4冊目:ずうのめ人形 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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ずうのめ人形

澤村伊智

2019/02/09

 

 

 

 

★ひとことまとめ★

ヒトコワ

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

オカルト雑誌で働く藤間は、同僚から都市伝説にまつわる原稿を託される。

それは一週間前に不審死を遂げたライターが遺したものらしい。

原稿を読み進め「ずうのめ人形」という都市伝説に触れた時――

怪異が、始まる。

 

 

【感想】

比嘉姉妹シリーズ。

今回は都市伝説がテーマでした。

このお話は琴子はほとんど出てこず、真琴と、いまは亡き2番目の姉の美晴のエピソードが出てきます。

なぜ美晴は亡くなったのか、その真相がわかります。

 

 

オカルト雑誌編集部でアルバイトをする藤間が主人公。

記事を担当していたライター・湯水と連絡が取れず、彼の自宅に確認しにいった藤間は、そこで頬を切り裂かれ両目玉がくり抜かれた湯水の遺体を発見する。現場には燃やされた原稿用紙が散らかっていた。

 

その後、共に湯水の自宅に行った岩田から、遺体発見現場にあった原稿を持って帰ってしまったことを告げられる。

岩田はすでに内容を読んでおり、その原稿はある都市伝説に関するもので、湯水はそれのせいで亡くなったのだと言い張る岩田。

スキャンしプリントし直した原稿を渡された藤間は、言われるがままその原稿を読み始めてしまう…。

 

という感じで、藤間のパートと、原稿のパートでお話が進んでいきます。

岩間はぼぎわんでも出てきた、唐草教授の生徒ですね。

 

その原稿は「ずうのめ人形」に関するものだった。

中学2年生の来生里穂は家庭環境に問題を抱えていた。父から逃げるように家を出た母、弟、妹と共に決して裕福とは言えない暮らしを送っている。友人もおらず、図書館で怖い本を借りて読むことだけが唯一の楽しみだった。

ある日、里穂は図書館の司書から交流ノートなるものを勧められる。好きな本やおすすめな本を書いて情報交換をすることで、気の合う人が見つかるのではないかとのことだった。

里穂は”りぃ”というペンネームを使い、おすすめの怖い話がないか情報を募った。

その様子や借りた本をクラスメイトに見られていたのか、里穂は同級生から露骨に避けられ浮いた存在となってしまう。

 

しばらく里穂の書き込みへの返信はなかったが、ある日”ゆかり”というペンネームの子から返事が書かれていた。

そこから、りぃとゆかりの交流ノートでの文通が始まる。

おすすめの本の情報だけではなく、次第に怖い話や都市伝説についての話をするようになる2人。

そんなある日、ゆかりから書かれていたのは「ずうのめ人形」という都市伝説の話だった。

このずうのめ人形の文章を読んだ者は4日後にずうのめ人形がやってきて、正しい対処法をしないと殺される。

都市伝説によくある内容…だったのだが、ある夜里穂の元に本当にずうのめ人形が現れる。

交流ノートに書いてあった通りの対処法を試したところ、気づくと朝になっていた。

 

ずうのめ人形の話が気になった里穂はゆかりに詳細を聞くも、あれはゆかりが創作した作り話だと言う。

にもかかわらず、里穂の周りではずうのめ人形の呪いとしか考えられない出来事が立て続けに起こる。

作り話なはずなのに…。

そんな時、里穂は同じ学校に通う比嘉美晴という生徒から、ずうのめ人形の呪いの解決に協力するという申し出を受ける。

美晴と共にずうのめ人形の真相を探る里穂だったが…

 

 

 

美晴、琴子のこと妬んでいたんですね。

美晴が亡くなったのは琴子が原因じゃないけれど、自分の力のせいで…と琴子は悔いているのでしょうか。

 

 

最後のあたりでは辻褄合わせというか、こうもうまく関係者が集まるか??世間狭すぎ??と思わなくもないキョロキョロ

他に呪いの解き方はなかったのでしょうか?

結局、真琴や野崎たちの力では無理だったわけで。呪いは根源自体を潰すしか対処法はないのかな?

 

 

人は都合よくできているから、自分の過ちは忘れて、されたことはよく覚えている。

里穂は被害者意識がすごいですよね。

そんなどうしようもない人間だからこそ、見境なく人を殺してしまうような、どうしようもない呪いを産んだ。

けど、里穂だけじゃなく、誰にでも言えますよね。自分にとってはすぐ忘れてしまうような取るに足らないことでも、相手は何年も何十年も恨み続けているかもしれない。

自分の発言や行動がどれだけ相手に(良くも悪くも)影響を与えたかなんて、そうそうわからないですよね。

 

呪いの仕組みを理解できていないまま呪いを広めてしまったもんだから、まさか伝播されて意図せず大切な人まで死んでしまうなんて思わなかったろうな。

里穂だって人を憎んで呪って殺すために生まれてきたわけではないだろうし、家庭環境、友達、そういう取り巻く環境が少しでも違っていたら、呪いなんて産まずに済んだのではと悲しくなってしまったなあ。

 

 

最終的には因果応報というか、自業自得な終わり方だったけれど、巻き込まれた里穂の子供は可哀想だったな。

戸波さんもかわいそうでしかなかった…。夫も子供も亡くした上、自分もこんな悲惨な死に方…。

にしても、里穂はごっこ遊びで金槌やら包丁を使っているけれど、怪我させたのか…?

アシスタントに痣作るくらいだから、きっと金槌で殴ったり包丁で刺したりしたんだろうけれど、そんな怪我ができていたら流石に親もおかしいと思うのでは…?

ゆかりちゃん、律儀に言いつけ守ってされたこと言わなかったのかな。聞かれても誤魔化したのかな。

 

戸波さんは呪いが地下から来るってのを知らなかったんでしょうね。もし理解できていたのなら、タワマンの上階で行おうとは思わないもんね。

にしても下の階の人たちを軒並み殺すとは、呪いの力半端ないです。

 

さすがに琴子もスーパーマンじゃないから、妹の助けでも察知して助けに来ることができなかったのかなあ。あんな無茶せずに美晴も生きていてほしかったな。

 

 

終わり方はまたぼぎわん、ししりばみたいに嫌な終わり方。

藤間にも同情はします。けれど、自分が不幸だから人も不幸にしてやろうってのはやっぱり良くないなあドンッ

頼れる家族、暖かい家庭がなかったのは可哀想だけれど、友達や他に頼れる人がいないのは藤間自身の努力の問題でもあるし…。

 

 

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