36冊目:ファミリーランド | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

ファミリーランド

澤村伊智

2020/09/03

 

 

 

 

★ひとことまとめ★

未来の日本はこんな感じなんでしょうかショボーン

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

スマートデバイスで嫁を監視する姑、高級ブランド化する金髪碧眼のデザイナーズチャイルドと育児ハザード、次世代型婚活サイトとビジネス婚に待ち受ける陥穽、自律型看護ロボットを溺愛する娘と母親の対決……。ホラーとミステリ、両ジャンルの若き旗手たる著者・澤村伊智が克明に描く、明るい未来を待ち望むすべての家族に捧げる、素晴らしき悪夢。

収録作品
「コンピューターお義母さん」
「翼の折れた金魚」
「マリッジ・サバイバー」
「サヨナキが飛んだ日」
「今夜宇宙船の見える丘に」
「愛を語るより左記のとおり執り行おう」
 
 
【感想】
来月入籍の予定なのですが、お引っ越しをするために内見をしましたひらめき電球新築のお家に決まりました〜
本当は住みたいと言っていたお部屋は既に別の方から申し込みがあったのですが、私たちが内見しているときにキャンセルになったのがわかって音譜
いいなと思っていたお部屋に決まりました!お引っ越しのために荷造りなどをしていてなかなかブログが書けていませんでした。。。
 
久しぶりに澤村さんが読みたくなって本
ただ、ホラーではないので、ぞくっとする感じではありませんでした傘
ざっとあらすじだけ書こうと思います。
 
 
・コンピューターお義母さん
インターネット社会がより浸透し、各家庭にIoT機器が揃っている未来の日本。タブレットを使用することで、家電の操作はもちろん、ベッドのセンサーで睡眠状態なども把握でき、便利な生活を送ることができる。
ただ、便利なのはそれだけれはなく、”義母”までもがインターネットを通じて介入してくるという…タブレットを通じて、遠隔にいる義母にも全ての情報が共有されてしまう…。マイホームに実物の義母はいないからと言って、家の情報や行動などが全て把握されてしまうのは非常に窮屈に感じてしまうなあ…。。
義母の能力も凄まじく、ハッカーまがいな事をして防犯カメラをハッキングしたり、死後もお小言を言う存在が残るように代行業者に依頼し”義母代行”まで頼む始末。。。
いや〜もうここまでくると回線を切りたくなるなww 義母じゃないにしろ、自宅内の情報がインターネット上に彷徨っていると考えると怖すぎる。夜の営みにまで口を出してくる義母恐るべし。
 
 
・翼の折れた金魚
自然な流れでできた子供=無計画出産児・デキオ・デキコ、それに対して両親が妊娠促進剤のコキュニアを飲んで出来た子供=計画出産児と呼ばれる世界。コキュニアを飲んだ両親から生まれた子は知能が高いと言われており、金髪と青い目という外見的特徴を持つ。
無計画出産児は白い目で見られ、虐められることも多い。それだけではなく、職業なども制限される。
計画出産こそ至高という考えの主人公が、コキュニアを服用したはずであるのに、生まれた子供が黒い髪・黒い目で…というお話。
 
読んでいるとき、村田沙耶香さんの作品を思い出しました。さすがに日本では出生については倫理観?道徳観は未だわりと高めだと思うので、いくら薬を飲んで子供の知能が〜とかになっても、進んで飲もうとはならないんじゃないかな〜。。まあ結局、飲めるのは富裕層で、一般市民は買うこともできない…そして格差が生まれて、飲んで生まれた子は生まれながらに出世コースが約束されているというような…やだなあそんな未来は…。
 
 
・マリッジサバイバー
婚活アプリの進化版という感じ。エニシという婚活サービスでは、フレグランスチェッカーという、タブレットに同期させることにより自分の体臭を数値化できる機器によって、体臭の相性も知ることができる。
結婚後はGPSやセンサーを内蔵した結婚指輪をはめることによって、相手の動向も逐一チェックすることができる。フレグランスチェッカーにより、遠隔地にいる相手の体臭、呼気、そして周りの空気の成分なども把握することができてしまう…。
 
めちゃめちゃ監視されている感が強いけれど、犯罪などの検挙率は上がりそう。GPSもセンサーもついている上に、周囲の匂いや周りの匂い(血とか)までわかるわけだからね…。
けど、やましい事をしていなくても、四六時中監視されるのは嫌だな〜。。。
 
 
・サヨナキが飛んだ日
鳥型の自宅看護用ロボットが普及している世の中のお話。すごく便利だと思うけれど!!まあ中にはロボットを恐ろしい悪魔と思う人がいてもおかしくはないけれど、自分で買っておいて悪魔とはすごい言いがかりだなあと…。
PS4のゲームでデトロイトというゲームがあるのですが、アンドロイドが普及した世の中のお話で、この作品を読んでいて思い出しました。
一家に1台お手伝いのようにアンドロイドがいて当たり前の時代ですが、それでも中にはアンドロイドを恐ろしいという考えの人もいて、壊されたり暴力を振るわれたり…。
機械だから人間のように感情や痛みはないからと言って、作ったのは人間なのに、使命を全う出来ずに壊されたりしてしまうというのは、なんだかかわいそうに思ってしまいました。
 
技術が進歩すれば便利になっていきますが、その反面セキュリティが脅かされる場面が増えたり、使いこなしている人(快諾して)とついていけない人(許容できない)との差が開いていっているよなあと感じます。
日々ニュースで挙げられる不正アクセスや不正出金などの問題を観ていて、誰でも安全で便利に使える時代は既に過ぎてしまったんだなあと感じます。
知っている人と知らない人の差が大きすぎる。そして法律も追いついていない気がします。
 
私はしょっちゅう病院に行くので、自宅看護ロボットがあったら嬉しいな〜けれど、誤作動起こしたりハッキングされてデータ書き換えられたら怖そうだな〜!!全然違う薬を投薬されちゃったり!!
 
 
・今宵宇宙船の見える丘に
寝たきり、せん妄、認知症の高齢者を効率的に介護するために国から認可された「ケアフェーズ」。薬局で専用のキットを買うことで、医療免許を持っていない人間でも外科処置が行える。
なんの異常もない肛門をふさぎ、メスで人工肛門をつける「フェーズ1」、なんの異常もない両足を膝のすぐ上で切断する「フェーズ2」、両手を肘の上から切断する「フェーズ3」、脳の機能を抑制する「フェーズ4」。
金銭的余裕がある家庭は、もちろん介護施設に預けたりすることができるが、余裕もなく困窮している家庭では、自分たちで介護を行わなくてはならない。そのときに「より介護のし易い体に改造する」ためのものが、ケアフェーズ。
 
確かに介護する側は手足もなくて暴れられない方が介護はし易いけれど、手足を切断して、脳の機能も抑制された、ただ生かされている親などを見てどう思うのだろうか…。そんな姿だとしても、生きていて欲しいのだろうか…。
というより、生きて欲しい云々ではなく、法律が「殺してはいけない」であるならば、なんとか生かしておくしかないんだよなあ。。本人も周りも不幸になったとしても。。
100%近い将来でこう言ったことは起こらないとは思うけれど、もうある程度決められたラインを超す人は、安楽死もできるという法律になってもいいんじゃないかなと思ってしまうなあ。
寿命を全うするのは大事なことかもしれないけれど、痛くて苦しくて自分が自分で無くなってしまう感覚に苦しんでまで、もう生きたくない、周りにも迷惑かけたくないという人も多いと思うんだよね。
日本では認められていないから、どうしても安楽死したい人は今のところ海外に行くしかないけれど。
 
 
・愛を語るより左記の通り執り行おう
これは近い未来ありそうだと思うサービスでした!
病院と連携した傷病者管理アプリケーション「おみまい」、患者がなくなると事前に登録されていたメンバー宛に死亡通知が届く。死後はバーチャルのお墓参りなどが行える。
デバイスコンタクトレンズと同期させ使用するアプリケーション「シェアスペース」、コンタクトレンズにAR・VRが映し出され、会議などを行うことができる。
シェアスペースを活用し執り行われる葬儀「そよかぜ」、全てバーチャルで行われるため弔問客などもシェアスペースを使用し弔問する。故人の生前の記録から推定した最後の言葉を、故人の声で再生することもできる。
 
今の葬儀というものがとっくに廃れて、バーチャルでの葬儀が主流になったために、かつての葬儀がどう言ったものか調べながら葬儀を進めていくお話ですが、最後の最後を読んで「そりゃ結婚式でやることだろうw」と笑ってしまいました笑
今やったらとっても不謹慎・常識知らずになってしまいますが、お葬式文化が廃れた世界ではわかる人も誰もいないわけだし、そういうもんなんだなで終わるんだろうな。
 
お葬式がバーチャルまでは行かなくても、お見舞いがバーチャルくらいは今でもありますよね。それこそコロナもあるからテレビ電話などでお見舞いとかね。
お墓だって、今って土地がないから、東京とかではなかなかお墓建てられないと思うけれど、マンション型のお墓とか。お骨だけ入れる感じなのかな。お墓にお水かけて洗ってとかもできないだろうから、たとえバーチャルでもそう言った文化や故人を弔うための行動・儀式を残しておくってのもいいんじゃないかなと。
 
私はなんでもかんでもAIとかバーチャルにするのは反対で、特に紅白の美空ひばりのAI (新曲歌ったやつ)はどうなんだろうかと思ってしまいました。。。道徳的に。人間がそこまでしていいのか?という気持ちになりました。
けれど、自分だったらと考えてみると、今でも何か報告がある時は祖父母の遺影に向かって話しかけたりもしてますし、「こんなとき祖父母だったらなんていうかな」って思う時もあるので、たとえAIだとしても、一言でもいいから話したいなと思ったりもします。
祖父母でなく、親や彼だったら尚更思ってしまいそうです。AIがそれっぽい会話を作成して話しているだけだとしても、生前の故人の声で会話ができたら救われることはあると思う。ただ、それは禁忌というか、しない方がいいことということはわかる…。
 
 
 
どのお話も全くありえない!とは思えないような、近い将来似たようなサービスなりが出てくるのではと思ってしまうお話でした。というか、水面下では進んでるんじゃないかな?
人間のクローンも本当はできているらしいですし。(当時の元彼がお酒の席で政治家・K泉さんと一緒になったようで、その際普通に言われたようです滝汗公にはしていないけれどね〜みたいなノリで)
事実は小説より奇なり…一般の人が考えつくようなアイデアなどは、頭の良い人たちが既に研究して開発していたり、実用化にむけて水面下で進められているんだろうな〜と思いますキョロキョロあせる
良いのか悪いのかはわかりませんがっっ!
 
ゾッとするようなホラーではないんですが、いつもの澤村さんの小説とは違った感じで楽しめましたラブラブ