19冊目:フーガはユーガ | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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フーガはユーガ

伊坂 幸太郎

2020/06/06

 

 

 

 

★ひとことまとめ★

兄弟同士、お互いが入れ替われる瞬間移動ができたら…

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

常盤優我は仙台市のファミレスで一人の男に語り出す。双子の弟・風我のこと、決して幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い。
 
 
【感想】
いや~自粛期間中、ずっとYoutubeとか見ていたので感じたんですが、Youtubeの広告酷いですよねw
”太ってるから彼氏に浮気された”、”ムダ毛を見られて幻滅された”、”胸がまな板だからモテない”、”肌荒れがひどくて不倫された”、みたいな広告ばかりでもぐもぐ
”飲めば痩せる”、”ムダ毛が毛根から無くなる”、”翌日に肌荒れがおさまってる”みたいな…。それ劇薬だろ…滝汗
〇〇だから〇〇って広告ばかりで、女性をなめてるのか??と思ってしまいますね…。薬事法違反ギリギリみたいな効果の紹介もほんとにうんざりだ…ショボーン
まあでも買う人もいるんでしょうね。いるからあんなに広告だしているんでしょうし。なんかもっと有益な広告ならちゃんと見るし買いたいとも思うかもしれないけれど、いままでYoutubeでそんな有益な広告に出会ったことがないショボーン
雑談はここまでにしておいて…
 
お客様からだいぶ前にいただいたのに読めていなかったので読みましたお願いキラキラ
Whoが?----Youが。
 
 
仙台のあるファミレスで、主人公・常盤優我は、制作プロダクションで働く高杉に自身の持つ特殊な能力について、過去の話を交えながら語り始める。
 
一卵性双生児の常盤優我と風我は、父親から日常的に暴力を受けていた。母親はそんな父親をとがめるでもなく、見て見ぬふりだ。5歳の誕生日、いつものように父親に殴られる風我を見ている際、優我は自分が風我と変われたらと心から願った。その時、気づくと優我は先ほどまで風我がいた場所に、風我は優我がいた場所にいた。彼らは、お互いの場所を入れ替わることができる、瞬間移動の力を手に入れたのだ。
 
はっきりと自覚するようになったのは小2の誕生日。調べるうちに、どうやら誕生日の1日だけ、2時間おきにお互いが瞬間移動するということがわかった。彼らは毎年誕生日にその能力を使い、いろいろなことを試すようになる。
 
中学生になった彼らは、リサイクルショップで手伝いをし、小遣い稼ぎを始める。
ある日、二人はリサイクルショップに落ちていた、血で汚れた不気味なシロクマのぬいぐるみを処分しようと捨て場所を探していた。そんなとき、同級生のワタボコリが広尾たちからいじめを受けている現場を発見する。
風我の作戦で見事広尾たちを出し抜き、ワタボコリと帰り道を歩いている際、三人は”母親と喧嘩をして家を出てきた”という小学生とすれ違う。風我はちょうどいいとばかりに、彼女におまもり代わりに血濡れのシロクマのぬいぐるみを渡す。
優我と風我は家に帰り、ニュース番組を見ると、先ほど別れたばかりの少女が轢き逃げされたというニュースが流れていた。
噂ではただの轢き逃げではなく、どうやら縛り付けられた上で故意に何度も車をぶつけられたらしいという。自分たちがあの時どうにかしていれば、あんな不気味なぬいぐるみを渡さなければ…という後悔の念に二人は苛まれ続ける…。
 
って感じの始まりですショボーン
 
 
なんというか、書きすぎると完全にネタバレになってしまうので難しいですが、なかなかに惨いお話です。想像力豊かな人は読んでいてしんどいシーンもあるかもしれません。双子に、とくに優我に救いがない…えーん 瞬間移動の能力は読み進めていくうちにオマケっぽくなっていきますが、最終的な結末に大きなカギを握っています。
入れ替わりの能力自体はSFですが、ほかの部分、いじめや虐待、惨い殺人事件、権力によるもみ消しなどは、現実世界でも山ほどあると思うとより一層心が憂鬱になります。このお話では入れ替わりの能力によって制裁を加えたりもできますが、現実ではそうはいかない…。
優我に対しては救いがないとは思いますが、現実のほうがよっぽど救いがない。
いじめや虐待のなかで、なんの救いもなく亡くなっていく人。少年法やコネ、権力に守られ、反省することなく再犯を繰り返す加害者。小説ならSFみたいな能力で裁くこともできるけれど、現実は泣き寝入り。
なんか、小説の内容というより、小説と比べたときの現実の救いのなさに悲しくなってしまった…ショボーン
 
伊坂幸太郎さんなので、読みやすく、それでいて伏線というか、「なるほど、そういうことか!」という回収もきちんとありました。無理やり感みたいなものはどうしてもありますが、瞬間移動自体がすでにSFなので、さほど気になりません。
ただ、私としては、風我も優我も幸せになってほしかった。。。人生のほとんどを父親、暴力に支配されて、ようやく解放されたかと思ったのに、残念な結末になってしまったので悲しかったですえーん
 
読みだしたら展開が気になって止まらなくなって、すぐ読み終わっちゃいましたキョロキョロ
瞬間移動の能力は、自分の行きたいところにいけたらいいけれど、誰かと入れ替わるってのはちょっとな~!