2冊目:敬語の正しい使い方 会話やメールで恥をかかない
鈴木昭夫
2025/05/03
★ひとことまとめ★
なんとなく敬語から、ちゃんとした敬語へ
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
「温かいピザ、お持ち帰りできます」「では候補者からご挨拶をいただきます」──どちらも敬語の使い方が間違っています。本書は、文化庁の『敬語の指針』にもとづき、様々な日常生活、仕事の場面でどのように尊敬語、謙譲語を使い分ければよいかを分かりやすく、数多くの実例をあげて説明しています。この本で敬語の使い方に必ず自信がつきます!
【感想】
全然ブログを書かないまま気づいたら5月になっていました
2024年は37冊目まで読みましたが、ブログは一向に書けていません
2025年も1冊別の本を読んでいますが同じく一向にブログを書けていないので、先にこちらから投稿…
いつになったら投稿できるのか… ゆるーく頑張ろう…。
最近読書欲が出てきたので、ゆるーく読んでゆるーく書いてをまたやっていきたいです
そして、今回読んだのは敬語の本。
日常でも仕事でも毎日敬語は使っていますが、
「これって二重敬語?」「いまの表現であっていた?」と思うこともしばしばあるので、
改めて敬語を学びなおそうと思い読みました
本書の巻末にも書いてありましたが、世の中間違った敬語であふれていますね!
NG表現、見聞きしたことあるな~と思いながら読んでいました
以下、メモ
■食べるー召し上がる・あがるーいただく・頂戴する
・「あがる」は経緯が」低いので「お」をつけて「おあがり」として使うのが一般的
・「お召し上がる」はOK
「お召し上がり」は形は二重敬語だが、古来違和感なく使われているのでOK
■行くーいらっしゃる・おいでになる・お越しになるー伺う・参る
・「行く+れる」の形の「行かれる」という尊敬語もあるが、お客様や上司には「いらっしゃる」か「おいでになる」を使うのが好ましい。
■来るーいらっしゃる・おいでになる・お越しになる・お見えになる・見えるー伺う・参る
・「伺う・参る」を相手に使うのはNG。「部長も一緒に参りましょう」と言う場合もNG。部長にも「参る」が及んでしまうため。「お供します」のような言い換えが必要。
・「伺う」は伺う先(伺った先)の人物に敬意を示す。「参る」は「聞き手」に敬意を示す。
(例)「叔父の家に伺いました」→叔父に敬意を示しているのでNG。正しくは「叔父の家に参りました」。
・「参る」は聞き手に敬意を示す謙譲語なので、別名「丁重語」ともよばれている。
自然現象や一般的な社会現象などに使うのはOK。
(例)「電車が参ります」「上へ参ります」
・「来る+られる」の形の「来られる」という尊敬語もあるが、「いらっしゃる」「おいでになる」「お見えになる」のほうが敬意が高い。
■いるーいらっしゃる・おいでになるーおる
・「おる」を相手に使うのはNG
・「おる」は謙譲語なので「れる」を付けて「おられる」としても尊敬語にはならないはず。しかし、古くから西日本では「おられる」を尊敬語として使っており、現在では全国的に違和感なく尊敬語として使われている。
そのため、「いらっしゃる」「おいでになる」を使うまでもない場面では、「おられる」を使用してOK。
(例)「大勢の方が並んでおられました」「観光客は風情を楽しんでおられます」
・「おる」は聞き手に敬意を示す謙譲語なので、別名「丁重語」ともよばれている。
自然現象や一般的な社会現象などに使うのはOK。
(例)「雪が降っております」「買い物客でにぎわっております」
■言うーおっしゃるー申し上げる
・「おっしゃる」と「言われる」を混ぜ合わせた「おっしゃられる」という言い方は、二重敬語のためNG。「おっしゃった」か「言われた」の片方を使えばいい。
■持っていく・持って来るーご持参になるー持参する
・相手に「持参する」を使わない。「持参してください」ではなく「ご持参ください」もしくは「お持ちください」、「ご提示ください」、「ご用意ください」、「ご準備ください」などを使う。
・謙譲語の「持参(する)」に「ご」を付けた「ご持参」を尊敬語として使うことに疑問があるかもしれないが、違和感なく定着しているので間違いではない。
■するーなさるーいたす
・「いたす」は謙譲語なので自分に使うのが基本。「お支払いはカードと現金、どちらにいたしますか」のように相手に使う間違いが多いので注意が必要。
正しくは「どちらになさいますか」。
自分がすることは「いたす」、相手がすることは「なさる」
・「いたす」は聞き手に敬意を示す謙譲語なので、別名「丁重語」ともよばれている。
自然現象や一般的な社会現象などに使うのはOK。
(例)「関東地方を通過いたします」「無事に終了いたしました」
■くれるーくださるーいただく
・「いただく」は謙譲語なので自分に使うのが基本。「どなたからいただいたのですか」「受付でいただいてください」のように相手に使う間違いが多いので注意が必要。
「お受け取りください」「どなたからのプレゼントですか」のようにその内容に適した言い方をする必要がある。
■着る・年をとる・風邪をひく・気に入るなどー召す
・「召す」には「ものごとの状態などを受け入れる」という意味がある。その由来で「着る・年をとる・風邪をひく・気に入る」などの尊敬語として使われるようになった。
・「年をとっても」→「お年を召しても」、「風邪をひかないように」→「風邪など召しませんように」、「気に入った」→「お気に召した」など。
■死ぬーお亡くなりになる・逝去ー(無し)
・「死ぬ」には謙譲語がないので身内の死については「死にました」と言うしかないが、それではあまりにも直接的なので「死ぬ」の婉曲表現である「亡くなる」というのが一般的。
ただし、「亡くなる」にも尊敬語の要素が含まれているので身内の年少者には使わないのがよいとされている。
・「亡くす」は「死なれて失う」という意味。「亡くす」は普通語なので、身内の年少者にも年長者にも使うことができる。
■「です」「ます」「ございます」
・言い方の終わりの部分に「です」「ます」「ございます」を付けると相手に対する言い方が丁寧になるので、この3語を「丁寧語」と言う。
・相手からの賞賛などを謙遜して打ち消す際に「とんでもございません」「とんでもありません」と言っても差し支えない。
「とんでもないことでございます」だと、「あなたが(私を)褒めたことは、とんでもないことである」という意味に受け取られる懸念がある。
・「ございます」は「聞き手」に敬意を示す丁寧語。「次の停車駅は東京駅でございます」というアナウンスの場合、東京駅に敬意を示しているのではなく、聞き手(乗客)に敬意を示している。
人を紹介する場合には身内(肉親・社内の人物)には「ございます」を使い、相手方の人には尊敬語の「いらっしゃる」を使う。
■美化語
・尊敬語でもなく、謙譲語でもなく、丁寧語でもなく、ただ単に「言葉を美化して述べているだけの語」を美化語と呼ぶ。
・「お酒は百薬の長なんだよ」と述べる場合の「お酒」は、尊敬語の「お名前」などと違って、<行為者>や<所有者>に敬意を示すものではない。
また、謙譲語である「(敬意を示す人物への)お手紙」などとも違って、<向かう先>に敬意を示すものでもない。さらに、丁寧語とも違って、<聞き手>に低調に述べている、というものでもない。
すなわち、「酒」という言い方と比較して、「ものごとを美化して述べているだけ」である。そのため、美化語である。
・「先生からお手紙をもらった」→この場合の「お手紙」は先生が書いたものなので尊敬語。
・「先生にお手紙を書いた」→この「お手紙」は自分(私)が書いたものなので謙譲語。
・「お手紙なんて最近書いたことないよ」→この「お手紙」は、手紙という言葉を単に美化して言っただけなので、美化語。
■相手に好印象を与える言い方の例
・相当に上位の人から褒められたとき→「いいえ、滅相もないことです」「お言葉を胸に今後も精進いたします」
・相手の力量などを褒めるとき→「敏腕と言う言葉がぴったりですね」「さすが、お心遣いが違いますね」
・気を使ってもらわなくてもいいとき→「お気遣いは無用に願います」「お気遣いには及びません」
・自分のいたらなさを詫びるとき→「私の不徳の致すところでございます」
■改まり語
敬語そのものではないが相手に改まった感じを与える言葉のことを「改まり語」と呼ぶ。
・すぐに→直ちに
・いくら→いかほど
・どう→いかが
・どれくらい→いかばかり
・あした→明日(みょうにち)
・あさって→明後日(みょうごにち)
・ことし→本年 など
■尊敬語の語系
①「お(ご)~です。」
(例)「社長がお帰りです」「お泊りのお客様が、ご到着です」
②「お(ご)~になる」
(例)「各自でお持ちになってください」「何かご質問になりたいことはありませんか」
③「お(ご)~になれる」
(例)「お乗り換えになれます」「24時間ご利用になれます」
謙譲語の「お(ご)~できる」と混同した間違いが多い。
×「温かいピザ、お持ち帰りできます」→〇「~お持ち帰りになれます」また「お持ち帰りいただけます」のような言い方もOK
×「このトイレはご使用できません」→〇「~ご使用になれません」また「ご使用いただけません」のような言い方もOK
×「75歳までご加入できます」→〇「~ご加入になれます」また「ご加入いただけます」のような言い方もOK
これらの場合、「持ち帰る」のも「使用する」のも「加入する」のも「お客様」なので、お客様には「お(ご)~になれる」を使わなければならない。
※「ご使用『は』できません」のように、間に「は」を入れて語形を破壊することで「できる」も使えるが、誤解される懸念もあるので使わないほうが吉。
④「お(ご)~になさる」
(例)「ご両親がお喜びなさることでしょう」「理事長がご説明なさるそうです」
⑤「お(ご)~になさい」
(例)「そのような下品なことはおやめなさい」「なぜこうなったのか、ご説明なさい」
⑥「お(ご)~にくださる」
(例)「紹介状をお書きくださるそうです」「ご援助くださって感謝です」
■謙譲語
・謙譲語を作る漢字
幣、粗、拙、愚、小、寸、拝→弊社、粗品、拙著、小社、寸志、拝見 など
・ども、め、ら、儀→私共、せがれめ、私ら、私儀 など
「ら」は単なる複数を表す意味だったり、「お前ら」のような使い方は見下す意味も含まれているので、使う場合には注意が必要。
■やるーおあげになるー差し上げる、あげる
「あげる」は<あげる先の人物>に敬意を示す謙譲語なので、「植木に水をあげる」「金魚にエサをあげる」はNG。
ただしくは「水をやる」「エサをやる」。最近このような間違えた使い方が増えているので注意が必要。
■会うーお会いになるーお目にかかる、お会いする
謙譲語の「お会いする」と尊敬語の「お会いになる」は間違いやすい。「するは謙譲語、なるは尊敬語」と覚える。
■もらうーおもらいになるー頂戴する、いただく
・「おもらいになる」はあまり使われていないので、「お受け取りになった」など別の表現をするのがよい。
・「いただく」は<いただく先の人物>に敬意を示す謙譲語なので、身内に使うのはNG。「もらう」を使う。
・「いただく」は<いただく先の人物>に敬意を示す謙譲語なので、その人物が「ウチ」か「ソト」かによってNGにもOKにもなる。
社員だけの忘年会で、司会者が「社長からご挨拶をいただきます」と言うのは、社長を立てる謙譲語なのでOK。
社外の人が多い場合には、<向かう先>の人たちを立てる謙譲語である「申し上げる」を使い、「社長からご挨拶を申し上げます」を使う。
選挙の街頭演説の場合は、有権者の前で候補者(身内)が挨拶をするので、「候補者からご挨拶を申し上げます」となる。
■させていただく
相手の同意(許可)を得て、「私が(そのように)させてもらう」という意味の謙譲語。
そのため使うには次の2つの条件が必要になる。
①相手の許可(同意)を受けて行う
②そのことで、自分が恩恵を受ける
(例)「体調が悪そうだね、今日は早く帰って休みなさい(許可)」「では、お言葉に甘えてそうさせていただきます(恩恵)」
また、「自分の行為を丁寧に言う」という場合も正しい使い方である。
(例)「私から一言、お祝いの言葉を述べさせていただきます」
完全に自分の自由意思で行ってよい事柄にまで「させていただく」を使うのは好ましくない。
(例)「結婚させていただきました」
■「いただく」と「くださる」
一般的には自分が選んだことに、相手に応じてもらう場合には「いただく」を使い、相手が自発的に何かをしてくれた場合には「くださる」と使うのが好ましい。
(例)〇「当店をご利用くださいまして、ありがとうございます。」→競合店がある中で、お客様が自発的に自分の店を「選んでくれた」ことに感謝している尊敬表現。
△「当店をご利用いただきまして、ありがとうございます。」→ほかにも競合店がある中で、お客様の自発的な意思で自分の店を「選んでもらった」ことに感謝している謙譲表現。
→自発的に「選んでくれた」ことに感謝するのであれば、「くださいまして」のほうが好ましい。
■「申し上げる」と「申す」(「言う」の謙譲語)
・聞き手に敬意を示す場合は「申す」、その先に敬意を示す場合は「申し上げる」を使う。
(例)「(客先で)社に戻って部長に申し上げます」はNG、部長に敬意を示したことになる。正しくは「部長に申します」。
・「申す」「申し上げる」の経緯が同じ人物に向かう場合は、より敬意の高い「申し上げる」を使用する。
(例)「(聞き手・部長)部長に申し上げた通りです。」→聞き手も、申し上げた先の人物もどちらも部長なので「申し上げた」を使用する。
・「申し伝えます」は伝言を頼んだ人への敬意を示す謙譲語。
・「申す」は聞き手に敬意を示す謙譲語なので、別名「丁重語」ともよばれている。
自然現象や一般的な社会現象などに使うのはOK。
(例)「急がば回れ、と申します」「あの山を高尾山と申します」
■「存じ上げる」と「存じる」(「知る」「思う」の謙譲語)
・聞き手に敬意を示す場合は「存じる」、その先に敬意を示す場合は「存じ上げる」を使う。
(例)話し手は部長、聞き手は社員
「市長を個人的に知っているかね?」
①「はい、よく存じ上げております」→市長(存じ上げる先の人物)に敬意を示している。
②「はい、よく存じております」→部長(聞き手)に敬意を示している。
・「存じ上げる」「存じる」の経緯が同じ人物に向かう場合は、より敬意の高い「存じ上げる」を使用する。
・一般的に「存じ上げる」を使うには、その人が「存じ上げる」を使うに値する人でなければならないため、以下の場合は使用できない。
①人間でない事柄
②反社会的人物
③身内の人物
■諺や慣用句を間違って使わない
・NG 白羽の矢が当たる→OK 白羽の矢が立つ
・NG 飛ぶ鳥、後を濁さず→OK 立つ鳥、後を濁さず
・NG 押しも押されぬ→OK 押しも押されもしない
・NG 汚名を晴らす→OK 汚名を雪ぐ
・NG 老体に鞭打つ→OK 老骨に鞭打つ
・NG 眦(まなじり)を上げる→OK 眦を決する
・NG 愛想をふりまく→OK 愛敬をふりまく
■人を紹介する際の一般的な順序
・社内の人→社外の人
・役職が上→役職が下
・年齢が下→年齢が上
・紹介を求める人→紹介を受ける人
・男性→女性
■助数詞を正しく使う
・箪笥=棹(さお)
・掛け軸=幅(ふく)
・テント=張(はり)
・テーブル=卓
・着物・布団=重ね
・土地=筆(ひつ)
・刀=振り
・墓石=基
・茶=服
・コーヒーカップ=客(きゃく)