百恵が歌で演じた女たちは「ひと夏の経験」でしたが、その中で、「この曲は実はデビュー初期から準備されていた楽曲で、元のタイトルは「甘い誘惑」であった」とあります。
川瀬さん著の「プレイバック 制作ディレクター 回想記」の「ひと夏の経験」のところには次のように書かれています。
74年10月「山口百恵ソングブック」のインタビューページには、酒井氏、僕、百恵の対談風のインタビュー記事が載っており、その中に、
百恵：「ひと夏の経験」は再ダビングをしまして・・・・・。
酒井：この曲はデビューして間もないころ、すでにできあがっていたんだよね。
百恵：ええ。そのとき“甘い誘惑”というタイトルだったんですが、いま酒井さんがおっしゃったように、大切に大切にとっておきまして、6月1日に発売されました。
という文章が掲載されている。
後に、この曲について百恵と話をしたときにも、スタッフが忘れていたこの曲を、百恵が「あの曲はどうしたんですか？」と聞いたことで、この曲の存在を思い出した。ということだった。もしそうだとすると、僕の参加以前にこの「ひと夏の経験」という曲はできあがっていたことになる。
川瀬さんが百恵さん担当になったのは「禁じられた遊び」からで、川瀬さんがこの曲のレコーディングの記憶がないということになれば、それ以前で、デビュー曲の時じゃないでしょうから、「青い果実」の時、つまり「青い性路線」のスタートの中の1曲として提供され、レコーディングしていたことになります。
もちろんレコード化はされず、音源はたぶんテープで保存されていたんでしょうね。なぜシングルが「青い果実」で、ＬＰ「青い果実・禁じられた遊び」にも収録されなかったのでしょう？
私は思いました。いきなり刺激が強すぎるから「♪あなたが望むなら 私何をされてもいいわ」で止めておいて、次の機会に「♪あなたに女の子の一番 大切なものをあげるわ」と考えたのではないでしょうか。
この作戦は見事に当たりましたが、百恵さんも自分から言い出したってことは嫌いじゃなかったってことですね(^O^)
曲は今日はスタッフが第1弾と考えた73年9月「青い果実」をどうぞ。当時の声ということでスタジオ盤で。「♪あなたが望むなら」は合唱みたい(^O^)
★青い果実★
これはソングブックに載った写真ですね。この時は眉が細かった！
