1冊目:宙ごはん
町田そのこ
2025/02/05
★ひとことまとめ★
料理でやさしく人を包み込む
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
この物語は、あなたの人生を支えてくれる
宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。
【感想】
読んだけれど書けていなかった本シリーズ
町田そのこさんの作品はいいね〜ほっこりします。
が、子供産む前に読んだほうがもっと純粋に感動できたかもしれない。
子供産まれてからは主人公に自分を重ねたりするよりも、親目線で見てしまうことが多くて、この作品も親目線で見ちゃうとちょっとなあ〜だったんですよね
親の都合で振り回される子供が本当に可哀想だと思ってしまう。
あとは…身近な人を亡くす→紆余曲折あって前を向く、感動!という設定に「あぁ、またこのパターンね、、」と思ってしまうようになったなぁ〜。
お涙頂戴!って感じがして…(ひねくれすぎ)
流石にさ〜、やっちゃんは殺さなくてもよかったじゃん…と思ってしまって。
宙の成長、感動物語にはやっちゃんの死も必要だったのかもしれないけれど、やっちゃんには幸せになって欲しかったよ。ずーっと他人のことを考え続けた人生でさ〜…。
やっちゃんだけではなく智美さんもね。。二度の流産とかさ。。。ある意味現実的かもしれないけれど、こうもやっちゃんの周りを不幸にする必要があったのかね。
遠宮が、本の中の家族愛がファンタジーみたいに感じる、たいてい、神様の見えざる手がちゃんと救い上げてくれる、って言っていて。
でもそれに対して、現実はそうじゃない、ハッピーエンドだけじゃない、救いがない話(やっちゃんetc)もある、ってことにしたのかもしれないけれど。
だとしても全体を見ればハッピーエンドではあるんだけれどね。
花野や宙や遠宮やヒロムほどの事情を抱えた人が現実にいたとしても、こんなにうまいこといかないからね…。
傷ついた側に赦しを乞うてはだめ、ってのは共感したな
赦したって亡くなった人が戻ってくるわけじゃないしね。受けた傷や記憶がきれいさっぱり無くなるわけでもない。
赦されたいってのは、エゴだよね~。
あーだこーだと作品についてぐちぐち書いてしまいましたが、読んでよかった本だったと思っています
花野さんややっちゃんなどの言葉を通して、読者も考え方や視点を変えるキッカケになると感じます。
いま現在辛い環境にいる人、辛い過去がある人、そういう人がこの作品を読んで少しでも救われるといいなと思う
現実は物語みたいにそううまくはいかないけれど、この作品はちょっとでもよくなる手助けになるんじゃないかと思います。
誰かが自分のために手間暇かけて作ってくれた料理、食べたいな~