77冊目:Iの悲劇 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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Iの悲劇

米澤穂信

2019/12/30

 

★ひとことまとめ★

読み終わったあとの虚無感…

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。


山あいの小さな集落、簑石。六年前に滅びたこの場所に人を呼び戻すため、Iターン支援プロジェクトが実施されることになった。

業務にあたるのは簑石地区を擁する、南はかま市「甦り課」の三人。

人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香(かんざん・ゆか)。出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和(まんがんじ・くにかず)。とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣(にしの・ひでつぐ)。

彼らが向き合うことになったのは、一癖ある「移住者」たちと、彼らの間で次々と発生する「謎」だった-–。

徐々に明らかになる、限界集落の「現実」!そして静かに待ち受ける「衝撃」。

『満願』『王とサーカス』で史上初の二年連続ミステリランキング三冠を達成した
最注目の著者による、ミステリ悲喜劇!
 
 
【感想】
昨日まで旅行に行っていました!
群馬県の四万温泉に行っていました乙女のトキメキ
雪が降っていました…!!
 
川がとても綺麗でした星
 
雪でだるま…これがホントの雪だるま…雪だるま
 
 
さて、本題ですが、今回はお客様から頂いた米澤さんの本ラブ
本屋さんでもバーンと置いてあることが多く、買いたいな~と思っていた本だったので譲っていただいて本当に嬉しいですハート
 
一言まとめについてですが、これは悪い意味ではなく、主人公の万願寺に感情移入すると読み終わったときになんとも言えない虚無感に襲われます…。。。
 
 
住民が段々といなくなり、とうとう無人になり荒廃してしまった集落・蓑石。
そんな蓑石を再生させようと、市外から人を呼び込み、新しい定住者を募るプロジェクト、”南はかま市Iターンプロフェクト”が開始された。
そんなIターンプロジェクトを任されたのは、南はかま市間野出張所甦り課の課長・西野秀嗣、新人・観山遊香、そして転属で甦り課に配属された万願寺邦和の3人。
 
西野は面倒な仕事は万願寺にまかせ、定時できっかり帰ってしまい頼りにならない。新人の観山は学生っぽさが抜けず、住人とのやり取りにはいつもハラハラさせられる。
そんな2人に苦労しながらも、万願寺はなんとか蓑石に住民を定着させるため、住人からの苦情や不満に日々奔走する。
 
しかし、万願寺の努力も虚しく、移住してきた住人たちに次々にトラブルが起こり、彼らは一人また一人と村を出ていってしまう…。その一つ一つのトラブルに関するお話が短編で書かれています。
一度死んだ村である蓑石の復興は無理なのか?なぜ、蓑石には人が定着しないのか…?数々のトラブルはなぜ起こったのか…?
 
 
まあ、その、なぜ?がラストで暴かれるわけなのですが、読んでいて西野さんがただ者ではないだろうと感じてはいたけれど、そういうことでしたか…。。。
 
自分が万願寺の立場だったらどうだろう。どうにかできないかと日々奔走していたことが、はじめから無駄な努力だったとしたら。偶然と思っていた数々のトラブルが、実は仕組まれていたことだったと知ったら。
信頼していた人間が、実は裏切り者だったとしたら。自分だけが真実を知らされていなかったとしたら。
ものすごい虚無感に陥ると思うんだよねハートブレイク
自分が努力してきたことは、いままでの苦労は、一体何だったんだろうかと…。
 
特に、ラストで万願寺が見る、幻の蓑石を考えるときつい…。
ほんとに復興なんでできるんだろうかと万願寺本人も疑いつつも、でも、いつかは復興が成功して村が賑わうことを願うようになってきたのに…。住民たちが賑わい、蘇った蓑石を空想するラストの万願寺を考えると虚無感が半端ない…。。
死んだ村は二度と蘇ることはなく、ひっそりとまた死んでいく…。。
 
一つ一つのお話はさすが米澤さん、なるほど!と思うトリックだったり、なんだそういうことか!って思うようなトリックだったりで、読んでいて面白かったですニコニコ
ただ、そのトリックにも、裏で手を引く人間がいたわけね…。。
 
一つだけ言いたいことがあるとすれば、出てくる登場人物がみんな設定よりプラス5~10歳でもおかしくないのでは?という落ち着きようなんですよね~キョロキョロ
主人公の万願寺も具体的な年齢は出てきませんが、30歳を目前にというような表現があったので、おそらく28~29歳の設定だと思うのですが、そうなると私と年齢がほとんど変わらないことになるのですが…。
私の周りにこんな落ち着き払った人間がいただろうかと考えてみると、いないんですよね。移住してきた住人のかたで20代の人も出てきますが、その人たちの言い回しも、絶対20代はそんな話し方はしないんだよなあ~…という話し方なんですよねキョロキョロアセアセ
ちょっとそのあたりが現実的ではないよなあと、ちょっと違和感んを感じましたねキョロキョロ
あまり気にしたことがなかっただけで、他の作品もそうだったのかもしれないニコ
 
いや~、それでもさすが米澤さんでした!読みやすくてよかったキラキラ
おすすめですOK