30冊目:怪奇小説集 恐怖の窓
遠藤周作(著)/日下三蔵(編)
2024/09/07
★ひとことまとめ★
”怪奇”集なので怖くはなかった
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
この世は、奇妙なできごとで満ちている――遠藤周作の怪奇譚集!
ホラー&ミステリ風味の作品を集めたオリジナル・アンソロジー!
登山客が突然消えるというモンブランの“悪魔の地点(ポワン・ド・サタン)”で観光客が恐ろしいものを目撃する「爪のない男」。日々の仕事に忙殺される雑誌記者が、死刑囚の手記の意外な内容に心ざわめかせる「尺八の音」。ガラパゴス諸島で採取した化石が不気味な騒動を巻き起こす「枯れた枝」など小説のほか、人一倍怖がりな著者の幽霊屋敷探険や、サド侯爵をめぐるエッセイを収録。ミステリとホラー風味ある作品を集めたオリジナルアンソロジー!
【感想】
なかなかブログ書く時間が取れず、読んだのにそのままの本が溜まっていっています
夏はホラーでしょ!(もう夏終わったけど…)と思い読みましたが、ホラーというよりはミステリ味が強かったです
怪奇=そんな物事がこの世にあろうかと、信じられないほど意外な、または変わったこと。(Google検索)
なので、ホラーでもミステリでもどっちでもなくても間違いではないな…
タイトルにもなっている「恐怖の窓」は、著者がフランスに留学した際に実際体験した(という体?)お話です。
格安の訳ありの下宿に泊まった際起こった不思議な出来事。
わっ!と驚かしてくるタイプではなく、向かいの建物の部屋の窓に自分や同居人にそっくりな人物が映り、自分を見つめてくるというもの。向かいの部屋は倉庫として使われていて誰も住んでいないという…。
笑いかけてきたってのは怖いですね。
「詐欺師」は、自身を華族の子孫と語る知人との交流の話。
さも本物のように振舞う彼に翻弄されるが、実はすべて虚言であったというオチ。
統合失調症のよ本当に自分がそうであると思い込んでいるのではなく、嘘をついている自覚があるのでただの虚言癖だった。
「俺とソックリな男が……」は、自分と瓜ふたつ、いわばドッペルゲンガーとも言える男に振り回される主人公が、自分では決して成し遂げられないような犯罪を犯そうとする男をいつしか応援し始めてしまう話。
自分のふりして人に金を借りて回るとか困るよなぁ…。
「枯れた枝」は、ガラパゴス諸島旅行から帰ってきた男からおみやげにもらった"枯れた枝"を家に持って帰ってから、飼っているペットが次々亡くなっていくホステスの話。
枯れた枝についていたのは千三百年も前の毒蜘蛛の卵で、それが孵化したのでは…と登場人物たちは推測する。
が、ラストであれは毒蜘蛛の卵なんかじゃなく、カマキリの卵と書かれているけれど、それではホステスはカマキリに寄生でもされたんだろうか…。ペットたちはカマキリに殺されたのか?
いまいちよくわからず。
ほかにも複数話収録されていますが、なるほどね~というくらいの読後感でした
ちょっと私の求めていた感じ(ホラー味)とは違ったかなあ~