1冊目:運命の恋をかなえるスタンダール | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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運命の恋をかなえるスタンダール

水野敬也

2020/01/13

 

★ひとことまとめ★

恋愛指南本かと思いきやストーリーもしっかりしていました◎

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

「恋は甘い花のようなものだ。しかしその花を摘むには、恐ろしい断崖絶壁の縁まで行かねばならない」(恋愛論第41章より)
「恋愛において、男はあまりにも容易な成功を軽蔑する。男は、向こうからくれるものをありがたがらないものである」(恋愛論第10章より)


恋愛経験ゼロ、三十路の文学女子に“モテない文豪"スタンダールが奇跡を起こす―。「夢をかなえるゾウ」「スパルタ婚活塾」の著者水野敬也が贈る愛と笑いの長編恋愛小説。

☆自分を最高に輝かせる『結晶作用』
☆男を虜にする『悪女(ファムファタル)の振る舞い』
☆好きな男の前で緊張せずに話す方法
☆理想の恋人が手に入る「周囲の評判の上げ方」
☆男から長く愛される『伴侶(コンパニョン)』になるには?
☆幸福な恋愛に生命を与える「小さな疑い」―など
文豪スタンダールの名著「恋愛論」のノウハウを現代に超訳。愛の国フランスの恋愛エッセンスが自然と学べます。
 
 
【感想】
新年明けましておめでとうございます。もう2週間以上経過してしまいましたが…!
年始は家族、彼、会社で初詣に行ったり、お客様への挨拶まわりしたりしてました星
仕事でパソコン売ってもいるので、1/14(火)Windows7サポート終了周辺はパソコン入れ替えが結構忙しかったですキョロキョロ
親が使っているパソコンも入れ替えてあげたいですが、それなりのを買うとやっぱり10万は超えちゃいますね~キョロキョロ
 
 
さてさて、この本は発売された頃に人気が出ていたのは知っていましたが、どうせ恋愛指南本なんだろうと思い読んでいませんでしたキョロキョロアセアセ
ただ、Amazonプライムリーディングであったので、読んでみるかと思い読んでみることにしました本
 
 
作品のあらすじは、
今から24年前、当時大学教授であった万平 真が旧石器時代の遺物を発見した。しかし、後に自作自演であったことが発覚し、様々なワイドショーに取り上げられてしまったために”万平”という名が全国に広まってしまった。
 
その万平 真の娘である万平 聡子は、父の事件のせいで学生時代にいじめられ、知らない人々が沢山いるところでは広場恐怖の症状が出てしまうようになり、メンタルクリニックに通うようになる。
恋愛もしたことがなく、唯一の楽しみは本を読むこと。そんな聡子は”万平”という名字を隠し、図書館司書として働く。
 
ある日聡子は一人の利用者に目を奪われる。女性司書たちの間で話題になっている男性だ。彼の本を読む姿は本当に美しく、さながら『レ・ミゼラブル』のマリウスのようだった。
聡子は心の中で彼を「マリウス」と呼び、密かに彼との恋愛を妄想するようになる。しかし同時に、現実の世界で彼と恋人同士になることは不可能だろうとも感じている。
 
そんなことを考えながら、自宅で本を読もうと本棚に向かった時、本棚から1冊の本が落ちた。それはスタンダールの「恋愛論」であった。マリウスとのこともあり、恋愛論を開いてみると、なんとその本から黒い煙とともに、「自称・スタンダール」が登場する…。どうやらこのスタンダールは自分にしか見えていないらしい…。
 
その自称・スタンダールと共に、聡子のマリウスへの恋を実らせるべく、恋愛論で書かれているテクニックを用いて、マリウスにアプローチをしていくという流れです。
 
書かれているテクニック(というか恋愛論の内容)は「確かに」と思うものが多く、恋愛のテクニックとしてだけではなく日常でも使えるテクニックだなあと感じました。
例えば、
・人は自分の価値観で好きになるよりもむしろ、周囲から認められている人に結晶作用を起こしやすい。
これは会社とかでもそうだな~って思うけれど、色んな人から「○○さんって仕事ができる」みたいに言われていると、実際本人の仕事ぶりを見ていなくても、「きっとできる人なんだ」と勝手にその人の評価があがるというか。
恋愛だと、そこまででもって思っている相手でも、周りからの評判がすごく良かったり、他に狙っている人がいたりすると、「いい人なのかも…」って自分も思い始めたり。アイドルとか芸能人とかもそうだよね。初めはいいなと思わなくても、流行りだすと「いいじゃん!」って思えてきたり。
だからまずは、「この子はいい子なのかも…」と思われるように、周囲の評判になることをしましょう、という。
 
こういうテクニックだけが淡々と書かれている作品だと勘違いしていたけれど、ストーリーもしっかりとしていて、自称・スタンダールとともに、聡子が一歩ずつ一歩ずつマリウスに近づいていって、自分の抱える闇(万平)とも向き合うようになっていく様子が書かれているので、小説としても読んでいて面白いなあと感じました。
 
作品の中で確かにな、と感じたのが
・どうしていじめが始まるのか。そして、どうしていじめが続くのか。(中略)人は、安全地帯から他人を攻撃するのが楽しいからだ。つまり、いじめる側が攻撃を続ける理由はただ一つ。『自分が被害を受けない』という保証があるからだ!
 
・間違っているのは、眼鏡をやめ、髪を切り、美しくなった君じゃない。成長しようとする君の足を引っ張る者たちの方なのだ。
 
これは本当にそうだよね~ネットの誹謗中傷とかも。昨年、会社で私をいじめてきてたおばさんは結局退職したんだけれど、一緒になっていじめていた先輩も結局自主退職するらしいんですよ。
単に会社が嫌で辞めるのもあるかもしれないけれど、まさかやり返される(私が社長にされたこと話す)なんて思わなかったんじゃないかなって。いままではみんな泣き寝入りだったし。
だからこそ、「あなたも被害を受けますよ」ということを相手にわかるように伝えないといけないな~って。
本当はギスギスせずに平和が一番だけれど、そういう人には仕方ないよね。こちらもやり返す場合があるということを示しておかないと…。
 
あと、聡子の言葉で
・本って、こんな素晴らしいものなのに、古本屋に行けばどんな名作も安く手に入りますし、図書館だったらタダで読めてしまいます。『レ・ミゼラブル』がタダで読める時代って、すごくないですか?そして、本さえあればどれだけでも楽しい時間を過ごすことができますから、本が好きだと言う時点で、私たちの人生は勝ったも同然なんですよ。
そうだよね。どんなに本が読みたくっても読めなかった時代(文字の読み書きもそうだし、本が買える買えないもそう)だってあっただろうしね。それを考えると、タダで(深く掘り下げれば税金とか払ってるけれど)冷暖房完備でお手洗いもあって、なおかつ読みたい本が読める図書館ってやはり素晴らしい空間だな…。
 
 
スタンダールの恋愛論を読んだことがないので、これを機にちょっと読んでみようかな照れ
こういう作品があると、昔の本を読むきっかけにもなっていいですね本