初恋さがし
真梨幸子
2020/02/01
★ひとことまとめ★
憎しみ嫉妬裏切りドロドロの全部のせで胃もたれしそうです。
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
成功も失敗も、かけがえのない記憶。だから会いたい、あの人に――。所長も調査員も全員が女性、その探偵事務所の目玉企画は「初恋の人、探します」。青春の甘酸っぱい記憶がつまった初めての恋のこと、調べてみたいとは思いませんか? ただし、ひとつご忠告を。思い出の向こう側にあるのは、地獄です――。他人の不幸は甘い蜜、という思いを、心のどこかに隠しているあなたに贈る、イヤミス極地点!【感想】
ようやく忙しさが一段落して、のんびり本を読める時間が取れるようになりました~
バタバタしていて、自分ではそこまで疲れていないと思っていたのですがストレスが溜まっていたのか体調が優れなかったり、急にイライラするようになって、これはいかん…と思って昨日も代休使ってゆっくりしていました
そんな、のんびりしている時に読むべき本じゃないのかもしれませんが…やっぱり真梨の本は気になってしまうんですよねえ…
お話しの舞台は、高田馬場駅から歩いて5分の雑居ビルにある”ミツコ調査事務所”。所長・山之内光子が考案した”初恋さがし”という初恋の人を探す企画がヒット、テレビでも取り上げられ一躍有名となった。
そんな調査事務所にある日舞い込んだ「古い知り合いを探してほしい」という相談。依頼人は末期がんのため、思い残すことなく安らかに死ぬためにもどうしてもかつての知り合いの居場所が知りたいという。
そんな依頼人の言葉を信用し、相談を引き受けた光子だったが…。
日々舞い込む相談を解決するごとにミツコ調査事務所、そして山之内光子は徐々に破滅の道へと進んでいく…。
なんだろう…光子結局とばっちりだな…。
殺人鬼フジコの衝動のときは、たしかにぶっ飛んでいる話だけれど、まだどこかリアリティがあったというか、恐ろしさが身近だったんですよね。
けれど、仕方がないのかもしれないけれど”嫌ミス”とか”女のドロドロ”が先行しすぎて、ストーリーが非現実的すぎるよなあというのが、ここ最近の真梨さんの作品への感想かなあ。
序盤は「なんだなんだ?どういうことだ?」「きっとどこかに伏線が」と思って読んで、中盤までも「なるほど、ということは…」って伏線を回収しつつきっとこれが真相か?と思いつつ読んで、終盤で「誰にも言っていなかったけれど実は姉妹」みたいな「え?????急に???いままで全然そんなこと書いてなかったのにどんでん返しというか、ドロドロを強調させたいがために急な設定のあとづけ???」と思うようなことがゴロゴロ出てきて。
あれもこれもてんこ盛りにしすぎているなあという感想。
友人かと思ったら実は殺したいほど恨まれていた、人助けのつもりが実は犯罪の片棒を担いでいた、操っていると思っていたのに実は自分が操られていた、従業員からの嫉妬、血縁関係者との肉体関係、血の繋がった姉への嫉妬とか、憎しみ嫉妬ドロドロ全部のせみたいな。
私の中で真梨さんの本は、ミステリーが読みたいときに読む本というよりは、女同士の憎しみ嫉妬殺し合いが見たいときに読む本みたいな位置づけ…
そのくらいミステリーとしてはこじつけというか、あとづけの情報が多すぎて「え…?」となってしまいます。
この作品も相談2つ目くらいまではまだ面白く読めたんですが、中盤~終盤になるにつれて、もうお腹いっぱい…という気持ちになってしまいました
読者に嫌ミス、女のドロドロを期待されているだろうし、方向転換はできないだろうけれど、かと言ってドロドロを書き続けてもあらかたのドロドロ劇は書いてしまっただろうし、同じジャンルで作品を書き続けていくのって大変なんだろうな~と思います
ぼちぼち溜まっていた本を読んでいこうと思います