12冊目:6
梨
2025/09/09
★ひとことまとめ★
輪廻転生の真実
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
――「だってもう、怖くてさ、地獄に落ちるのが」
新進気鋭のホラー作家・梨が描く、地獄絵図。
この本を読み終えても、恐怖は終わらない。
とあるデパートの「屋上遊園地」。峠道に存在した石塔。23分45秒の動画記録。種苗育成のためのガイドライン。幽霊の死体。エレベーターに響く声。
まるで、覗き絡繰のように次々と雪崩れ込む6つの話は、人間が最も根源的に恐れる「死への恐怖」を呼び起こす。
【感想】
恐怖心展に行って、なんとなく梨さんが気になって読みました
読み終わって私は気付きました。
自分は読書ではあまり頭を使いたくないということに…
スッと入ってきて、わかりやすい話が好きなんです。あまり考察がしたくない。
仕事ではあれこれ調べるの好きなのですが、プライベート、特に読書は私の中ではリラックス行為なので疲れることしたくない。
梨さんの作品は怖くてホラー小説として好きですが、難しいんです。
良く言えば、考察しがいがある。
悪い言い方をすると、バカにわからない。
私はバカ側なので、「なんでこんな回りくどく言うの?」って感じたり、「タイトルの意味って?」「団体の名前の意味って?」って思うだけで調べないんです。
もちろんそれでも十分作品は楽しめたんですけど、それじゃ梨さんの込めた意味とか梨さんらしさが理解できない(と思っている)んですよねえ〜。
だって、「ROOFy」が睡眠導入剤の「フルニトラゼパム」の俗称とか、「FIVE by five」が「通信がうまくいっていることを伝えるときの表現」とか、「FOURierists」がフーリエ主義者とか、「Phalanstère」がフーリエが設計したユートピアコミュニティとか……わからん!!!!
いや、
よく数字の6までの英語とこれらを関連付けたなと。すごいな(語彙力)と感じるんですよ。
なんですけど、インテリジェンス過ぎてバカにはわからないんだ〜
考察サイトを見て、「なぁるほどねぇ〜すけぇや…」ってなってる。(結局調べてるという。)
まず、タイトルの6は、六道から来ています。
六道とは、仏教において衆生(生きとし生けるもの)が、生前の行い(業)の結果によって輪廻転生する6つの世界のこと。
そして、その6つの世界「天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道」が各話に対応している。
↑のwikiのリンク見ればわかるけど、天道なんてまさにお話(ROOFy)そのまんまだよね〜。
仏教に詳しくないので、なんとなく天道="天国"と思っていたんですが、天国はキリスト教の考え方(言い方?)なんですね。
天国はそこがゴールで、この世が終わらない限り天国で暮らせる(らしい)
じゃあ似たような"極楽浄土"とは何なんだ?と調べたら、六道を抜け出した先が極楽浄土のよう。ようは悟りの境地(解脱)にいくと、極楽浄土に行けるってことか〜
ほーんと浅学なので、調べるのが大変だ〜
天道はずっと楽しい場所だと思っていたなぁ。
でも、迷いの世界の一つでしかないから、いつか終わりが来るし次どこに生まれ変わるかもわからない。しかも天道を離れるときの"天人五衰"は、いままでが楽しかった分地獄以上の苦しみを感じるみたい
一番いい場所と思っていた天道さえもそうなら、そりゃー六道からどうにか抜け出したいとも思うかもしれない。
みんな、どうにかして解脱しようとあれやこれや頑張ってるんだね。
すごいよね、お賽銭とか良いことしても解脱できないから、逆に悪いことして罰当たりなことして神の怒りをかったらどうだろうって思ったり、幽霊として生前の死に様を繰り返すんじゃなくて、幽霊として新しく自殺したり。
でも結局、その先には幸福も安らぎもない。解脱や極楽浄土なんて、人間が都合よく考えただけのものなんですよ、って突きつけられる。しんど~い
色々と、ROOFyは誰視点なんだ?とか、ナレーションの女性、エレベーターガールは誰なんだ?とか謎は残りますが、詳しい考察している方のサイトを見るとなるほどね〜と腹落ちしました
考察ブログとか書いている方尊敬するよ
THREE times three(畜生道)なんて、ほんとマルチのマニュアルに使えそうだよね
こういうマニュアル読みまくって、どうしたら人を勧誘できるかを徹底的に頭に叩き込んだ人に誘われたら、素人はのっちゃうよねぇ。
最後のページはギョッとしたけど、まあ都合よく畜生様が来るとは限らないわな。よくわからないやつが来ちゃう可能性大アリだもんね。



