旅行代理店とのやりとりが頻繁になって日程が決まるか決まらないかの2月頭頃、


Mから衝撃のメールが来た。



「しばらくパスポート取りに行く時間がないから、旅行延期してもいい?」



待て。


パスポート無いなら早めに取りに行っといてって去年から言ってたのに、まだだったんかい。


ぎりぎりになるまでなかなか行動できないのは僕も同じなので、


この展開がありえないともいえないが、


パスポート申請して取りに行く時間くらい作れるんじゃないの。



慌てて電話して詳しい状況を聞いてみると、


パスポートの申請は平日に行かないといけないが、仕事が忙しくて平日に時間が無いという。


それなら家族に頼むとか、最悪僕が代わりに申請しに行ってもよいよと提案してみたが、


そこまでしてもらうのは悪い。ということで、


頑張って2月中には半休とって行く。ということになった。



それならまずは一安心だが、


パスポートがあるのが2月末とかになっても間に合うのかしらん。


場合によってはツアーの申込みにパスポートのコピーを送らないといけないこともある。


ということで代理店にさりげなく聞いてみると、今は旅行者の名前だけで良いらしい。


そのかわりパスポートと同じつづりのローマ字じゃないといけない、と。


そうか、でもそれなら確認さえしっかりしとけば大丈夫だ。


ようやく一件落着。



そして2月末の日曜日、Mがめでたく人生初のパスポートを取りに行くというので、


それに付き合うことにし、ついでに第2回イタリア会議をイタリア料理店にてとりおこなった。



そこで明らかになったのが、Mの激務っぷり。


今年入ってからまともに休んだのが3日しかないという。


そんなあほなと、タイムカードの履歴を見せてもらったが、たしかに土日にももれなく打刻してある。


しかも毎日午前様だ。


そんななか退社時間が5時とかの日もあったので、お、ココは早く帰れてるじゃん、といったら、


それは朝の5時だ。と。


それから一旦家に帰ってシャワーを浴びて7時に出社するのだと。


ありえないなあ。


グラフィックデザイナーはどこも仕事量が多いらしいし、


僕の勤めてるとこのグラフィックの部署も毎晩遅くなっているらしいが、


土日はみんな基本休んでますよ。



Mは今年3月いっぱいで今の会社を辞め、


しばらくはフリーの期間の後、再就職をする予定であった。


このイタリア旅行もそのフリー期間のひとこまであるらしい。


ほんとに会社辞めるの?


僕がイタリア旅行誘ったばっかりにこうなったの?と心配していたところもあったが、


辞めること自体はだいぶ前から決まっていたことらしい。


確かにこの実態を知ると、辞めてもっとマシな所に行った方がいいね…という気にさせられる。



というわけで仕事の話はほどほどに、


その後は、どこいく?そこいく?の話で盛り上がった。


こじんまりとしているが割と本格的なイタリア料理店、という場の雰囲気も気分を高めてくれた。





さて、ついいましがた。


Mからのメール。


1ヶ月前になって退職について会社ともめている。退職日が伸びそう。


会社からいろいろ言われて、実際次が決まっていないので自分も不安になっている。


相談したい。




そうか、


ちょっと僕にもおちついて考える時間を下さい。


とりあえずイタリアの話は切り離して、仕事は仕事で考えた方がいいよね。




で返信。


会社を辞めるのが不安なら続けたらいいんじゃない?


グラフィックの求人はあるほうだとはいえ、待遇は今よりめちゃくちゃよくはならないだろうし、


職からいったん離れるという怖さは良くわかる。


今の会社に残った上で、予定通りイタリア行くための休みをもらえたらベストだし、


忙しくて休みをもらえなかったらその時はあきらめるしか仕方ないね。




こんな返事でよかっただろうか。



Mとの第1回イタリア会議にて、


ミラノサローネに行くまでに、Mはイタリア語、僕は英語を勉強しておくように協定が結ばれた。


僕は去年の4月から改めて英語の勉強をし始めてたこともあり、こういう分担になった。




ここ数年、4月から次の年の3月までを区切りに、何かのテーマについて身につけるようにしている。


前々年は「デザイン史と美術・工芸史」。


前年は遅まきながら「普通免許」。


それで今年は「英語」。


2008年の3月末までに、洋画を字幕ナシで見れるようになるのを目標にした。



もうその期限に近づいてきているが、どうやら目標は達成できそうにない。


今は洋画を英語字幕つきで見るのがやっとだ。それも辞書を引きながら。



映画の英語といっても、


比較的簡単なラブストーリーものから専門用語が飛び交うスパイものまで難易度は様々なので、


だいたいの習熟度を確認するために、年2回はTOEICテストを受けることにした。


というわけで、今年1月にはじめてのTOEICを受けたのだが、


テストのあまりの展開の早さに、頭が沸騰するかと思った。


ヒアリングのスピードも速いし、リーディングもすべて読んでる時間なんてない。


あの内容をそれぞれちゃんと理解しようと思ったら、日常生活にもっと英語が浸透してないと無理だ。



とにかくはじめてということもあり、どれくらいできたら何点なのかがよくわからない。


まずは500点くらい取れたらいいか、と思っていた。



そして1ヶ月後、結果が通知され、トータル520点だった。


平均が570点ということなので、まだまだひよっこだなと痛感。


これで英語勉強期間の来年度までの延長が決まった。




ところでMのイタリア語はどうなっているかというと、


相当煮つまっているらしい。


ある程度使えてもらわないと困るよと、はっぱをかける。


数字とかレストランのメニューとかそれくらいはぜひ覚えといて欲しい。



とはいえ、僕もあいさつなど簡単な言葉は知っときたいので、ちょっとかじってみた。


発音を聞きながら「ボンジョールノ」とか「グラッツェ」とかやってみるとなかなか面白い。


必要以上に舌巻くのが気持ちよくて、


最近のMとの会話には「ボンジョールルルノ!」「ペルファヴォールルレ!(=Please?)」が飛び交っている。



同行者Mがこの旅で固執したうちのひとつが、


ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にある、最後の晩餐を見に行くことだった。



最後の晩餐を見るのには事前に予約しないといけないらしい。


それならばミラノの最終日あたりに予約をしようと考えた。


ネットで調べると、その教会のホームページで予約できるようになっているようだ。


早速そのページに行ってみたが、希望とする日前後は全く空きがない。


そりゃそうだ、ミラノのホテルがいっぱいのときに、最後の晩餐の予約だけができるはずがない。



困ったなと思い、更に調べると、教会のホームページで予約できる数はわずかのようで、


そこでできなくても、その他に予約できる方法があるらしい。


というわけで 「最後の晩餐 予約」 でググッたスポンサーリンク、Weekend a firenze  にいってみた。


このサイトにいったときの罠は 「最後の晩餐 予約」 で探したはずなのに、


どこにも最後の晩餐の予約ができるところが見つからないところである。


フィレンツェの週末と名乗るだけあって、フィレンツェの美術館等しか見当たらない。



ふとページ右の our associates のバーに目をやると、


フィレンツェの美術館以外の予約できるサイトのバナーが並んでいる。


でもやはり最後の晩餐なはい。


とりあえずページの更新をしてみる。


するとさっきまでとは異なるサイトのバナーが表示される。


これはと思い、何度か更新を繰り返すうちに、ついに最後の晩餐ぽいバナーが表示された。



そのリンクの先は、Milan Museum Reservation というサイト。


どうやらここで最後の晩餐の予約ができそうだ。


しかし、最初からこっちに連れてきてくれたらいいのに、と思った。



とにかく予約フォームに希望日などをいれていく。



オーディオガイド/いらない


日にち/2008年4月23日


時間/10:30


チケット枚数/おとな2枚


すると、


入場料16ユーロ


予約料13.96ユーロ


になるらしい。


予約料高いな。


とりあえず、これで予約。


記入したメールアドレスに予約確認のメールがきて、その後予約ナンバーのメールが届くらしい。


支払いはクレジットカードである。



まずは一安心と、アドレスを記入したメールボックスを見てみると、


早速予約確認のメールがきていた。



メールはウィークエンドフィレンツェからきている。


つまりは最初に行ったページと運営は同じということか。


ウィークエンドフィレンツェのマリアさんからのメールの内容は、


予約内容の確認と、確定のメールが2、3日で届くから待ってろというものである。



が、予約内容の中身を見て愕然とした。


23日に希望していたはずが、24日になっているではないか。


24日は帰国日で、お昼には空港にいなくちゃいけない。


これはいかんという事で、さっきの予約サイトに行ってみるも、


ログインして表示される予約日は、24日になっている。


ちなみにお客様の都合で予定を変更するには、6ユーロの追加料金が必要で、


そのためにファックスで変更希望日とクレジット番号を送れとなっている。



予約を23日か22日に変えて欲しいが、これはお客様の都合での変更なのか。


予約日を入れるときに間違えた可能性もあるが、何度も確かめた。きっと23といれたはずだ。


しかし、今となってはその証拠はない。



とにかく一応、予約を希望した日と届いたメールに記載された日が違っており、


最後の晩餐には4月23日に行きたいんだという旨を、


メールの返信先に送ってみた。




先のメールをくれたマリアさんからの返事が来た。


メールのタイトルは、


『あなたは最後の晩餐に行くことができません』


-あなたの希望する日は売り切れです。


-24日の予約は取り消して、支払いも発生しないようにしました。




「行くことができません」ですか。


そんなにはっきり言われると、ぐうのねもでない。


それでも、ちゃんと支払い発生も止めてくれ、すばやい対応には喝采である。




しかたないほかの方法を探すか。


最後の晩餐への道のりは、スタートラインに戻ってしまった。