ワカメ・コンブの養殖施設はロープに結ばれたアンカーで固定されています
台風や低気圧のシケ、急な潮流でこのロープが切れることがあるんですが
アンカーを止めているロープが一カ所切れると他の部分に変な力が加わってしまうので、下手をすると施設全体が壊れてしまいます
アンカーロープの状態を把握できれば
切れる可能性がありそうならロープかアンカーを交換するとかできるんですけど
このアンカーは水深30m~60mぐらいの所にあるので、どんな状態かは解りません
水中を自走できるロボットカメラを持ってる業者はあるんですけど、なにしろ大きいので、大型船に乗せてクレーンで上げ下げしてと大がかりな作業になってしまいます
当然、費用もお高い
ある大学が水中ドローンを漁業に活用する研究を行っているとのことで
養殖施設のアンカーを撮影できないか相談してみました
「けっこう重いので、できればクレーンがある船がいいんですけど」
「重さはどのぐらいですか?」
「25㎏ぐらい」
「そのぐらいなら、漁師はどうにかすると思いますけど」
「えー、重いですよ。私はあげれません」
「漁師だもの。じゃ、実物を見せてもらえません」
っていうことで、実物を見せてもらいました
漁業者にも立ち会ってもらって
「など?」(どうですかの意)
「だいちょうぶだがね。などがなる」(大丈夫、どうにかなる)
小回りがきく和船で試験をしてみることになりました
このドローンが水中で撮った画像を見せてもらいました
「おー、ホヤがいだがね」(ホヤがいますね)
「えっ?ホヤですか?いますか?」
「ほら、こごさ」(ほら、ここに)
「え?どれですか?」
「ほら、これ、おめさんホヤ見だごどがねえのすか?」(これですよ。貴方ホヤ見たことないんですか?」
「あ!、上の部分を見れば、そうですね、ホヤですね。あー気がつかなかったあ」