類のお茶では到底おいしい時期は過ぎたものになるが、プーアル茶はそうではない。熟成という言葉が似あう。時間がたてばそれだけ変貌をとげて行くのがプーアル茶なのであろう。

淹れ手阿部氏から淀みなく繰り返される呈茶は、一つの茶葉で十煎以上となる。それを4種類(今回は紅茶が一つ)、洗茶を考えれば優に50回ほど蓋碗で呈茶を続けることとなる。いつも感心させられるのは、呈茶の泰然とした迷いのない佇まいである。嘗て阿部さんのお茶淹れを「自在の茶」と命名したが、小生その境地には遠く及ばない。おいで頂いたお客様に感謝し、次回開催を待つこととする。    2023年9月30日 俳茶居

1994年易武の茶葉復興最初期の茶 西双版納 易武正山

 

第6回 秘蔵のプーアル茶を愉しむ会 

  茶譜

1、     金瓜茶(きんかちゃ)熟茶・1998年以前の生産 雲南省臨滄

2、     餅 茶       生茶・2013年大益七子 #7542

3、     Junchiyabari High Mountain Tea Nepal Early Summer

4、     餅 茶       生茶・1994年易武の茶葉復興最初期の茶

                       西双版納 易武正山

 

Junchiyabari High Mountain Tea Nepal Early Summer

三番目のお茶はネパールの素晴らしき紅茶。ウンカ芽を感じたのは私だけか。