普及員 | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 水産の技術を指導する「水産業普及指導員」という資格があります

 ほとんどは県の水産部門の職員の方が資格を取られてます

 

 私が子供の頃の普及員さんは田老に駐在して、漁師と同じような生活をしながら技術普及に努められておりました

 もう地域の一員になって、漁師と家族ぐるみのおつきあいという感じ

 この頃の普及員さんは、漁師と一緒に沖に出て、調査を行い、作業を一緒に行っていたので、漁師の生活の大変さとか、海の状況とか、漁獲物の状況とか漁師と同じレベルでご存じでした

 普段一緒に酒を飲んで話をしてるので、漁師はなにか問題や疑問があれば、朝晩関係なく普及員さんに相談し、普及員さんも嫌な顔をすることなく応じるというような関係

 あの当時は学校の先生もそうでしたね

 教員住宅に住んで、地域の一員でした 

 

 

 交通の便が良くなるに従って駐在することはなくなり、市内の事務所から時折車でやってくるようになりましたが

 そうなるとどうしても漁師との距離は離れます

 車で帰るから一緒に飲むこともなく、なかなか仲良くなれませんし

 県職員の転勤のサイクルも短くなり、漁業者が普及員との顔と名前を覚える前に転勤するので、普及員に相談することもなくなり

 

 なんだか年を追うごとにその距離は離れていくような気がします

 

 

 それでもたまに現場に来るうちはまだよかったんですが

 

 最近は漁協へメールが来て

 高水温で海産物に影響はあるか?

 などという設問があって

 海産物ごとに影響があるかどうか○か×をつけて返信してください

 とか

 

 自分で現状を見ることもなく

 漁業者からも漁協の職員からも話を聞くこともなく

 漁協が付けた○×印をそのまま上に報告するんでしょうね?

 

 まあ、その方法なら何かトラブルがあっても

 「漁協からそのように報告がありましたから」

 って自分の責任は問われないんでしょうし

 オフィスの机にいて終わっちゃうし

 時間もかからないんでタイパ抜群

 効率的ですよ、ええ

 Z世代にはぴったりかもしれません

 

 でもねえ・・・・

 現状を知らない技術者が漁業者に一体何の指導をできるっていうんでしょう?

 

 たとえば

 今後高水温が懸念されるのでワカメの採苗はできるだけ早く行ってください

 と指導されたんです

 

 確かにおっしゃるとおりです

 が

 田老町漁協はもう30年以上も

 ワカメの採苗は早すぎてはダメ

 と養殖漁業者に言い続けてきました

 それはスジメ(ゾウガ)があるからです

 スジメは形こそコンブに似てますけど、ワカメと近い種類で種苗のうちはワカメと区別が付きません

 それでワカメより成長が早いので、ワカメの種糸にスジメが付いてしまうと、スジメの成長が勝り、種糸が全部スジメになってしまうんです

 スジメはワカメより低い水温帯で種を放出するので、スジメが種を出し切って枯れてからワカメの採苗を実施しましょう

 というのが田老町漁協として漁業者に伝えてきた意味です

 

 スジメの生息していない海域なら

 ワカメはできるだけ早く採苗で正解かもしれません

 でも、場所が違えば答えも変わるので、現場に行って状況を把握してから話さないと

 海には様々なファクターが存在するので、ワカメのことだけを考えては問題が起きます

 

 

 「早く種付けすれば早く収穫でぎっぺ」

 「いや、そうじゃねえんだでば、ワカメは水温が高くなれば休眠すっから、遅く付けても結果は同じ。」

 「そうだとしたって別に早く付けでも問題ねえべ」

 「水温が低くてソウガ(スジメ)が種を出してっとワカメの種がやられる可能性があんだでば」

 「本当にが?」

 「ほんとだでば」

 時間を掛けて話さないとなかなか伝わらないんですよ

 

 漁業者は知らない人とはなかなか話してくれませんしね

 しっかり時間を掛けないと信頼関係を構築できません

 

 

 海の環境はこれまでに経験したことのない変化を見せています

 ワカメにしろコンブにしろアワビにしろ、今までのような海任せにはできなくなるでしょう

 今後、陸上の施設を上手く活用していかなければ成り立たなくなるんじゃないでしょうかね

 その時、誰が漁業者に技術を普及するのか?

 

 大学の先生や数名の技術者が広い岩手県を全てカバーできるはずもなく

 結局は普及員さんしかいないんだから

 どうか

 もっと海に来て

 現状を見て、漁業者と直接話してください

 

 県の方でも普及員がもっと現場に行けるような環境作りを

 どうぞよろしくお願いします

 

 

 

 

 

 北朝鮮が韓国に汚物風船を飛ばしたってニュースになってますけど

 一体何がしたいんですかね?

 韓国の人たちはえらい迷惑でしょうけど

 子供じみててちょっと笑える

 

 いや、まてよ

 汚物になんからのウイルスが含まれてたら・・・

 コロナとか鳥インフルエンザとか豚コレラとか

 意図的にやってたとすれば、もはやテロだな

 

 あの・・・・北朝鮮から大きめの風船を飛ばすと日本まで・・・来ますよね

 第二次世界大戦中は日本から風船爆弾を飛ばしてアメリカ本土に落とそうとしてたぐらいだから、北朝鮮から日本なんてすぐそこでしょう

 ロケットと違って、低コストで知らないうちに確実にダメージを与えられそうです

 

 岩手で発生した豚熱って・・・・

 まさかね(汗)

 


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