クニマス | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 クニマス

 世界中で田沢湖にしか生息しない固有種

 国の政策で酸性水を湖に引き込んだことにより絶滅させてしまった悲劇の魚

 

 絶滅したはずのクニマスが

 山梨県の湖に僅かに生息していたというドラマチックなニュースが聞こえてきたのは数年前

 

 絶滅したはずのクニマスをタレントが発見した

 みたいなことになっちゃってますが

 むろんそんなはずもなく

 研究者の長年の努力で確認されたようです

 

 発見されたんだもの

 採卵して、稚魚を育てて

 飼育池でたくさん飼育されてるんだろうな

 

 田沢湖ではクニマスの塩焼き

 なんて売られてたりして

 

 って思ったんです

 

 1尾が千粒近くの卵を持ってるでしょうから

 成熟を始めてる魚を生きた状態で捕れれば

 池で飼育して

 成熟させて

 採卵すれば

 メスが10尾で1万粒近く

 そのうち半分が生き残ったって5千尾

 それを親に仕立てて採卵すれば

 数万尾に増やせる

 

 

 でも、クニマスのことが書かれた本を読んでましたら

 そうでもないらしい

 

 生残率が極端に悪くて大量飼育には至ってないみたい

 

 原因は水温

 日本最深である田沢湖の湖底に生息していたクニマスはものすごく低い水温帯でないとうまく育たないとか

 

 

 

 

 閉鎖循環水槽なら、いくらでも水温を下げられるな・・・

 

 悪い虫がうずき出しました

 

 以前、サケ稚魚の成長を促進するために

 閉鎖循環方式でサケの卵を発眼まで管理したことがあります

 発眼率は驚異の96%(←けっこう凄いんです)

 その時は水温を上げましたけど、逆に下げることもできます

 水温を自在にコントロールできるのが閉鎖循環方式の最大の強みですから

 

 

 私、20才ぐらいの頃、クニマスにごく近い種類のヒメマスを飼育していた事があります

 私の上司がヒメマスの1+採卵を行う試験をしまして

 その魚の飼育を任されていたんですね

 「早く成熟させるために、とにかく大きく育ててくれ」

 って

 

 すごく臆病な魚で大分苦労しましたが 

 結果的にはヒメマスの1+採卵に成功したんです

 僅か8尾ぐらいでしたけど

 ニッチすぎて誰にも解ってもらえないでしょうが

 快挙

 だったんです

 

 

 

 

 クニマスを成熟させて採卵して

 ある程度の数を飼育池で育てられれば

 少なくとも種の絶滅は避けられるんじゃなかろか

 

 

 陸上水槽で飼育する技術を確立させれば

 いつか、田沢湖の環境が元に戻るまで

 田沢湖周辺でクニマスを継代して飼えるんじゃなかろか

 水質が改善したらクニマスの稚魚を田沢湖に放流して

 再びクニマスが田沢湖の湖底で再生産を始めるんじゃないだろうか

 

 

 去年はサケの卵が不足して

 秋田県からサケの卵を無償で提供していただきましたから

 私がクニマス稚魚を生産して、お返しするってのはどうだろう

 なんて思ってしまったんですね(バカなので)

 

 田沢湖があるのは仙北市

 (去年サケの卵をいただいたのって仙北市だよな)

 宮古市は交流があるはず

 

 水産課に電話して

 「田沢湖からクニマスの卵もらえませんかね。ちょっとでいいんで。オレが孵化してお返しします」

 「はあ?クニマス?」

 「田沢湖の絶滅した魚。お役に立てそうな気がするので。サケの卵いただいたのって仙北市でしたよね」

 「違う!大仙市」

 「大仙・・・・・あっ(汗)仙違い」

 大仙市の皆様、大変申し訳ございません

 その節は大変お世話になりまして、本当にありがとうございました

 私の凡庸な頭は仙の印象ばかりがありまして

 

 

 

 もし、クニマス生残に水温が重要なファクターであるとするならば

 水温をコントロールできない屋外水槽では困難

 ってか無理

 温度を自在にコントロールできる閉鎖循環なら可能性があるかも

 

 

 絶滅の危険性がある種を守ることにお手伝いできれば

 

 誰か私にチャンスと時間をくれないだろうか

 

 


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