51冊目:dele | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

dele

本多孝好

2018/07/27

 
 

 

★ひとことまとめ★

ドラマもみなきゃ!!!

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

 

【Amazon内容紹介】

〈生〉と〈死〉、〈記憶〉と〈記録〉をめぐる連作ミステリ!
【あなたの死後、不要となるデータを削除いたします。】
罪の証。不貞の写真。隠し続けた真実。
『dele.LIFE』で働く圭司と祐太郎の仕事は、秘密のデータを消すだけ――のはずだった。
あなたの記憶に刻まれる、〈生〉と〈死〉、〈記憶〉と〈記録〉をめぐる連作ミステリ!
『dele.LIFE(ディーリー・ドット・ライフ)』。
真柴祐太郎がその殺風景な事務所に足を踏み入れたのは、三ヶ月ほど前のことだった。
所長であり唯一の所員でもある坂上圭司いわく、
「死後、誰にも見られたくないデータを、その人に代わってデジタルデバイスから削除(delete)する。それがうちの仕事だ」。
誰かが死ぬと、この事務所の仕事が始まるのだ。
新入りの祐太郎が足を使って裏を取り、所長の圭司がデータを遠隔操作で削除する。
淡々と依頼を遂行する圭司のスタンスに対し、祐太郎はどこか疑問を感じていた。
詐欺の証拠、異性の写真、隠し金――。
依頼人の秘密のファイルを覗いてしまった二人は、次々と事件に巻き込まれる。
この世を去った者の〈記録〉と、遺された者の〈記憶〉。
そこに秘められた謎と真相、込められた切なる想いとは。

『MISSING』『MOMENT』『WILL』などで「生」と「死」に直面した人々を描いてきた著者が、今だからこそ書き得た新たな代表作。
≪dele=ディーリー。校正用語で「削除」の意。≫

 

 

【感想】☆8月4日加筆☆

本多孝好さんは好きでもともと何冊も読んでいるけれど、今期ドラマのdeleの原作が本多さんと知って読むことに!!

 

死後、誰にも見られたくないデータを、その人に変わって削除する、それが「dele.LIFE」の行っている仕事。所長である坂上圭司と、そこに雇われた真柴祐太朗。依頼人が設定した任意の時間、彼らのデバイスが操作されないと、事務所にあるモグラ(=ノートPC)に信号が送られてくる。

 

刺殺された無職の青年。大手ゼネコンの相談役まで登りつめたエリート男性。アルバイト先の客が気になりストーカーになった男性。癌を患い、間もなく死を迎える女性。外資系投資顧問会社で働き、子供のために無償で塾を開いていた男性。

年齢も、性別も、境遇も違う依頼人たち。肩書だけでは決して想像のできない、彼らの生きてきた人生を、友人や親族などからの情報をもとに、パズルのように一つずつ完成させていき、なぜ依頼人はそのデータを削除したかったのかを紐解いていく。

 

 

難しいミステリーではないから読みやすいし、結末がハッピーエンドにまとめてくれているから読んだあとの気分がいい。

さらに、肩書などからはわからない、依頼人の人生が垣間見えた。

ドラマのキャストを見てしまったからかもしれないけれど、圭司が山田くん、祐太朗が菅田くんってのがかなりハマってる。

読んでいる間も山田くんと菅田くんで再生されてしまった!

チンピラまではいかないけれど、ちょっと普通からは外れている祐太朗。でも根は真面目で、正しいこととか、誠実さを大切にしているんだろうなってことが伝わってくる。機転がきいて、人間味のある祐太朗が尋ねることで、依頼人の周りの人達も情報をうまく話してくれる。

圭司も、はじめのうちはちょっと冷たいなあと感じるけれど、子供と触れ合う姿を通して、圭司も根はきっと優しい人なんだろうなあということが伝わってくる。あと、祐太朗の情報を集める力はとても大きいけれど、そのピースの当てはめかたや、結論への導き方は圭司のほうが上手。圭司も圭司なりに、依頼人のことを考えていることが伝わってくる。

 

本多さんの作品は、上記のAmazonの内容紹介にもあるように、生や死についての内容が多くて、考えさせらせることが多いんだけれど、今回の作品も、もしも自分だったらと考えさせられた。

昔は紙だったり写真だったり、捨てればそれで消せたかもしれないけれど、今の時代はクラウドだったり、SNSだったり、いろんなところにデータが残っていて、なかなか消すことって難しい。亡くなったあとに誰もID、パスワードがわからなければ延々になくならないまま残るわけだし。確かに、その処理をどうするかは悩むなあと。

 

圭司の考えもわかるんだよな~。本人からすると、決して見られたくないからこそ赤の他人と契約してお願いしているのであって、そのデータを見るというのは、故人との契約を反故しているようなものだもんね。

けれど、祐太朗の言い分もわかる。家族からしたら、どんなことでもいいから、故人の残したものを知りたいっていう気持ち。故人は見られたくなかったのかもしれないけれど、残された家族は違うよね。

どちらの気持ちもわかるから、どちらがいいとも悪いとも言えないけれど、そのバランスが取れているお話だからよかったな。

 

dele2も買ったから、それも感想書こうと思う!