出版禁止 いやしの村滞在記
長江俊和
2022/06/30
★ひとことまとめ★
キーワードは「逆打ち」
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
読後、心身に変調をきたしても、責任は負いかねますので、ご了承下さい。
大切な人、信頼していた人に裏切られ、傷ついた人々が再起を期して集団生活を営む「いやしの村」。
一方、ネット上には、その村は「呪いで人を殺すカルト集団」という根強い噂があった。噂は本当なのか?
そもそも、呪いで人を殺すことなどできるのか? 真実を探るため、ルポライターが潜入取材を試みるのだが――。
【あらすじ & 感想】
一時期はまっていた長江さん
昨年新しい作品出ていたんですね~、知らなかったです!
今回もまんまとミスリードしましたよ~
ミスリードさせるような仕掛けがされているので、よっぽど勘が良い人でないと引っかかるのでは…。
本作は、「いやしの村」の真相に迫るためいやしの村に取材に訪れた主人公の書いた手記がベースになっています。
奈良県にある「いやしの村」。
表向きは悩みや苦しみを持った人々を集め癒しを与える保養施設のようだが、ネット上では、呪いを信じ、人を呪い殺すことが出来る団体と噂されている。
以前いやしの村の近くの酒内湖(しゅないこ)では、切断された遺体の肉片が発見されるという事件があった。肉片は40片以上にもわたり、湖の周回路全体にばら撒かれていた。また、肉片の一部は樹木の幹に釘で打ち付けられていた。
その様子は、かつて存在したとされる旧酒内村(しゅないむら)、通称呪詛の村で行われていたとされる秘祭・百年祭の内容と酷似していた。
奈良時代末期、旧酒内村には朝廷から迫害を受けた呪禁師たちが隠れ住んでいたと言い伝えられている。
噂を聞きつけ、多くの恨みを持った者が訪れ、呪禁師により呪術を用いた復讐が行われていたという。その力は強大で、相手を呪い殺すこともできたという伝承がある。
呪禁師たちは自らの呪術的な力を維持するために、依頼者たちの呪いの力を吸い上げ、秘祭・百年祭を執り行っていた。
百年祭はいわゆる人身御供の儀式であり、条件にあった贄を供物として神に捧げ、大いなる神の怒りを鎮めていた。
酒内湖を周回する道は霊道として崇められており、通常周回する際は「時計回り」という決まりがあったが、百年祭の時だけは例外で、「反時計回り」つまり「逆打ち」を行っていた。
そのことから、酒内という地名は元の読み方は「しゅない」ではなく、百年に一度「逆打ち」が行われるため「さかうち」だったのではないかという説もあるようだ。
主人公である「私」は、いやしの村の実態を知るためにいやしの村に取材に訪れた。
いやしの村の代表・キノミヤ、様々な悩みや苦しみを持ちいやしの村に訪れた村人たち。取材を進めていくが、なかなか噂されているような実体を掴むことはできない。
果たして、いやしの村は酒内湖での事件と関係があるのか?かつて酒内村で行われていたとされる百年祭と何か関係があるのだろうか―――?
キーワードは「逆打ち」です
順番通りに物事を進めることが、常に正しいとは限らない…
逆に進めることによって見えてくるものもあるかもしれない…
読み終わった後、もう一度はじめから読み直したくなるはずです(少なくとも私は読み直してしまった)