79冊目:星の王子さま | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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星の王子さま

サン=テグジュペリ

訳 ドリアン助川

2019/12/31

 

★ひとことまとめ★

人生において本当に大切なことを教えてくれます。

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

「さあ、ボクの秘密の贈り物だ。すごく単純なことだよ。
心でしかものは見えないんだ。ほんとうにたいせつなものは目にみえないんだ」

「きみのバラが、きみにとってそんなにもたいせつなのは、きみが彼女のためにつくした時間のせいなんだよ」

すてきな贈り物のように、心にのこる言葉がたくさんつまった、フランス文学の永遠の名作"Le Petit Prince"。
ベストセラー『あん』の著者・ドリアン助川さんの翻訳ができました。
まるで、語り手の肉声が聞こえてくるような、優しい新訳になりました。
ドリアンさんの訳者あとがきも大充実。リヨン滞在の思い出もまじえながら、「星の王子さまとサン=テグジュペリ像」ほか、撮りおろしの写真も掲載しています。

サン=テグジュペリの原画ももちろんすべて掲載、装丁はきれいな仮フランス装です。
ご自分への、そして大切なだれかへの贈り物にピッタリです。
 
 
【感想】
星の王子さまは言わずとしれた名作で、内容が深い(らしい)ということは知っていたのですが、読んだことがありませんでしたキョロキョロ
いい機会なので、名作と呼ばれている理由がなんなのか知るためにも、自分でも読んでみようと思ったのがきっかけです星
 
砂漠に不時着した飛行士が、生きるか死ぬかの極限状態のときに、砂漠のど真ん中で出会った不思議な王子さまとのやり取りが書かれています。
 
これはファンタジーではありますが、実際にアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリがサハラ砂漠に不時着した経験がもとになっているみたいです。
 
子供のころは星の王子さまってただの空想のお話だと思っていました。けれど、実際に砂漠に不時着して、助けがくるかもわからない、死ぬかもしれないという極限状態に陥ったということを知ると、命についてだとか、生きていく上で大事なことだとかを、助けを待つ間にものすごく考えたんだろうなと感じました。
星の王子さまというキャラクターを通じて、自分が極限状態の中考えついた生きていく上での大切なことを、わかりやすく、多くの人に伝えたかったんだろうなと。
 
 
中でも、そうだなあ~と感じた言葉たち
 
「花はよわいんだ。傷つきやすいんだ。大丈夫だって安心したいんだ。とげを持つことで、自分たちは強いと信じたいんだ…」(P38)
 
「花がぶつけてきた言葉ではなくて、花がしてくれたことで判断するべきだったんだ。彼女はぼくのまわりをいい香りでいっぱいにしてくれたし、ぼくを明るくしてくれた。僕は決して逃げ出すべきではなかったんだ。
つまらない言い草の背後にかくれた花のやさしさに気づくべきだったんだよ。」(P48)
 
「砂漠では、ひとりぼっちだなあって、ちょっと思っちゃうよ。」「人間のなかにいたって、ひとりぼっちだなあって思うよ。」(P92)
 
「きみはまだボクにとっちゃ、十万人もの男の子となんらかわらないふつうの一人の男の子なんだ。(中略)きみにとっちゃ、ボクは十万匹ものキツネとなんらかわらない普通の一匹のキツネでしかないんだから。
でも、もしきみとボクが心を寄せ合えば、僕たちはお互いがたいせつなお互いどうしとなる。きみはボクにとって、この世でただ一人の大切な男の子になるんだ。ボクはきみにとって、この世でただ一匹の特別なキツネになるんだ…」(P104)
 
「あそこ、麦畑が見える?ボクはパンは食べないから麦なんて用なしさ。麦畑はボクになにひとつ呼びかけない。それってかなしいよね。
でも、きみの髪は金色だ。すると、ボクがきみになついて心を寄せたとき、素晴らしいことが起こる!金色の麦を見ると、ボクはきみを思い出すようになるんだ。そして麦畑を吹き渡る風がお気に入りになる…」(P106)
 
「さよならのかなしみがやわらいでくれば(いつだって人は立ち直れます)、あなたはぼくと知り合ったことを、じっくりと味わい深く感じられるようになるよ。そうしてあなたは、ボクと永遠の友達になるんだ。」(P138-139)
 
昨日読んだ「そして、バトンは渡された」の一文で、
「大家さんにお父さん、おばあちゃんにおじいちゃん。思い出の中でしか会えない人が増えていく。だけど、いつまでも過去にひたっていちゃだめだ。」(P136)
っていう文があって…
わたしもアラサーなので、別れとか、身内の死とか、それなりに経験しているんですが、本当に、思い出でしか会えない人が増えていくんですよね。
年末ですけども、もう帰る祖父母の家もないんですよね。
友人は、結婚してお互いの両親の家に行ったり、祖父母の家に子供も見せにいったり。
けれど、自分は結婚もしてませんし、祖父母も亡くなっているし、私の両親は親戚づきあいも苦手なほうだったので、年末年始に行くような場所もない。
 
思い出でしか会えない人が増えていくのは悲しいけれど、星の王子さまが言うように、さよならのかなしみはやわらいだし、さよならがあったからこそいまそばにいてくれる人たちの大切さを噛み締められるようになったし、そういうのを気づかせてくれたのはよかったなあ、と思います。
 
 
もう何十年も前の作品だけれど、当時も今も、みんな悩んで、苦しんで、頑張って生きてきているのは変わらないんだよなあ…。