はらこ | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 田老周辺ではイクラのことを「はらこ」と言います

 私が子供の頃はサケは滅多に獲れない高級魚でして、正月と「はつかごう」に食べるぐらい

 もちろん「はらこ」も高級品で滅多にお目にかかれませんでした

 

 当時、私の親父は定置網の大謀(責任者みたいな感じですかね)だったんですが、それでもサケを食べられるのは正月と「はつかごう」ぐらいでしたからいかに貴重だったかご想像いただけるかと

 

 親父はお盆過ぎから1月末までの漁期中ずっと番屋に泊まり込んで、その間、家に泊まるのって1月1日の夜ぐらいでした

 大晦日は必ず番屋に泊まり込んで元旦の朝、大漁を祈願するので

 

 

 大晦日の午後には親父がサケとはらこを家に持って来るんですが、そのはらこが美味しくてね

 

 今50代。これまで色んな場所ではらこを食べましたけど、親父が持って来るのより美味い「はらこ」に出会ったことはありません

 

 まあ、昔の記憶がそうさせてるのかもしれませんけど

 子供の頃大好きだった駄菓子を見つけて、食べてみると全然美味しくなかったりとか

 

 でも、はらこに関してはおそらく間違いないと思うんですね

 番屋で「かしぎ」さんが作るワイルドなレシピ

 高級なお寿司屋さんのほんのり甘い「イクラ」じゃなくて

 ガツンとパンチの効いた「はらこ」

 どんぶり飯の上にドサッと載せてガーッと掻き込む「はらこ」

 

 あの味を再現したくて毎年試行錯誤を重ねるんですけど、なかなかたどりつけません

 

 当時の定置の乗組員さんにどうやってたのか聞いても

 「酒と醤油をかけて混ざるだけだ」

 ぐらいで、分量とか割合とか浸ける時間は要領を得ません

 

 なんていう銘柄の酒と醤油なのかも謎

 

 当時は吟醸酒とか上選とかなかったはず

 おそらく二級酒と呼ばれる安い酒を使ってたんだと思うんですが

 パンチが効いた味は二級酒だったのかな?

 

 

 今年はサケが高くて手が出なかったんですが、甥っ子や姪っ子のために勇気を振り絞って買いました(笑)

 

 で、今年も番屋の「はらこ」目指してチャレンジ

 材料

 はらこ

 日本酒 パックの安っすいヤツ

 醤 油  キッコーキ(これまで色んな会社のを試したんですが、某老舗食堂のおかみさんがこれを使ってるって言うんで今年はこれにしてみました)

 

 とりあえず、海水程度の塩分で2~3回洗浄

 水を切ります

 

 日本酒で洗います

 

 日本酒と醤油1対1。それ以外の物は入れません(キッパリ)

 で1時間

 さてさて・・・

 不味くはないです

 いや、どっちかって言えば美味いです

 なにしろ素材も鮮度も抜群なので、寿司屋とか料亭で出されるのより美味いと思います(あくまで主観です:笑)

 けど、番屋のとは違うなあ

 もっとこうパンチがあったんだよなあ・・・・

 何が違うんだろ?

 

 当時のはらこはもっとパンパンに張ってたような気が・・・

 吸水させてたか?

 もしかして酒に漬けてから?

 試したいけどはらこがありましぇん 


 

  


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