「天空茶会」と言う『背骨』 | 俳茶居

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       煌々と唐十郎の夏帽子 (呑亀〉

表演茶藝設えK氏席(撮影K氏)

 

「天空茶会」と言う『背骨』

蝸牛の茶席設え(2023年6月24日撮影)

   所属する「日本中国茶普及協会認定インストラクター会」主催「天空茶会第二十葉」が、2023年6月24日(土)台東区稲荷町の江戸からかかみ「東京松屋」さんで開催された。コロナ禍期間中開催出来なかった天空茶会は、2022年11月、規模を大幅に縮小し第十九葉として再開された。そして今回は往時の8割の茶席規模に復活しての開催となった。小生も淹れ手として参加、「蝸牛」席でWさんとペアとなり呈茶が叶った。梅雨の季節ではあったが天候にも恵まれ、茶席のお客様は延べ人数で満席となったとの報告があった。おいで頂いたお客様に、心より感謝の気持ちを伝えたい。茶席で何度も本格再開への温かい言葉を頂いたことは、何よりも有難く感謝の気持ちで一杯となった。開催までの準備を献身的に担ってくれたインストラクター会役員各位、今回のスタッフの皆様共々、無事の開催を喜びたい。協会理事の先生や事務局の皆様、今回も会場に駆けつけて頂き、ご鞭撻を賜り感謝である。会場の東京松屋さん、前日の設営作業よりのご配慮に、この場を借りて深謝申し上げることとする。

 翠紫苑の茶席設え

 「天空茶会」は『背骨』である。と、ある時から言い続けている。2011年6月に第一葉がスタートして以来、「天空茶会」は、日本中国茶普及協会認定インストラクター会の中心的な催事となり現在に継承されている。「天空茶会」のメニューは、茶席をメインとし、表演茶藝、淹れ方教室、セミナー、擂茶・八宝茶席、茶葉・茶器販売などが組み合わされ開催されてきた。そして12年の歳月が経ち、「天空茶会」は、しっかりと当インスト会を表す言葉となっているのである。立ち上げに係った者の一人として、12年の時間に起こった様々な「天空茶会」思い出すことができる。それはその時々のお客様やスタッフの顔であったり、茶席設えであったり、呈茶された茶葉そのものであったりする。順風満帆な組織や催事運営などあり得ない。「天空茶会」が、私に燦然と輝いて見えるのは、係わっている多くの人達が、目に見えない所で汗をかいている姿を想像できるからである。組織の理想として思い描く「天空茶会」は、茶席での淹れ手、水屋、表演茶藝担当者、受付、物販担当者を、誰が担当しても安定した運営が出来ることである。淹れ手を新しく務める新人の方のご苦労は免れないが、良き方向に向かっていると思うのである。新しく淹れ手に挑戦された方々は、練習時先輩から指摘が沢山あったのではないだろうか。少し挫けそうになったかもしれないが、お客様に呈茶するには幾多の修養と茶人としての覚悟が必要だと気付くのである。茶の道は深し、されど愉し。そんな道に迷い込んだ私達は、一蓮托生の幸せ者である。「天空茶会」と言う『背骨』、もう少し見続けていたい。

向暑の茶席設え

 コロナ禍は人類にとり百年に一度の厄災。まだ完全に終焉したわけではない。これからも注意を払いながら、確実に嘗ての姿を取り戻せれば良いと考える。

 2023年7月1日      俳茶居

清麗の茶席設え(K氏撮影)

 

茶席スケジュールと茶譜

(日本中国茶普及協会認定インストラクター会HPより)

 

11:00~11:45 第1回 茶席

12:00~12:45 第2回 茶席

13:00~13:15 第1回 表演茶藝

14:00~14:45 第3回 茶席

15:00~15:45 第4回 茶席

16:00~16:15 第2回 表演茶藝

表演茶藝設えH氏席(撮影H氏)

 

 茶席1 向暑(こうしょ)

     緑茶・蒙頂甘露 

     紅茶・正山小種 小赤甘

 

茶席2  清麗(せいれい)

     緑茶・安吉白茶

     烏龍茶・烏崠通天香

   

茶席3  蝸牛(かたつむり)

     烏龍茶・東方美人

     白茶・忙肺古茶樹

 

茶席4  翠紫苑(すいしえん)

     紅茶・雲南紅茶 

     烏龍茶・玉山茶重焙煎

表演茶藝K氏の設え(K氏撮影)

表演茶藝二人の設えにレスリー・チャンの写真・CDが置かれた。没後20年になる。