35冊目:きこえる | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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35冊目:きこえる

道尾秀介

2024/10/04




★ひとことまとめ★

耳で聞いて推理する…だけじゃダメ。

 






↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも




【Amazon内容紹介】 
あなたの「耳が」推理する。「音」が導く真相に驚愕する。
読者を1ページ目から未知の世界へ連れて行く。

謎が「きこえて」くる。
衝撃が、あなたの耳に直接届く。
物語×音声。小説を立体的に体感する、まったく新しい「謎解き」の新体験型エンタメ、誕生!

突然死んでしまったシンガーソングライターが残した「デモテープ」。
家庭に問題を抱える少女の家の「生活音」。
言えない過去を抱えた二人の男の「秘密の会話」。
夫婦仲に悩む女性が親友に託した「最後の証拠」。
古い納屋から見つかったレコーダーに残されていた「カセットテープ」。

私たちの生活に欠かせない「音」。
すべての謎を解く鍵は、ここにある。

※本作は、音声と小説を融合させた誰も経験したことのない「体験型ミステリ」です。小説を読み進めると、作中の様々なタイミングで「二次元コード」が登場します。そのコードを読み取り、音声を再生してください。それはあなたを新しい世界に連れて行ってくれる「音」です※




【感想】

QRコードを読み込んで、Youtubeに飛んでその小説の音声を聞いて結末を推理する…面白いですよね~、こういう本ありそうでなかったですよねキョロキョロ

お話についての詳しい考察は他の方のブログに詳しく載っているので私はあまり書きません~。

ただ、ネタバレにはなってしまうのでこれから読む人は以下内容を読まないほうがいいと思います昇天

 

 

「聞こえる」

顔面を数回殴打して扼殺(絞殺)してまで夕紀乃を殺したかった犯人の男の人間像がよくわからないです。

通夜中の夕紀乃の家の玄関口に立ち、夕紀乃の母親に声をかけるくらいには遺族と交流のある人物…。

二日後に夕紀乃の両親が荷物を取りに行くということも把握していたということだよね。夕紀乃の母は通夜の時にはその話はせず、後日電話で荷物を取りに行く話をしているから、夕紀乃の母親から聞いたのか、電話しているときに近くにいたのか…。

本物の両親が来る前に荷物もすべて持って行ってしまったし…夕紀乃はこいつから逃げるために東京に出たのではとさえ思ってしまう。

まあそれは置いておいて、ヘッドホンをして曲を聴いているから幽霊の声が聞こえないというのは面白い(っていうのは可哀想だけど)ですよね。わざわざ曲を聴いているときではなく、何もしていないときに話しかけてくれればいいのに…。そういうわけにはいかなかったのだろうか…。

 

 

「にんげん玉」(実際タイトルは”にんげん”が左右反転)

これはすっかり騙されてしまった~!

問題の会話よりすぐ前の話の内容から、「この呼び方をされているってことは、これはAだな~そして返事をしているのはBだろうな~」って思っちゃうんですよね。

この話でいうと、いまこのセミナーにおいての先生は寺門なのだから、この会話での先生もきっと寺門だろう=いま話しているのは主人公だろう、と思ってしまったわけです。

 

こういう話に限らずなのですが、金を持って来い等々と脅迫して待ち合わせ場所を人気のないところに指定するの、自分が殺されたりする可能性を露とも考えていないんだろうかと疑問に思いますネガティブ

自分よりも年寄りだから、相手のほうが弱そうだから、とかいろいろ驕っているんでしょうが、窮鼠猫を噛むというように、窮地に立たされた人は何をするかわからないわけです…。

 

 

「セミ」

セミただのいい奴だった…。

ラジカセの音(会話の音声)が外まで聞こえるって、どれくらい大きな音で聞いてたんだ?と思ってしまいますが…。

「もしかして、馬鹿だと駄目なのか?」というセリフにセミのどんくささやお馬鹿さが表れていますが、それでも人のことを考えて動けるセミはいい子だよ…。

 

 

「ハリガネムシ」

田浦くんが殺されちゃってるのか不安でしかたなかったけれど、生きていてよかった汗うさぎ

30歳アルバイト塾講師かあ…生徒相手には人生の先輩風吹かせるけれど、正社員で働いた経験もなくプライドもあるから、社会人やってる同級生とは絶対会わないんだろうなあ…。

働いてるだけで偉いけどさ…生徒に盗聴器渡したり色んな意味で駄目よな…。

なんでUSBアダプタ取り返せたんだろう~と思ってましたが、あのあと家に行って死体運んだり手伝ったときに返してもらったってことなんですね。

それにしても、最後の釣り人たちの会話…想像するとちょっと気持ち悪くなりますね…。。。

 

 

「死者の耳」

このオチはなんとなーく途中で頭をよぎったのですが、ずるいですよねw

考察ブログ書いている方も書いていましたが、耳で聞いて推理するというこの作品の趣旨とはちょっとずれてますよねにっこり

意表をついてやろうという感じなんですかね。

死者の耳ではなく、生者の耳だった…。

鐘一…怜那なんかと結婚したのが間違いなんだよなあ…。2人はタイプが全然違うけれど、なんで結婚したんだろうなあ。

結局現場の証拠からは鐘一が怜那を殺したとはわからないのかな~。耳からでは推理できない、目で見てなければわからないというという皮肉。。。