3冊目:ツナグ | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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ツナグ

辻村深月

2019/02/01

 

 

★ひとことまとめ★

感動!と言い切るのとは別の感情だけれど、泣ける

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

突然死したアイドルに。癌で逝った母に。喧嘩したまま亡くなった親友に。

失踪した婚約者に。死者との再会を望むなんて、生者の傲慢かもしれない。

間違いかもしれない。でも―喪ったものを取り戻し、生きるために会いにいく。

―4つの再会が繋いだ、ある真実。新たな一歩を踏み出す連作長編小説。

 

 

【感想】

読書もせず勉強していたFPの試験がようやく終わって、自己採点で合格基準上回っていたので読書再開しましたラブハート

 

ツナグは松坂桃李くんで映画化もされたよね??

王様のブランチの本でおすすめされていたので読みました。

 

使者ーツナグ

生きている人間から依頼を受け、死んでしまった人間と会わせることのできる人物。

死んでしまった人間の誰に会いたいか依頼を受け、死者に交渉をし、OKであった場合のみ会うことができる。

生きている人間は生きている間に1人の死者にしか会うことはできない。

死者は、1人の生きている人間にしか会うことができない。

生きている間に1人、死んでから1人。

会いたい死者が、もうすでに他の人間と会ってしまった場合はもうその死者には会うことができない。

 

このシステムからして考えさせられるよね…。

自分がどうしても会いたい人が、もしかしたら親などと会っていた場合はもう会えないわけだし。

死者側も、一度断ってしまったら、また次に誰かが会いに来てくれるともわからないわけだし…。

 

自分を助けてくれた芸能人が亡くなってしまい、どうしても会いたかったファンのOL(アイドルの心得)

 

母親が亡くなり、自分のいままでの行いが正しかったのか自信が

持てなくなり、母親に会うことを願った男性(長男の心得)

 

親友と喧嘩をし、ふとした出来心から自分がとった行動が原因と考えられる事故で、親友を亡くしてしまった女子高生(親友の心得)

 

失踪してから7年経つ婚約者を待ち続け、もしかしたらすでに…

と考え、使者に連絡をとった男性(待ち人の心得)

 

そして、父親と母親を同時に亡くしているツナグ自身(使者の心得)

 

全部で5つのお話になっているんだけれど、特に考えさせられたのは、親友の心得かなあ。

なんかもっと、親友と誤解を解いて、感動というか、私あなたの分まで生きる的なお涙頂戴をイメージしてたのね。

でも、実際はもっと暗くて…死ぬまで背負わなきゃいけない罪みたいな。。

自分の行った行動のせいで親友が死んだかも知れない。

もしかしたらその現場を親友も見ていたかも知れない。

自分よりも先に他の人が親友に会ったら、自分が殺した(死ぬ原因を作った)ことを言われてしまうかも知れない、だから、親友のたった1回の生きている人間との会う機会を自分が潰すしかない。

 

そんな気持ちで親友と会ったけれど、結局事故に関する話に触れられず、いつものような当たり障りのない会話で面会を終わらせてしまったが、ツナグから親友の伝言を聞いたことで一生後悔を背負って生きていくことになってしまった…。

たった一度の会う機会を、喧嘩してでも険悪になってでもいいから、お互いの気持ちを真っ向からぶつけることもできたのに、、、たった一度の機会を無駄にした上に、もう二度と親友に会うことも、謝ることもできないという…。

 

待ち人の心得が、5つのお話のなかでは一番「感動」って気持ちに近かったかな。

婚約者が失踪して、周りからは逃げられた、遊ばれていたなどと言われても、それでもずっと待ち続け、もしかしたらすでに彼女は…と思い、ツナグに連絡を取る男性。

ツナグからの返事が「会う、そうです」だったことで、婚約者は本当にこの世にいないのだと知る。

もし知らなければ、ずっとどこかで生きていると信じて生きていけたかもしれない。

自分を裏切って、騙していたのだとしても、どこかで生きていてほしかった。

婚約者が死んでしまったと認めることの重さが伝わってきて読んでいてすごく悲しくなった。。。

 

最後のお話は、ツナグ自身のお話。

他の4つのお話も、ツナグ視点で書かれている。

なぜ高校生でツナグをやっているのか、なぜツナグの両親は不可解な死に方をしたのか。

なぜ、祖母は自分にツナグを継承しようとしているのか。

そのあたりが書かれてます。

ああ、なるほど…という終わり方ですっきりまとまっていてよかったな。

 

生きている側は、辛くても悲しくても、乗り越えて生きていかないといけないからなあ…。

もし自分の大切な人が亡くなったら、誰に自分は会いたいかなって考えちゃった。

あと、自分が亡くなったら、誰か会いにきてくれるのかなとか。

 

いい本でした照れ