47冊目:世にも奇妙な君物語 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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世にも奇妙な君物語

朝井リョウ

2018/07/21

 

 

 
 
 

 

★ひとことまとめ★

世にも奇妙な~が好きな人は絶対好きなはず!

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

 

【Amazon内容紹介】

今年二十五周年を迎えたテレビドラマ、「世にも奇妙な物語」の大ファンである、直木賞作家・朝井リョウ。映像化を夢見て、「世にも奇妙な物語」のために勝手に原作を書き下ろした短編、五編を収録。
1 シェアハウさない
2 リア充裁判
3 立て! 金次郎
4 13.5文字しか集中して読めな
5 脇役バトルロワイアル

 

【感想】

※2019/02/03 ちょこちょこ加筆。

〈前置き〉

ハードカバーで読みましたが、最近は文庫本が出たようで

このブログにたどり着く方が多いみたいですね!

ありがたいことにこの本のタイトル、感想で検索すると

なんのSEO対策もしてませんが、このブログがGoogleの

1ページ目に来るため、アクセスがとても増えています。

きっと皆さん買う前に調べているのかも知れませんが、

この本は感想・ネタバレを読む前にぜひ本を読んでほしいと

個人的に思ってます。

世にも奇妙な物語が嫌いな人ならば別ですが、

世にも奇妙な物語が好きな方は絶対ハマるはず。

そのくらいおすすめしたいです!

 

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朝井さんは「何者」を読んで面白かったので、偶然見つけて

読むことに。

世にも奇妙な物語の大ファンの朝井さんが、勝手に世にも奇妙な物語にありそうなお話を書いたのがこの作品。

ハードカバーと文庫本ではページ数が違うかもしれないので

そこはご注意を!

 

 

・シェアハウさない

ライターの浩子は、シェアハウスの記事を書くためだけにシェアハウスに潜入したんだけれど、そのシェアハウスの住人たちには、なにか違和感があって…というお話。

シェアハウスについて浩子が、

「誰かと何かを共有する必要のない人が、だけど何かを共有

したいのはなぜか、その何かとはなんなのか(P22)」

と言ったのが印象深かった。

ハウスをシェアしているだけではなく、ハウス以外の「何か」をシェアしているという考え方。

では、潜入した浩子のシェアハウスの住人たちは、いったい「何を」シェアしているのか…?

浩子の抱える暗い過去と、そして救われない結末。。。

いかにも世にも奇妙な物語の一話目という感じです!

 

 

・リア充裁判

これも視点が秀逸!

リア充で、コミュ力が高いのがそんなに偉いのか?

本当に大事なのは、そんなことではないんじゃないのか?

っていう問題提起なのかと思ったらwww

まさかのオチがきついっす…そうだよね…リア充でコミュ力が高いことだけがいいことではないけれど、そりゃ皆無よりあるようがいいに決まってるだろっていうような…。

P98からのオチが本当に厳しいものだったなあ。

これは読んでもらわないとわからないな。

 

 

・立て!金次郎

みんな踊らされているのだなあという感想を持ちました。

親からの評価を気にする幼稚園。親からのクレームがあれば、即座に対応をする。それって、おかしいんじゃないか?

親からの評価の左右されるのはおかしい!と感じる幼稚園の先生である孝次郎。

園の考えに背き、自分の考えに従って行動した結果、それが親達

からの評価につながった…。努力は報われたんだ…と思わせておいて、からの~がやっぱり世にも奇妙な物語感。

すべて台本どおりというか、結局は孝次郎も踊らされているだけでした…。

自分は主人公だと思っていたけど、実際は自分も登場人物の一人にしか過ぎなくて…ってお話ってあるよね。

 

 

・13.5文字しか集中して読めな

よくあるニュースアプリなどを思い出しながら読めたので、とてもわかりやすかった。ニュース記事を書いている香織。

自分の仕事に誇りを持っていて、憧れの上司もいて、子供も自分の仕事にあこがれていて、仕事はとても順調で…ってところからどんどん崩壊していくのが怖い。

上司からは自分の信じていた仕事のやり方がいまの世の流れに合っていないと言われ、さらに夫ともなんだかうまくいっていない気がする、自分のやり方は正しいはずなのに…その気持ちは何となく分かる。

ってここまでならまあ仕事での悩みとか、家庭での悩みなんだけれど、非常に怖いのはその後…息子の授業参観…。

純粋に親の仕事に憧れてるっているのはとてもわかる、わかります…。自分が教えてきたとおりに息子は成長してくれたのに、全然喜べない恐ろしさ。

香織や息子のその先を考えるとなんとも嫌な気持ちになります…。

 

 

・脇役バトルロワイヤル

いままでの4話を読んでいて思ったのは、出てくる登場人物に俳優・女優さんに似ている名前があったということ。

それが、この話で「なるほどな!」とわかった!

これは本当に最後に読むべき、というか最後に読まないといけないお話だね~。

もう、もろあの俳優さん・女優さんっていうのがわかっちゃうから頭の中で即実写化できちゃうよね笑

脇役の掟・あるあるみたいなのも楽しかったww 

そして最後のオチ…。主人公の器というのは、持とうとして持てるものではないのね…

 

 

いや~全部のお話が面白い。皮肉だったり、人の怖さだったり、

最近の本家よりも秀逸だと感じました~。

世にも奇妙な物語、ホントこれ実写化をお願いしたい!