少女は卒業しない
朝井リョウ
2018/08/12
★ひとことまとめ★
学生時代をしみじみ思い出す本。
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
高校最後の卒業式、7つのさよならの物語。
校舎取り壊しが決まっている高校、最後の卒業式の一日。少女7人が迎えるそれぞれの別れを、瑞々しく描く連作短編集。恋愛あり、友情あり、成長あり、ミステリ的仕掛けあり。青春の全てがここに!
【感想】
高校を卒業したのなんてもう10年くらい前。この本を読んで高校時代の、本を読む前まではすっかり忘れていたような思い出をいろいろ思い出した。
7つのお話の中でも、「寺田の足の甲はキャベツ」と「夜明けの中心」は特にしんみりしたなあ…。別れって感じ。
嫌いでもないし、大好きだけれど、卒業して、2人離れて、環境が変わったら絶対にうまくいかない。2人が目指す場所が違いすぎるのもわかっているから、別れを告げるっていうのがね。
もちろん、みんながみんなうまくいかないわけではないけれど、目指す場所が違う2人だと難しいよね。うまくいくって思っても、なんだかんだ離れてしまうと忘れてしまうからね。ってそんなしみじみ語っているけれど自分は別に卒業のタイミングで別れとかはなかったんだけれど。
「夜明けの中心」の方はなあ。大切な人にもう二度と会えない悲しさと、さらに追い打ちをかけるように思い出の校舎も取り壊されるっていうのがね。寂しいお話。
朝井リョウさんの本は「何者」が初めてで、次がこの前の「世にも奇妙な君物語」、「ままならないから私とあなた」だったから、今回の作品みたいな書き方?は自分のなかの朝井リョウさんっぽさとはまた違ってよかった。けれど、どの作品にも言えるのは、朝井リョウさんと年が近いってのもあって、共感ができるというか、私達の年代っぽさというんだろうか…それがとても出ていて読みやすい。