来年が来るのが恐ろしい
岩手の海に深刻な負の連鎖がやってくる
んじゃないだろうか
そう思いました
今日、県北へコンブの母藻を受け取りに行ってきたんです
明日採苗する予定で準備をして
ところが、受け取ったコンブを見て呆然
コンブが遊走子を放出するための「子嚢班」(しのうはん)と呼ばれる器官ができてるコンブが1本しかありませんでした
田老のコンブは1年性のマコンブですが、岩手県北のコンブは2年性
2年生きてるので、1年の田老のコンブより成熟が早いんです
これまで30年近く岩手県北のコンブを母藻に使用してますけど、9月の中旬になればほとんど全てのコンブが成熟して子嚢班が出ていたものです
それが、今年は1本
あまりにも海水温が高すぎて成熟が遅れているんだと思います
これから海水温が低下してくれば成熟するんでしょうけど、20℃を切るのはいつになることやら・・・・
成熟はしなくても老化は進んでいるでしょう
コンブが老化してくると岩に張り付く力が弱くなって
シケが来ると抜けて流失します
磯場を見るとコンブがそれほど繁茂してるようには見えないのに、砂浜に流れ着くコンブの量は多いので
けっこうな割合で抜けているんだと思います
成熟してなくて
コンブが種を出さないうちに流失してしまったら
来年、コンブの芽は出てきません
残ったコンブが種を出したとしても
芽を出す時期がだいぶ遅れる
これまで水温が低くてウニが活動しない時期に芽を出してたものが
水温が高くなってウニの活性が上がった頃に芽を出すと
あっという間に食べられて無くなる
岩手のコンブは絶滅してしまうんじゃないだろうか・・・・
コンブがなくなったらアワビの食べるものも無くなって
最悪のスパイラルに落ち込んでしまいそうな気がして
今年に関しては、コンブを閉鎖循環水槽に入れて強制的に成熟させて採苗しますので、時期は遅れるものの養殖用コンブ種苗を提供できると思うんですが、来年はたして親となるコンブを確保できるんだろうか・・・