増補版 寄生蟲図鑑 ふしぎな世界の住人たち
公益財団法人目黒寄生虫館 (監修)
大谷 智通 (著) 佐藤 大介 (絵)
2019/10/07
★ひとことまとめ★
食前、食事中は見ないほうがいいです!
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
ようこそ、世界で一番美しい寄生虫のビジュアルブックへ!目黒寄生虫館のミュージアムショップでベストセラーの『寄生蟲図鑑』が、さらにパワーアップ!「あなたの顔にもきっといる」ニキビダニや、「脳を喰らう殺人アメーバ」フォーラーネグレリアなど、衝撃の寄生虫50種類が登場。ドラマチックなイラストで、この世界に存在する“隣人たち”の奇妙な生き様を鮮烈に描き出します。
ようこそ、世界で一番美しい寄生虫のビジュアルブックへ!
目黒寄生虫館のミュージアムショップでベストセラーを続けている『寄生蟲図鑑』が、さらにパワーアップ!
「あなたの顔にもきっといる」ニキビダニや、「脳を喰らう殺人アメーバ」フォーラーネグレリアなど、衝撃の寄生虫50種類が登場。
ドラマチックなイラストで、この世界に存在する“隣人たち”の奇妙な生き様を鮮烈に描き出します。
寄生虫を散りばめた宝石箱のようなカバーも必見!
【感想】
なんとなく気になって借りた本です
借りたからそんな気にしてなかったんですが、Amazonで検索したときに気がついた…高い…!!2,300円(税別)…!!
気になって読んだんだけど、集合体無理な人とか、虫が苦手な方は注意かもしれない…。私は集合体恐怖症とかではないんだけれど、それでも読んでいて気持ち悪くなったから…。生のお魚とかが怖くて食べたくないなと思う程度に…。
画像も調べないほうが良いです…。
ちなみに、いままで寄生される側のことを「宿主(やどりぬし)」って読んでいたんですが、「宿主(しゅくしゅ)」でした…!!
初めて知ったこととか、なるほど!と思った内容を書いていきます。
・寄生虫(P19)
生涯あるいは一時期、他の生物(宿主)の体表や体内にとりついて、宿主から栄養をせしめる生物。宿主の体表面に寄生するものを外部寄生虫、体内に寄生するものを内部寄生虫という。
・宿主(P19)
寄生虫に寄生され、害を受ける動生物。寄生虫には生涯にひとつの宿主に寄生する種と、2つ以上の宿主を渡り歩く種がおり、幼体と成体で宿主が異なる場合、幼体の宿主を中間宿主、成体の宿主を終宿主という。
一般的に中間宿主を必要とする種では、幼体が中間宿主を介さずに終宿主に侵入できても、その一生(生活環)は完成しない。
・ヌマエラビル 分布:日本、中国 (P12-14)
淡水産のカメの外部寄生虫。マイナス196℃の液体窒素に24時間さらされても、マイナス90℃で3ヶ月冷凍されても、マイナス100℃と20℃の間で凍結と解凍のサイクルを最大12回繰り返されても生存していた。この凍結耐性のメカニズムはまだ解明されていない。
・リベイロイア 分布:北米 (P16-17)
リベイロイアの最終目的地は水鳥だが、水鳥に到達するためにまず巻き貝に寄生。そして遊泳能力を持ったセルカリアという形態に変化し、今度は近くにいるオタマジャクシに寄生して、後ろ足ができる部分に潜り込む。
セルカリア幼生が休眠状態に入ると、オタマジャクシは正常の足の形成を妨げられ、ねじまがった後ろ足が何本も生えてきたり、足の欠損したカエルになってしまう。
後ろ足が奇形なためうまく水鳥から逃げられないカエルは水鳥に食べられてしまい、リベイロイアは水鳥の中で成熟し、産卵する。
→寄生虫によって奇形にされて、しかも食べられるとか辛すぎる一生…
・ロイコクロリジウム 分布:ヨーロッパ、アメリカ (P20)
終宿主は鳥。鳥に到達するために、カタツムリに寄生し、カタツムリの行動に影響を与える。この寄生虫に脳を支配されたカタツムリは、ゾンビのようにふらふらと木に登り、明るく目立つ葉っぱの表面に移動してしまう。しかも、その触覚の中で伸びたり縮んだりして、鳥の大好物であるイモムシのように振る舞う。そして、終宿主である鳥に食べられる。
→寄生虫に脳を支配されるとか恐ろしすぎる…行動まで支配されるとか…
・日本住血吸虫 分布:東アジア、東南アジア (P26-29)
血液の中に住む細長い吸虫。ヒト流行地の水場で泳いだり素足で水田に入って作業をするうちに幼虫が皮膚を突き破って侵入。
血管内に寄生し、大量の受精卵を産み続ける。卵が血管を詰まらせ、宿主は肝硬変や腹水、貧血、脳障害を起こし、最悪の場合は死に至る。
日本住血吸虫の卵は水中で孵化してミヤイリガイに侵入する。寄生虫を駆除するためにはその生活環を断ち切ればいいということで、日本全国で100年にもわたる徹底的なミヤイリガイの駆除が行われた。
日本住血吸虫も日本からはいなくなり、人為的に撲滅されたミヤイリガイの霊を弔うために、筑後川を有する久留米市には「宮入貝供養塔」が建てられている。
→日本でそこまで寄生虫に悩まされていた時代があったなんて知らなかった…。貝の供養塔まで建てられているなんて…
・アニサキス 分布:世界各地 (P54)
クジラなどの海獣を終宿主とする寄生虫。ヒトがアニサキスの幼虫が寄生したサバなどを獲って食べた結果、アニサキスは本来の終宿主ならざるヒトの胃袋におさまってしまう。ヒトに食べられたアニサキスは成虫になることができず、胃壁や腸壁に頭を突っ込んだりする。
正しい終宿主にたどりついた寄生虫が悪さをすることはあまりない。本来の終宿主であるクジラはなんともないらしい。
→アニサキスも本当はクジラにたどり着きたいのにたどり着けず、人間も猛烈な痛みで苦しむとかどちらにとってもマイナスでしかない…
・メジナ虫 分布:アフリカ (P56)
メジナ虫の幼虫はケンミジンコの体内に潜んでいて、このケンミジンコが含まれた水をヒトが飲むことでヒトの体内に侵入する。その後、腸から腹腔へと抜け出し、12ヶ月をかけて体長約1mの成虫になる。成虫になったメスは宿主の足の皮下に移動し体内に幼虫を蓄えて外界に放出する機会を伺う。
→メジナ虫を興味本位でyoutubeで調べてしまったのね。。。これがいけなかった…吐き気の始まり…。。。
・ギョウチュウ 分布:世界各地 (P59)
成虫はヒトの体内に入ると十二指腸で孵化し、幼虫が盲腸に達して成虫となる。メスは宿主が寝ている間に腸管を下って肛門から這い出し、約1万個もの卵を周囲の皮膚上に産卵する。宿主が寝ている間に産卵をするため、セロファンによる肛門検査は朝起きた直後に行う。
現在の日本では検査の徹底と駆除のおかげで寄生率は1%を切り、小学校低学年で義務づけられていた検査はなくなった。
→小学生のころやったな~!!今はないんだね!!
・イヌ糸状虫 分布:世界各地 (P62)
フィラリア。イヌ糸状虫は成虫がイヌの心臓や肺動脈に寄生し、20~30cmにもなる、細長いそうめん状の線虫。媒介者である蚊に乗って飛来する。
イヌ糸状虫はイヌの体内で成虫になってから薬で駆除しようとしてもその死骸が血管を詰まらせてしまい、重篤な症状を引き起こしてしまう。しかし、予防によってはほぼ100%阻止できる。
→フィラリアってなんか病気だと思っていたんだけれど(犬飼っていなくて知らなかった)、寄生虫だったのか…
・熱帯熱マラリア原虫 分布:熱帯・亜熱帯地域 (P112-113)
蚊によって媒介されたマラリア原虫という寄生虫が、ヒトの赤血球の中で大繁殖することで起こる熱病。現在のところ有効なワクチンはなく、抗マラリア薬を飲むか、マラリア原虫を持った蚊に刺されないようにするしかない。
mal=悪い aria=空気
→マラリアも寄生虫によるものってこと知らなかった…。
・フォーラーネグレリア 分布:世界各地 (P119)
脳を食らう殺人アメーバ。普段は25℃~35℃のやや温かい淡水中や土の中で自由生活をしているアメーバの一種。このアメーバを含んだ水が鼻に入ると、アメーバが鼻の奥の粘膜から神経を伝って脳へと侵入してしまう。
脳へ到達したアメーバは脳を喰らいながら猛烈に増殖する。ヒトは激しい頭痛と発熱の後、昏睡状態となり、ほとんどの場合発症から10日ほどで死んでしまう。致死率は95%。
症状の進行があまりにも急なため、生前に感染に気づくことはほとんどない。そもそも有効な治療法も確立されていない。
対策としては水温の高い湖や沼などでは顔を水に浸けることを極力避け、泳ぐ際にはノーズクリップを使うと予防になる。
→これは本当に怖いね…。世界各地にいるんだからなおさら…。水温の高い淡水に行くのが怖くなる。。。
そんで、ネットを調べていてもっとおそろしくなったのが、フォーラーネグレリアは46℃まででも生息ができていたようだってこと。
これは、温泉でもフォーラーネグレリアがいるかもしれないということ…。温泉では顔まで浸かることは避ける、顔に温泉のお湯をかけるのを避ける方がいいかも…。
一滴でも鼻に入ったら気をつけろっていわれても…どうしたらいいんだ…
・ラフレシア・アーノルディ 分布:東南アジア (P133)
根や葉をもたずに花だけが直接宿主であるツタ科植物のブドウカズラの茎から生えており、宿主から栄養を頂戴している。
この寄生花がどうやって宿主の組織に侵入しているのかはいまだ謎に包まれている。
「腐肉」「便所」などと称される独特の匂いは花粉の媒介者であるハエをおびき寄せるために発している。
→ラフレシアも寄生する花だったの…?気持ち悪う…匂いかいだことないけど、読んだだけで臭そう…。
・冬虫夏草 分布:世界各地 (P136)
古代チベットでは「冬から夏にかけて虫から草に転生をする不思議な生物」と考えられており、それが名前の由来にもなった。
実際は昆虫に寄生するキノコの一種で、寄生といっても昆虫を殺しその体を養分としてキノコ(子物体)を生やすため、その性質は捕食に近い。
漢方薬屋の軒先に並ぶコウモリガの幼虫を宿主とする代表種を始めとして、世界では580種類ほどが見つかっており、それぞれが異なる宿主に規制する。
多種多様な宿主の中、カブトムシ、クワガタムシ、カミキリムシから生えるものは見つかっていない。見つけたら確実に新種。
→冬虫夏草って植物だと思っていたの…(あながち間違っちゃいないが) でも、どんなルックス…?と思って調べたのが間違いでした…。。。またやってしまった…。。。
あんな幼虫からキノコ生えたのが薬なんて信じられない…!なにがすごいって、最初にこれを秘薬として飲んだ人だよね
チーズにしても納豆にしても冬虫夏草にしても、最初に「ちょっと食べてみるか」って食べた人がすごいと思うの…。。。
気になったからってあまり調べないほうが良いです、閲覧注意画像ばかりだった…。。
けど、知らないこと知れてよかった!
寄生虫って宿主にとっても苦痛とかダメージを受けさせるもんだと思っていたけれど(そういう寄生虫もいるけれど)宿主から追い出されては元も子もないから、宿主には痛みとか感じさせないんんだな~って。(栄養は吸い取るけれど)
けど、人間に寄生するものは結構重篤になるものが多いような…。。
マラリアもフィラリアも寄生虫が原因だとは知らなかったし。ラフレシアも冬虫夏草も…。
またひとつ賢くなりました…目黒寄生虫館行ってみようかな…